ときめく恋はカフェオレの香り チャプター11
(これまでのあらすじ)
鈴原結奈(すずはらゆいな)は、証券会社に勤務する30代の女性。
カフェ好きで、今は会社の先輩の漆原美香(うるしばらみか)の家に同居している。
恋愛に自信が無く、今までに2人の彼氏がいたがふられてしまう。
2番目の彼氏・南川達郎(みなみかわたつろう)とはうまくいってたが、実妹・円香(まどか)に略奪されて、別れることに・・。
その円香(まどか)も、達郎と別れて今はフリーである。
恋愛を忘れて、美香先輩と楽しく暮らしている結奈であった。
この前、デートに誘われたのは川添陸郎(かわぞえりくろう)。モテない地味目の男性で、
結奈は気が進まないが、、結婚相手には、ちょうど良いと思っていたのだ。
(本編)
鈴原結(すずはらゆいな)は、今日は美香先輩が買い物に行ってしまったので、先輩のマンションで、ひとりでくつろいでいた。
「ああ、川添さんは結婚向きだけどドキドキしないな」と考えていたのだ。。
と、その時・・
スマホが鳴り、、着信を見ると、なんと笹原蒼空(ささはらそら)くんからであった。
初めての彼氏で、ナイトバーで知り合い、ルックスもとっても良い。イケメンのメンズで、彼のアパートまで行った仲である。
『ええ、?蒼空くんが。。どうしたのかしら」
結奈はでも、覚えていた。自分が、まだ、メンタルが子どもで体の関係を拒否したことや、それをきっかけに、別れたことなど・・。
蒼空くんは大人だし、たくさんの女性との恋愛経験もあったのね。あの時、もったいぶらないでOKしておけば良かったのかなあ。
ーー 恋につきものの、ぐちゃぐちゃした感情が湧きあがってくるーー
『まあ、いいか、』と、結奈は大きなため息をついてみた。
思わず出てみると、相変わらず爽やかな蒼空くんのハスキーボイスである。
「あ、、久しぶり?結奈さん、、、元気?」
蒼空くんは、本当に女性慣れしていて、こっちの心も知らず、、、思わせぶりなことを言ってくるのだ。
「ええ、蒼空くんも元気なの・・?」
しばらく会ってないのに、蒼空くんのアパートを訪ねたことや、デートのことが脳内に浮かんでくる結奈であった。
「ねえ、来週、ナイトバーに来れないかな? 話をしたいことがあってさ」と、さらりと誘ってくる蒼空くんだったのだ。もちろん、断る理由なんて無いので日にちを決めて、、約束をする2人だったのだ・・・。
結奈は、飲んでいたジャスミンテイーを飲み干して、お代わりをするためにキッチンに行った。。、
「また、蒼空くんとカフェオレが飲みたいけど、、」ひとりごとを呟くと、ジャスミンテイーをカップを持ち、、部屋に戻ったのだ。
それから、1週間後に迷いもなく結奈は蒼空くんのアパートに行ってみた。玄関のチャイムを押すと、蒼空くんは笑顔で迎えてくれる。何ヶ月ぶりだろう、蒼空君とこうやって会うのは・・・。
失礼なことに、結奈はこの前、デートを申し込まれた川添さんを思い出していたのだ。蒼空くんと会う前に、川添さんはきちんとお断りの連絡をしていた。)『あんなダサい人よりも、やっぱイケメンの蒼空くんに決定ね!』
蒼空くんは部屋に入ると、、結奈の手を急に握り、、
「これ、飲んでみて。俺が作ったんだよ」
と、なんとホットカフェオレを手渡してくれたのだ。
女心が、とってもよく理解できてる蒼空くん。。さすがだな。。
ふたりでカフェオレを飲んでみた。 久しぶりに見る蒼空くんの部屋は、ブラック基調でコーデイネイトされていて、とってもお洒落である。なぜか、結奈にとってはほっとする空間なのだ。
「ええ、久しぶりね、、どうしたの?何か困ったことでもあった?」と結奈。
「うん、、実は弟が病気でさ、、少し看病してたんだよ」
蒼空くんの話によると、弟の看病をしている時に、なぜか結奈のことが思い出されたみたいである・・
あれから、何人か女性が寄ってきたけど、ナイトバーに勤務するかっこいい蒼空くんだけを求めていたり、「私の友人に会ってね」とか、蒼空君を自慢のネタにするような女性ばかり・・。
そんな時に、蒼空くんは結奈が励ましてくれたことや、小さな花束をプレゼントしてくれたことを思い出したのだ。
「ね、、結奈ちゃん、やっぱり俺には結奈ちゃんしか、居ないんだ」
「また、付き合ってみない・・?」と、蒼空くんは照れくさそうに言ってきたのだ。
5分くらい迷ったが、結奈は蒼空くんと付き合うことに決めた。
ーー 蒼空くんの脇にいると、蒼空くんが着ているシャツの匂い、蒼空くんのぬくもり、、、握った手の 温かさなど、、すべてが結奈の心を満たしてくれたのだ。。
私は、蒼空くんと一緒に居よう・・。 結奈は、カップに残っていたカフェオレをぐっと飲み干したのだった。
3日後・・。
蒼空くんは、結奈を車に乗せて、夜の高速ドライブに連れていってくれた。
「へえ、こんな時間に高速を走ったりするのね・・?」結奈はちょっと不安顔だった。
「うん、、昔さ、会社の先輩に怒られてむしゃくしゃする時は、よく一人で、走ったんだよ」
蒼空くんは、やっぱりやんちゃでちょっと危ない匂いもする男性なのだーー。
不良とか、自分がしたことの無い結奈にはそこも魅力だった・・。
蒼空君と別れたのは朝の4時過ぎだった。おみやげに、自動販売機でコーラを買ってくれた・・ 。
美香先輩も心配しているだろう。。そろそろ、帰らなくっちゃ・。 結奈は、眠い目をこすって小さなあくびをした。
ーー それから美香先輩に相談するーー
このことを、真っ先に美香先輩に報告した。
「わーー。また、恋のロマンスね。結奈ちゃん、素晴らしいわ」
美香先輩はそういって、ミルフィーユと紅茶で乾杯してくれたのだ。
結奈が好きな、英国模様のティーカップも準備してくれている。細やかな気遣いができる女性だ。
美香先輩は40代だけど、、少女っぽいところもありそこが可愛い。
滑川さんとはまだ友人だけど、、、どうなるのかな・・・?
そんな結奈の気持ちもつゆ知らず、美香先輩は紅茶の香りを楽しんでいるようだ。
「わあ、このミルフィーユはおいしいわね、カスタードクリームも美味だわ、」と
美香先輩は、ミルフィーユをつついていた・・。
蒼空くんは、毎日のようにメールをしてくれた。なんと、お笑いのスタンプまで使ってくれて結奈を笑わせてくれてる・・・「心のオアシスだわ」と、結奈はにんまり笑ってみた。
一方、心配してくれていた友人の緑川琴葉であるが、、なんだか1人旅に行っているらしく携帯の電源も切ってあったのだ。
「さすがに、短大で鉄道クラブに入っていただけあるわ、。旅行で楽しんでいるのね」琴葉が帰ってから、報告することにして、結奈は家のことを考えてみる。
『ママは、どうしているかな。
妹の、円香は仕事で激務なのかしら・・?』
南川達郎さんのことで、もめた妹と顔を合わせたくないので、家を出てきた結奈。先輩との暮らしも楽しかったが、何故か家族のことが気になってきたのだ。長女として家の責任もあるし、みんなの体調も心配になってくる。
『琴葉は一人っ子らしいな、、自由に飛び回っていて、、家族が心配じゃないのかしら・・?』
恋愛経験が多い、琴葉のことは尊敬しているが、自由すぎるところはちょっと頼り無さそうに思えていた。
その時、妹の円香からちょうど電話がきたのだった。
「あ、お姉ちゃん、大変、大変よ。帰ってきて」
「どうしたの?誰か倒れたの・・?」と心配になる結奈なのだ。
「違うの。ママが、習いものの若い先生に夢中になっちゃって・・・!!」
急に、デートをするって言ってるのよ」
びっくりする結奈だったが、おちゃめなママのことだ。また、男性への熱も冷めるだろう。結奈の脳内に、ママの笑っている顔や文句を言っている妹の円香・・。そして、単身赴任でなかなか会えないけど、ダンディーなパパの姿を浮かんできたのだ。
「わかったわ。はあ、来週には戻るわね、私の部屋を片付けておいてね」
「うん、わかったよ、おみやげ買ってきてね」
ちゃっかりした妹を見ていると、なぜか安心する結奈なのだ。
『ああ、来週には戻ってっみようかな、ママのことも気になるからね』
この時、また新しい事件が始まることを、結奈は想像もしてなかった・・。
ときめく恋はカフェオレの香り チャプター11