もののけの悲しみ

もののけの悲しみは、もののけの悲しみを聞く事のできる人に伝えられる
もののけは自らがもののけである事に悲しみを覚えている
自分はなぜ、もののけなのか
もののけである事から抜け出せないでいるもののけは、いつまでも、もののけである事を嘆き続ける


悲しみよ なくなれ
私が人間になれたら 悲しみは消えるのに
人間になれない私は 人間に話しかける
「 たすけて 」と幾度も話しかける


もののけはもののけの世界に住んでいる
少しだけの自由を使って、人間の世界に現れては語りかける
「 私は醜いもののけ  美しい人間になりたい 」
「 たすけて・・ 」


もののけの悲しみは、もののけの悲しみを聞く事のできる人に伝えられる
もののけはいつまでも、もののけなのだろうか
もののけの悲しみと、人間の悲しみは違うのだろうか
もののけの涙と、人間の涙は違うのだろうか


一匹の蛇が草むらを揺らして音を立てた
私はここにいるよと音を立てて知らせた
いつかあなたに、人間になって会えたならと音を立てた
私は醜いもののけだけど、あなたはもののけの悲しみを知っていると、草を揺らして音を立てた

もののけの悲しみ

もののけの悲しみ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-04-24

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