zoku勇者 マザー2編・12

※非常に汚い不愉快描写が有りますので、お食事中の方など、
何か食べながら読むのはお控え下さいませ。m(_ _)m

スリーク編・3

ジャミル達はどせいさんに教えて貰った通り、今、グレープ
フルーツの滝の裏側にいる。ここで3分間何もしないで只管
耐えるのであった。
 
「3分間だよ、3分でいいんだからね……」
 
「ジャミル、本当に大丈夫……?」
 
「わ、分かってらあ、大丈夫だよ……」
 
アルベルトとアイシャが心配そうにジャミルを見つめる中、
何となく不安そうにジャミルが声を出した。
 
「合言葉を言え!」
 
滝の奥の方から野太く、タンが絡んだ様な汚い声がした。
……だが此処で挑発に乗って返事をしてはいけない。
只管、只管……、何もせず、黙って3分耐えるのみである。
 
「……ぶあっくしんっ!!」
 
「やり直し」
 
ジャミル、早速やらかしアルベルトにスリッパで叩かれる。
 
「自然現象なんだよ!」
 
「我慢してっ!!」
 
「分りましたよー!」
 
(……はあ、3分間が長いわね……)
 
もう一度……、トリオは黙りこくった。3分間、……そのたった
3分が……。
 
「ジャミル、当然分かってると思うケド、おならも駄目だからね……、
あ……」
 
「やり直し」
 
「もうっ!アルったら!駄目じゃないの!」
 
つい心配でうっかりジャミルに注意してしまったアルベルトの所為で、
又やり直しになる。
 
「ひゃははは!ざまみろバーカ!」
 
「やり直し」
 
……パンッ!!
 
それにしても……、とても長い長い……、3分間である……。
 
(こうなったら……、こういう時は……、無だ、そうだ、無の境地だ……、
お?俺にしてはやたらと難しい言葉思いつくな……、無だよ、
そうだ、無……、俺は無になるんだ……、む、む、む、……む……、
むむむのむ~……」
 
「……ぐうううーーzzzzz」
 
「やり直し」
 
パンッ!……パンッ!!
 
「鼾も駄目なのかよ!!」
 
「当たり前だろっ!!」
 
(……畜生、よし、頭をからっぽにするんだ、……何も考えるな……、
俺なら出来る筈だ……、何せ普段から頭の中はからっぽ……、ん?……、
からっぽ……)
 
「……それじゃ俺がまるで普段からノータリンみてえじゃねえか!!」
 
「やり直し」
 
パンッ!……パンッ!!……パンッ!!!
 
「はあ、悪いけどジャミル……、これじゃ何時まで立っても先に
進めない、だから……、最終手段だ、悪く思わないでくれるかな……」
 
「は、はいい~?」
 
アルベルトはずり落ちたメガネをへし上げるとゆっくりと
笑みを浮かべ……、ジャミルに顔を近づける。……そして……。
 
「うふふ、うふふ、……うふ、うふふ……」
 
「……はいいいい~!?」
 
 
「手荒な方法だけど、……これしかないんだ、我慢してくれよ……」
 
「ジャミル、3分間我慢してね、3分立ったらすぐに縄をほどいて
あげるからね……」
 
結局、ジャミルはアルベルトによって連打スリッパ攻撃で
気絶させられた上、縄でぐるぐる巻きに縛られ、お口に
ガムテープの刑にされた。しっかりと事前に道具を常備
している空恐ろしい男、アルベルト……。そして、漸く悪魔の
3分間が過ぎた……。
 
「通れ!」
 
「大丈夫?ジャミル……」
 
アイシャが急いでジャミルを拘束状態から解放する。
当然の如くジャミルは怒り狂うのであった……。
 
「……こんの、糞ベルトおおおお~、テメエなあ~……!!」
 
「はい、おやつ!」
 
アルベルトがさっとジャミルにおやつを差し出す。
 
「畜生……、後で覚えてろ、アホベルト……、うー!キャンキャン!!」
 
これも分かっていた様でしっかり準備しておいたらしい。
ジャミルはまるで餌付された子犬の如くおやつに齧り
付くのであった。
 
「もうー、しょうがないんだから……、ジャミルったら……」
 
横で見ていたアイシャが呆れる。……そんなこんなで、トリオは
どうにかゲップーの秘密基地へと潜入する事が出来たのであった。
しかし、相変わらずジャミルは機嫌が悪くブン蒸れ状態でぷっぷの
ぷーである。
 
「お前達、……ゲップー様の好物のはえみつは持って来たんだろうな!!」
 
「うわ!……こいつもっ!!」
 
中にいたのは……、さっきの野太い声の主であろう。これ又滅茶苦茶
臭いぐちゃぐちゃの生物であった。
 
「……ぼ、ぼっでぎでばる、ぼら……」
 
ジャミルは鼻を摘みながら急いでリュックの中からはえみつを
取り出して監視に見せた。
 
「よし、通ってよし、ゲヘゲヘ……、くれぐれも溢すんじゃないぞ……」
 
「ばぁんだが、ぶっがりびっじゅうがんぶんだじわずれだ……
ばまごびのびぼいがずるべ……」
 
※訳 何だか、うっかり一週間分出し忘れた……生ごみの
臭いがするね……
 
「ばる、ごどばがばまっでるば……」
 
※訳 アル、言葉が鈍ってるわ……
 
臭くてしょうがないので、アルベルトとアイシャも鼻を摘まんで
喋っている為、よく会話がちゃんと出来ない状態に……
 
「ゲヘヘ、ゲヘ、ゲヘヘ……」
 
ぐちゃぐちゃは何処かへ行ってしまった。ジャミル達は深呼吸し、
漸く大きく息を吸うのであった。
 
「……ふうー、何かどっかのゲス野郎みたいな笑い方だな、
……くせえ分余計達がわりィや……」
 
「先へ進もう、は、早くこんなとこ出ないと……、臭くて頭が
どうにかなりそうだよ……」
 
「くさいわー、……水浴びしたい……、くすん……、でもこの臭いちゃんと
落ちるのかしら……」
 
秘密基地の中も、相当臭い臭いで充満していた……。ジャミル達は
臭いを堪え、秘密基地の中を更に奥へ、奥へと……。あまりにも
臭いので、もしもこの場で今うっかりジャミルがおならをしても
恐らく誰も気が付かないであろう。
 
「ん?……あれは……」
 
「いたわ、どせいさん達よっ!!」
 
「……ぷうー、ぷうー。ぷうぷうぷう……。」
 
「よいしょ。よいしょ。」
 
重い足かせを付けられ……、ベルトコンベアーに必死にはえみつを
流す作業をしているどせいさん達の姿であった。
 
「ぷう~……。」
 
「貴様っ!誰がさぼっていいと言ったんだっ!?」
 
「すみません。でも、ぼくたち、ちょっとおやすみほしいです。
もうずっと、ごはんも、たべてません……。」
 
「貴様らには休む権利などないっ!とっとと働けっ!!この野郎!!
飯などやらんっ!働かざるもの食うべからずだっ!!」
 
「ぷうう~、ごめんなさい……。へいき。がんばるます……。」
 
側にいるのはゴキちゃんの監視兵であった。休ませてくれと
訴えるどせいさんに向かって容赦なく鞭を振り上げてびしびし
身体を叩いている様子……。
 
「酷え事しやがる、……待ってろっ!!」
 
「ジャミル、駄目だよっ!」
 
今にも飛び出して行きそうな勢いのジャミルをアルベルトが
後ろから必死で抑えた……。
 
「何で止めるんだっ!」
 
「此処で暴れても騒ぎが余計大きくなるだけだよ、冷静になろう、
まずは親玉のゲップーを倒さなくちゃ!……それからだよ……」
 
「チッ、……仕方ねえ、腹立つけど……、待ってろ、すぐに
助けてやるからな……」
 
「どせいさん……、こんなの酷すぎるわ……」
 
叩かれ、傷だらけのどせいさんを今は唯、黙って見ている事しか
出来ないジャミル達は歯がゆく、申し訳ない気持ちでいっぱいに
なるのであった……。
 
「何だ?お前達は……!?」
 
ジャミルが監視のゴキにうっかりガンを飛ばしそうになったが、
アルベルトが慌てて抑え、丁寧に挨拶し、営業スマイルを作った。
 
「僕達、ゲップー様にはえみつのお届けで来ました、あの、
……ゲップー様は何処に……?」
 
「この先にいるが……、随分怪しい奴らだな……」
 
「でも、ちゃんとはえみつは持ってますから、ほら、ジャミルっ!」
 
「分ったよ……」
 
監視を信頼させるため、仕方なしに又リュックからはえみつを出す。
監視はどうにか納得した様であった。
 
「よし、とっとと先に進め!」
 
「ぷ、ぷうう~……。」
 
「貴様……!!さぼるなと何回言ったら分るっ!!よーしっ、
そんなに死にたきゃ殺してやるぞ!働けないクズは死んで
しまえっ!!オラッ、オラッ!!死ね死ね死ねっ!!
死にたくなかったら本気で働け!!」
 
「……ごめんなさい。おねがい、やめて、いたい、いたいです……。
らんぼう、やめて……。」
 
「……!!っ」
 
「アイシャ、辛いけど耐えて!ゲップーはこの先にいる、もう少しだ、
ゲップーさえ倒せばどせいさんも救える……!!」
 
「ぐすっ……」
 
震えだしたアイシャにこれ以上酷い現場を見せない様……、
アルベルトがアイシャを押し先に前に進ませた。出来る事なら
ジャミルも……、今すぐにゴキ野郎の側まで行って殺虫剤を
ばら撒いてやりたい心境だった。しかし、今はそれが
許されない為……、只管黙って睨む事しか出来ないのであった。
 
「……待ってろよ……、もう少しだからな……、絶対助けてやる……」

「……!?な、何だっ、この臭いはっ!!」
 
「!!!うううう~っ!!」
 
「いるね、絶対……、もう覚悟を決めなきゃ、……うううーーっ!!」
 
トリオが口を押さえて立ち止まる。通路の奥から……、この世の
物とは思えない強烈な悪臭が漂ってきた。それはもう、ぐちゃぐちゃ、
オエップ……、そんな物とは比較にならない程凶悪であった。奴らの方が
まだ救い様があったかも知れないほどの酷い凄さだった……。
 
「アイシャ、大丈夫か……?」
 
「平気……、此処で立ち止まってたら、どせいさん達は助けられないわ、
ジャミル、アル、行きましょう……」
 
「よし……」
 
ジャミルとアルベルトも覚悟を決めた。……通路の奥まで
進んで行く……。気持ちを引き締め、一歩一歩……、親玉まで
もう少しだ、そう自分達に言い聞かせながら……。
 
そして……。
 
 
「……ゲ、ゲェええええ……、ゲ、……、ゲボォ……」
 
通路の奥で出口を塞いでいた緑色の巨大な汚物の怪物……。
遂にゲップーを発見した。しかし……、やはり半端でない
悪臭がトリオを襲った。凶悪な悪臭……、例えると、ゲロと
生うんこと消化不良のビチグソ、歯クソ、何処かの加齢臭親父が
使った使い捨ての口臭マスク、生ごみ……、腐った牛乳に餃子を
食べた後の胃から漂うゲップ、放置しておいた雑巾……、それらが
全てミックスされた様な……、そんな凄まじい悪臭であった……。
 
「ゲェーーっプ、そうか、お前がジャミルだな、ゲボゲボゲボ、
お前がギーグ様を倒すと予言があったらしいが、笑わせてくれるなあ、
こんな糞ったれに!……ギーグ様が少しでも恐れているとしたら、
世の中、鬼も悪魔もないものか、今此処でお前らをぐちゃぐちゃの
反吐まみれの、地獄に叩き落としてやる!……ゲ、ゲェェェーーー……、
ゲ……、ゲプ…」
 
ゲップーが黄色いゲロを吐いた。……若干、消化不良の汚物も
混ざっている様だった……。
 
「私……、も、もう駄目えーーっ!!」
 
口を押え、アイシャが思わずその場を離れる。ジャミル達も
我慢出来ずアイシャの後を追った。このままでは戦えないので……、
ゲップーから少し離れた処でトリオは作戦会議を練る。
それでも悪臭は容赦なく何処までも漂ってくる……。
 
「まいったなあ、これじゃ、とってもじゃねえけど攻撃出来ねえや……」
 
「何とかしないとだわ……」
 
「我慢してでも無理矢理突っ込むしかないね、じゃないと
キリがないよ、これじゃ何時まで立ってもバトルが終わらないもの……」
 
「よし、……息を止めて速攻で全力で倒すか、……それしかねえ……」
 
「やってみましょ!」
 
「うん……」
 
トリオは思い切り大きく息を吸い込むと口に空気を溜めた。
 
「んーんー!(行くぞ!)」
 
「んーっ、んんんっんーっ、んんんん?(でも、私は普通の打撃攻撃か
PSI、アシストか攻撃か、どうすればいいの?)」
 
「んんっんんっ、んんんんんんんん!(アイシャ、お前何言ってんのか
分かんねえぞ!)」
 
「んんん、んんんーんんんん!(ジャミル、何言ってるのか
全然分からない!)」
 
ジャミルとアイシャは息を止めたまま……、ジェスチャーで
身振り手振り、言葉を伝えようとするが、お互いに全く
通じていない様子。そしてそのままいつもの如くケンカに
なりそうであった。
 
「……はあ、あのさ、二人とも要件があるのなら普通に話そうよ、
何言ってんのか分かんないよ……」
 
「ぐるじい……、あー、そうだな……、普通に話すべ、とにかく
アイシャはPSIで頑張ってくれ、物理は俺らがやってみるからよ……」
 
「分ったわ、頑張るね!」
 
「よし……」
 
トリオは再び息を止めるとゲップーに向かって突っ込んで行く。
……だが……。
 
 
「……ゲーーっプウ、……グゲゲゲ……、ゲ、ブウウウ~……、ゲ……」
 
 
息を止めていてもぷーんと漂ってきた強烈な悪臭攻撃に……、
ジャミル達は息が続かなくなりその場に倒れた……。
 
「駄目、ホントにもう駄目……」
 
「くしょお~、……どうすりゃいいんだよ……」
 
「そうだ……、ジャミル、はえみつだよ……!」
 
倒れていたアルベルトが何とか起き上がり、ジャミルに耳打ちした。
 
「はえみつ……?ああ、そうか……」
 
「確かゲップーの好物だった筈だよ、それで奴の気を引ければ何とか……、
攻撃しやすいかもしれない……」
 
「そうか、やってみるか……、このままじゃどうにもなんねえ……」
 
ジャミルは慌ててリュックからはえみつを取り出し、瓶の蓋を開けた。
……これまた物凄い臭いが漂ってくる。まさにパンドラの箱状態だった。
 
「おえええええ~……」
 
アイシャとアルベルトも鼻を摘んでパタパタ……、臭いを堪えて
じっと耐える……。
 
「はえみつだあーーっ、ゲヘ、ゲヘヘへ!いただきまむあーーす!!」
 
「おっ……」
 
ゲップーは我を忘れ、ジャミルからはえみつの瓶を奪い取ると、
貪りつくようにはえみつに喰い付き始めるのであった。
 
「むしゃしゃ、むしゃ、むしゃ……、こ、この、香ばしい
しり立ての野糞の様な香り……、たまらん……、うまうま
うまうま……、あまりにも美味過ぎてついでに屁と実も
出そうだ」
 
「い、今だっ!……とつげーーき!!」
 
ジャミルの号令でアルベルトとアイシャがゲップーに襲い掛かり、
ジャミルも只管バットでゲップーへバットの連打攻撃をする。
ボコられているにも関わらず、ゲップーははえみつを美味そうに
堪能している。馬鹿である。
 
「……ゲ、げへええ~…?あれれ?身体の彼方此方が何だか
痛いんだが……?」
 
「ハア、ハア……、ハア……」
 
そして、ダメージを極限まで喰らったゲップーは等々倒れた……。
 
「はあ、もっと早く気付きゃよかったよ、しかし馬鹿だなあ、
こいつもよ……」
 
「仕方ないわよ、もう臭くて思考回路も何もかもそれ処じゃ
なかったんだから……、でもこれで……、やっとスリークの皆さんも、
どせいさん達も救えるのね!」
 
「ん……?」
 
アルベルトが眼鏡を上げてじっと倒れているゲップーの方を見た。
 
「二人とも、こいつまだ生きてるっ!……完全に倒れてないよっ!!」
 
「何っ!?」
 
「ええーーっ!?」
 
「……ゲェェーーーっプウゥゥーー!!」
 
……アルベルトの言った通り、ゲップーが飛び上がり、そして
起き上がった……。
 
「まあ、事実上、今回はおれとお前の勝負は引き分けってとこだな、
グェ、グェゲゲゲ…!だが、ギーグ様が周至に仕掛けたマニマニの
悪魔の所為で、大都会フォーサイドはぐちゃぐちゃゲロゲロ以上の
酷い事になる筈さ、大都会でゲロゲロにまみれて苦しめ!ゲぶおぼぼぼ!」
 
「あっ…?おい、こら待てーーっ!!」
 
ゲップーは、猛スピードで秘密基地入口の方へ向かって
逃げて行く……。後を追おうとするジャミルをアルベルトが
止めるのだった。
 
「あまり深追いしない方が良い、今回は終わったんだ、もう奴は
スリークには姿を見せないよ、それよりも、どせいさん達を助けよう!」
 
「まあ、逃がしちまったけどしょうがねえ、次こそは……、
見てろ、糞野郎……!」
 
ジャミル達は急いでどせいさん達の処に戻ると、足かせを外し
全員を解放した。ゴキブリの監視兵も何処かに逃げて行った様で
もう姿が見えなかった。
 
「ゲップー、にげてった。ありがとう。よかった、よかった。ぽえーん。」
 
「……げっぷ、げろげろのにおいがぷーん。」
 
「やっぱ、臭うんだよな……、俺ら……、奴のゲロが……、身体に
こびり付いてんだな……」
 
「うん、悲しいほど自分でも分るよ……」
 
「ど、どうしよう……、ふええ~……」
 
……綺麗好きでお洒落な年頃の女の子であるアイシャが一番顔が
真っ青であった……。
 
「ぼくらいる、さたーんばれーの、おんせんはいる。くさくさぷーんの
におい、とれます。」
 
「え……、温泉があるの……?」
 
「ぽえーん。」
 
「ジャミル、アル!す、すぐに……、サターンバレーに戻りましょっ!」
 
「ああ、ゲップーの野郎が塞いでた通路に確か出口があったな、
其処から外に出られるかもだな、行くか!」
 
ジャミル達と大量のどせいさん軍団は、急いで出口へと向かった。
……出口の先は、もうサターンバレーであった。

「おんせん、ここ。はいるます。げろげろのにおいおとせ。
おんせんはいれるよう、はしご、ながくした。」
 
ゲップーの秘密基地から直に外に出ると、何やら湯気が
立っているのが見えた。トリオはどせいさんに案内され、
サターンバレーの温泉へ。ピンク色の不思議な温泉から
ほかほか湯気が立っている。……堪らずジャミル達は
服のまま頭から温泉へとダイブする……。
 
「うへえ~、……生き返ったあ~……」
 
「ホント、不思議ね……、服も全然濡れてないのよね、
なんでかしら?はあ、でもやっぱり冷たいお水で……、
水浴びもしたいなあ……」
 
「ううう~、やっと……、こびりついてた臭いが消えた……、
はあ……」
 
げろげろぷーんの臭いも落とし、トリオは久々にリフレッシュ
するのであった。臭いも消え、身体もほかほかに温まって
温泉から出た処に、どせいさんがコーヒーを運んでくる。
 
「こーひーをどうぞ。のんでいってください。」
 
「お、風呂上りのコーヒーか、悪くねえな!貰うよ!」
 
「もう、ジャミルったら、おじさん臭い……、でも
美味しそうね、アル、私たちも御馳走になりましょ」
 
「うん、そうだね、……ミルクはあるかな?」
 
「どうぞ、くりーぷう。も、ありますよ。」
 
「ありがとう……」
 
「よーく、まぜまぜしてね。」
 
トリオはどせいさん達が用意してくれた椅子に座り、ぽえぽえの
どせいさん達を眺めながら癒やされて美味しいコーヒーを堪能する。
暫しの休息かも知れなかった。本当に癒しの……ぽえーん。な、
一時だった。
 
 
「みんな、かえってきたよ、ぶーぶー。」
 
「おかげさまで、らんらんるーだ。」
 
「かんしゃ。」
 
「えーなー。」
 
「すこし、むつかしいことをかんがえよう。これからのぼくは。」
 
「みかいのち!……まきょう。はたちになったらばんじーじゃんぷだ。」
 
 
「……な、何か、得体の知れない……、某ハンバーガー屋
みたいな事言ってるのがいるんだが……」
 
「○、んま県……」
 
「いいじゃないの、どせいさん達、友達がみんな帰って来て
嬉しそう……、本当に良かった……、何だか泣けてきちゃった……、
ぐすっ」
 
(それにしても、うう~、どせいさん達……、ぷ、ぷにぷにしたい……)
 
沢山のどせいさん達が戯れる光景を眺めるのは……、本当に幸せの
一時だった。
 
「ゲップーは……、フォーサイドがどうとか言ってたわね、確か
トンズラさん達が先に向かった処だわ……、一体何なのかしら?」
 
「また其処で何か起きるのかも知れねえな、よし、俺らも次は
大都会フォーサイドだ!」
 
「決まったね……、また次から忙しくなるね、しっかり休憩しておこう」
 
そして、寛ぐトリオに……、突如、謎の声が響いた。
 
「お、何だ、何だ?」
 
「何か……、声が聞こえるわ……」
 
「……?」
 
 
                        思えば遠くへ来たものだ。
 
……ジャミル、きみが曲がりくねった冒険の旅路を
         歩む様になったのは…… あの最悪の隣人のブタ……
  ポーキーのノックの音がきっかけだった。
 
何度も何度も君は傷付き、立ち向かい、敵にガンを飛ばし、
蹴り倒し、そして考えてきた。ざけんなこの野郎……、
ヌッ殺すぞ……。勇気を失わず、確実に凶悪……、強く
なってきた。
 
それにもうきみはひとりじゃない。
 
かわいくてやさしい……の、だが、……時々破壊屋で
暴走娘のアイシャがいる。
 
またいつもの騒動に巻き込まれるように、遠い国から
駆けつけてくれた腹黒のアルベルトもいる。
 
ジャミル、どうやらきみは何かとても重い運命を
せおった少年のようだ。
 
これから先の冒険も長くきびしいものになるだろう。
 
でも、きみならだいじょうぶだ。
 
正しいものと正しくないものとがいて
……それがたたかって負けると君は思うかね。
 
決して失ってはならないもの……。
 
それは勇気だ。
 
勇気は、最後の勝利を信じる事からはじまる。
 
苦しい事も辛い事もまだまだたくさんあるだろうが
 
そんな事も楽しむユーモアを持っているのがアホウの
きみたちだ。
 
コーヒーを飲み終えたらまた冒険は始まる。
 
これから広大な砂漠を抜けてきみたちは大都会
フォーサイドへと向かう。
 
ジャミル。
 
アイシャ。
 
アルベルト。
 
きみたちにどうかいつも幸運の女神がほほえみかけて
いますように……。
 
 
………
 
 
「何だか……、ところどころにさり気無く毒が入ってた様な
メッセージだったわ……」
 
「俺らだからな、こうしないと駄目なんだろうな、
……たく!」
 
「……うふふ、うふふ、うふ、うふふ……」
 
 
温かく幸せで……、ぽえーん。な時間はどんどん
過ぎてゆく……。やがて、又日も暮れてくる……。
 
「ふうー、コーヒー飲んだら……、なーんか眠くなって
きちまった……」
 
「ほんとねー、私もよ、コーヒーって確か眠気覚ましの
筈なのにね……、ふぁぁ~……」
 
「大変だったからね……、身体も疲れてるのかな……、すう……」
 
 
「ぷう~?。」
 
「ぷうぷうぷう。」
 
「あらら、みなさん、ねてます……。」
 
「つかれちゃったのかしら。」
 
「みんな、ぼくらのため、がんばってくださった。
おつかれさまです。」
 
「ありがとう。ありがとう。」
 
「♪ぽえーん。」
 
どせいさん達は、そのまま疲れて眠ってしまったジャミル達に
皆で毛布を掛けてやり、自分達も側で優しく、すやすやと
眠っているトリオを見守るのであった。優しいどせいさん達に
見守られながら星空の下で眠る、最高に幸せな夜の一時だった。

zoku勇者 マザー2編・12

zoku勇者 マザー2編・12

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ げろげろぷ~ん

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-04-18

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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