『蜜色の毒針』

目の前でシャボン玉が弾けて
アタシは夢から覚めた


『蜜色の毒針』


病的なまでの思い込みだった
いつまでも少女のままでいられるなんて
だってあの時の貴方の顔ったら
まるで待てを強制された犬のよう

荒い息を噛み殺して見つめる目に
他の意図なんて見つかりはしない
ごくりと飲み込んだ喉の動き
それって凄くエロティック

きっと貴方は知っていたのね
アタシが正真正銘悪い子だって
だけど貴方になら知られてもよかった
だってその毒針は余りに魅力的

他の子に刺す心算ならどうか
このままアタシに突き立てて
痛みの果てにある悦楽を教えてよ
だってみんなそれに夢中

貴方には何度も繰り返した作業でも
アタシにとっては初めての痛み
血が流れてもきっと喜びに泣くから
髪を撫でてキスをして優しい振りで宥めて

この先のことを夢みたいに話して
頷いたらまた頭を撫でてね
貴方に着いて行くわと無邪気を装って
重い鎖を付けてあげるから

哀れにも優しい人だから拒めない
知っていて永遠を約束させる
その毒針はアタシだけのものよ
裏切りは地獄の始まりなんだから



「手を出したが最後、目覚めたアタシは厄介よ」

『蜜色の毒針』

『蜜色の毒針』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-04-22

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