zoku勇者 マザー2編・11

スリーク編・2

トリオは疲れた足を引きずって取りあえずスリークの
ホテルへと向かう。ジャミルの不注意で其処で拉致られた
嫌な事も思い出すが、今はとにかく風呂に入りたくて
ジャミルとアイシャはそれどころでなかった。
 
……プルルルル……
 
突然、通信電話から連絡が入る。アップルキッドであった。
 
「……もしもし?」
 
『ジャミルさんですか?僕です、リンゴデブのアップル
キッドです、最近ダイエットに挑戦しようかと思いましたが
やめました、いつか、食べながら痩せられるマシンを開発
したい処です……」
 
「自分で言うなや……、で、何か用かい?」
 
実は、ジャミルに言われた事をアップルキッドは若干気にして
いたのかも知れなかった。
 
「誰?ジャミルの知り合いかい?」
 
「ええ、ツーソンに住んでるの、ちょっと変わってるけど、
凄い発明家さんなの」
 
「……へえ~、ジャミルにしては随分と珍しい知り合いが
いるんだね……」
 
……アンタもこの話では立場が発明家少年なのだが。
 
「アル、うるせーよ!……で、何の用だっけ?」
 
『実は、変な物を作ってしまいまして、お役に立つかどうか
分からないんですけど……、これはゾンビホイホイ言います、
これはゾンビが集まるマシンなんです、テント……、あります
よね、これをテントの床に仕掛けて一晩おけば……翌日には
大量のゾンビが捕獲出来る筈です、これで地上のゾンビ共は
一掃出来る筈です……面白い様にゾンビがくっ付いている筈
ですよ、是非沢山とって楽しんで下さいね』
 
「……な、何!?お前マジでそんなすげーモン作ったのか!?」
 
ジャミルの大声が気になり、いつの間にかアイシャとアルベルトも
ジャミルの側に寄り耳を傾けて電話の話を聞いている……。
 
『さっきマッハピザ屋の方にお届けを頼んだので、近いうちに
そちらに届くと思いますが……、僕はゾンビなんて見た事ないんで、
もしいるとしたら是非この目で拝んでみたい物です、ではこれで、
又何か完成したらご連絡します、……ガチャン、ツーツーツー……』
 
「切れた、……だ、そうだ……」
 
アイシャとアルベルトはきょとんとしてジャミルの顔を見た。
 
「それにしても、ピザ屋さんに宅配頼むとか……、やっぱり
変わってる人……なんだね」
 
「……?誰かこっちに来るわ!」
 
マッハピザ屋の店員であった……。
 
「はあ、ピザの配達してたらいきなり変なモンの宅配頼まれ
ちまって、スリークあたりをウロチョロしているジャミルって
奴に渡してくれって頼まれちまったよ!冗談じゃないよ、ウチを
何屋だと思ってんだよ!……ああ、そこのアンタ!何も言わないで、
アンタがジャミルっつう事にして、こいつを受け取ってくれ!
こっちは忙しいんだ、じゃあな!」
 
「……」
 
マッハピザ屋の店員はジャミルに無理矢理宅配物を受け取らせると
短い足でスタコラ逃げて行った。……宅配をピザ屋に頼む方もいい
加減であるが、目に付いた適当な相手に押し付ける方も実にいい
加減である。受取人が張本人のジャミルだったから良かった様な
ものの。
 
「はあ~、何なんだっての……」
 
「それがゾンビホイホイなのかい?」
 
「らしいな……」
 
「私にも見せて!」
 
「これを……、テントに仕掛けておくんだそうだ、この町で
テントっつったら、ゾンビ対策本部しかないよなあ……」
 
トリオは事を争う為、ホテルに向かうのをいったん中止し、
先にゾンビ対策本部へ協力を求め、力を貸して貰う事にした……。
 
 
「……ゾンビホイホイですって……?そんな物が……?」
 
「ああ、これを床に仕掛けておくだけで……、次の日には町中の
ゾンビが皆捕獲……、出来るらしいんだ、このテント、貸して
貰えないかな……」
 
しかし、対策本部の人達は……皆顔を見合わせ、困った様な顔をする。
 
「お願いです、私達を信じて下さい!……早く手を打たないと
このままじゃ町中が本当にゾンビに支配されてしまうわ!!」
 
「しかしねえ、お嬢ちゃん……」
 
「いいじゃないの、やってみましょう、どっちみちこのままじゃ、
もうお手上げなのよ、あなた達を信頼するわ……」
 
眼鏡のお姉さんが前に出る。……どうやらジャミル達を信頼
してくれた様であった。それ程、状況は深刻で切羽詰まり、
皆、ゾンビに困り果てていたのである。
 
「サンキューっ!よしっ、こいつを仕掛けるぜ!」
 
ジャミルが早速、ゾンビホイホイを対策本部テントの床に
仕掛けた。後は……、結果を待ち、朝まで只管祈るだけである……。
 
「ふーむ、こんな物がね、……本当にね……」
 
「しかし、もしもこいつで本当にゾンビが一掃できるとしたら……、
そ、想像してごらんよ……、僕、何だか鳥肌が立って……、寒気が
してきてしーまったよよよ……」
 
「ゾンビめ!来るなら来なさいーっ!あちょー!!」
 
対策本部の人達も……、何だか段々ノリに乗ってきた様子であった。
 
「効いてくれるといいんだけど、本当に……」
 
「僕らは結果を待つしかないよ……、さあ、ジャミルもアイシャも、
……ホテルへ行こう……」
 
「だな、明日が楽しみだな……」
 
トリオは今度こそ、ホテルへと向かう。ジャミルとアイシャに
とっては本当に久々の風呂タイムになる。……はえみつの所為で
ジャミルだけはあまりに臭いも汚れも凄いので、風呂もホテル側が
用意してくれた、個人用特別風呂である……。
 
「はあ、隔離されてるとはいえ、何かこう、贅沢だなあ……」
 
久々の風呂で心も身体もリフレッシュし、明日に備えるのであった。
 
 
……そして、次の日……、ゾンビ対策本部テント内は、
悍ましい地獄絵図と化していた……。
 
 
「あ、あなた達……、み、見て頂戴、これを……」
 
昨日、ジャミル達を信頼してくれ、テントにゾンビホイホイを
取り付けるのを承諾してくれた眼鏡のお姉さんであった。
お姉さんは内部の余りの悲惨さ、……無残さにガクブル
震えている……。
 
「うわっ!!……こりゃ、モノホンだぜ!!けど、これ程の
ゾンビが……、町中にいたって事を考えると……、マジで
ゾクゾクするな……」
 
床には……、町中のありとあらゆるゾンビが……、モロ肉団子状態で
固まって大量に張り付いていた……。
 
 
「……お前ら、一生恨んでやるからな……」
 
「人間共めええ……、化けて出てやる……」
 
「……無理に動こうとすると……、身体がバラバラになっちまうんだよ、
何せもう腐ってるかんね……、へ、へへへ……」
 
「助けて下さい……、助けてくれないよね……」
 
 
アルベルトはアイシャに気を遣い、テントの外で待つように
彼女に声を掛けた。アイシャは頷いて外に出て行った。
 
「あなた達のお蔭で本当に助かったけど……、それにしても
残酷よね、ゾンビ達もゲップーにさえ利用されなければ静かに
眠っていられたのに……、もうこんな事、これきりにして
欲しい物だわ……、はあ」
 
……眼鏡のお姉さんは大きなため息をついた。ジャミル達は
ゾンビの後処理を本部の人達にお願いし、テントを後にする。
後、自分達が此処ですべき事は、何処かにいるであろう、
親玉のゲップーを探して成敗するだけである……。

「さーて、これからどうしたモンやら、モタモタしてると
又ゲップーが別のゾンビをどんどん召喚しちまうぞ……」
 
「けど、肝心の奴の場所が分からないんじゃ……」
 
「……」
 
急にアイシャが目を閉じて静かに祈り始めた。
 
「どうしたい、アイシャ……」
 
「北、北の方の墓地から……、何か感じるの……」
 
「行ってみようか?他に何も今の時点じゃ分からないし……」
 
「そうだなあ……」
 
アイシャを信じ、北の墓地まで足を運ぶ。
 
「あそこよ……」
 
アイシャが指差したのは、以前にゾンビが守っていた
墓であった。此処でゾンビ達はジャミルとアイシャを
睨んでいたのだが、二人は全く気が付いていなかった。
……ゾンビが守っていた場所、其処は何か重要な場所に
確かに間違いなかった。
 
「この墓か?何かあんのかよ、……あれ?」
 
「どうかした……?」
 
「……地下に降りられるみてえだ、どっかに続いてる……」
 
トリオは顔を見合わせる。そして意を決し、地下への階段を
降りる……。
 
「この先に、ゲップーがいるのかも知れないわね……」
 
「それにしてもくせえなあ……」
 
どんどんどんどん、地下を先へ進めば進むほど、薄暗く
なってくる。敵も、ゾンビにゾンビ犬に……、蝿など……、
そんな類のばっかりであった。異様に臭いのはこれらが
原因であろう。
 
「……また蝿かっ!この野郎!」
 
「ジャミル、駄目よっ!あれはマジックバタフライよ、
PPを回復してくれるのよっ!」
 
マジックバタフライとよくない蝿を混同し、うっかりジャミルが
攻撃しそうになるがアイシャのお蔭で事なきを得る。
 
「あー?……たく、紛らわしいんだよっ!」
 
「……ねえ、この棺桶の中に何か入ってたよ、えーと、ダブル
スキップサンドだ……」
 
アルベルトが道中にあった棺桶を開け、中身を持ってくる。
 
「いらねえよ、流石にこんな処のモン食えるかい……」
 
「私もだわ~……」
 
「回復アイテムだし、一応しまっておくよ、君のリュックにね……」
 
「あ、この野郎!」
 
アルベルトはジャミルのリュックを強引に開けると、
無理矢理にダブルスキップサンドを押し込んだ。
もう一つの棺桶の方は装備品で銀の腕輪であった。
こちらは防御力の低いアイシャに優先して装備させる。
 
「うげええ~、くせえ臭いが……どんどん酷くなって
きてるぞお~……」
 
「ゲップーよ、ゲップーがいるのよ、間違いないわ!」
 
「は、早く……、此処を出たい……」
 
トリオは吐き気を堪え、更に奥へ進む……。
 
「ん?何かいるぞ……」
 
「ゲップーだっ!!」
 
地下迷宮の出口に……、何かが居座っている。そう、悪臭を
まき散らしている元凶が……。
 
 
「……おえっぷ」
 
 
ピンク色の……、ぐちゃぐちゃした塊の様な汚い汚物のバケモノ……。
これがゲップーなのであろうか。
 
「みつけたぞ!ゲップー!……てめえを倒して、スリークに
平和を取り戻すっ!」
 
「覚悟しなさいっ!!」
 
「……あああ、臭いの所為で……、どうしても……、やる気が……」
 
「ゲップーだと?……おれはゲップーじゃねえぞ、オエップだ」
 
「な、何い……!?」
 
どうやら、これはゲップーではなかったらしい。ジャミル達は
がっくりする……。
 
「グケッ、グケッ、どうやらはえみつを持っているから
仲間かと思ったが、どうやら普通の奴だな!そんな奴は
おれの敵だ!」
 
「……仕方ねえ、構えろ、アル、アイシャ!」
 
「了解っ!!」
 
トリオは戦闘態勢をとり、オエップと対峙する……。
 
 
「……おええええ~っぷう……」
 
 
「……うっ!こ、こいつも、もんのすげえくせえーー!!!」
 
「た、堪らないわーーっ!!」
 
「死ぬ、……死ぬ……」
 
オエップがトリオに向け、臭い息を吐いた……。強烈な悪臭に
耐えられず、ジャミル達は転げまわって涙目になり、攻撃
ターンを妨害されてしまう。
 
「畜生……、此処で止まってる訳にいかねーっての、おりゃ!」
 
ジャミルが攻撃するがオエップはにやにや笑っている。どうやら
物理攻撃は効きにくい様である。
 
「ジャミル、ここはPSI攻撃でゴリ押ししましょ!
PKファイアーα!」
 
「よしっ!PKキアイβっ!!」
 
ジャミルとアイシャのダブルPSI攻撃で、オエップの頭部の
ぐちゃぐちゃが少し吹き飛んでオエップは何だか身体が小さく
なった様だった。
 
「生意気な糞ガキめ……、悪臭で死ね!おえっぷう!!」
 
「はあ、まだ勿体無いから……、使うのは控えようと思って
いたけど仕方ない……、喰らえ!ペンシルロケット5!!」
 
再び臭い息を吐こうとしたオエップにアルベルトがペンシル
ロケット5を発射し、止めを刺した。
 
「ぐぇぐぇぐぇ……、げぇぇ……」
 
「ふう~……」
 
「何だよ!んないいモンあるなら勿体ぶらず最初から使えってんだよ!
このドケチ腹黒!!」
 
「うるさいなあ~、そう滅多に手に入る様な代物じゃないんだよ!
だからまだ出したくなかったんだ……、このパーデンネン馬鹿!!」
 
「もうーっ!やめなさいったらっ!!」
 
ケンカに突入しようとしたジャミルとアルベルトをアイシャが
制する。まあ、いつものパターンではあるが。
 
「ぐげげ、げげ……、おれもゲップー様もはえみつが
だーいすきなんだ、おれもどうせならはえみつを沢山
なめてから消えたかった……」
 
オエップはそのまま溶けて消えて無くなってしまった。
 
「やっぱりゲップーは何処か別の場所にいるんだな、仕方ねえ……、
お?出口だ……」
 
オエップが邪魔をし塞いでいた場所から急いで外に出ると、
谷と川が広がる風景が見えた。側には滝らしき物も。トリオは
外の新鮮な空気を思い切り吸う。
 
「さっきの場所から……、信じられないわ……」
 
「あれがゲップーじゃないとしたら……、ゲップー本人て……、
相当の汚物……なんだろうね、もうー、勘弁して欲しいよ……」
 
アルベルトが唸る横でジャミルがチョロチョロ用を足す。
相当我慢出来なかったらしい。
 
「もうっ!もっと遠くでやってよねっ!!ジャミルのバカっ!!」
 
「……まーた、折角の癒しを掻き乱す奴……、成敗っ!!」
 
「んだよ!アホベルト!俺が洩らしてもいいってのかっ!!」
 
と、トリオが揉めている処に、何処かともなく、おじさんが
やってくる。
 
「あんた達、相当大変だったみたいだね、おじさんには分るよ、お腹も
相当空いているんじゃないかい?有料だけど、おやつはどうだい?」
 
「ハア……」
 
折角なので、有料ではあったが、おじさんからカロリーブロック
3人分を買うと近場にあった石に腰掛け、トリオはおやつを食べ始めた。
 
「うーん、うめえっ!」
 
「おいしいわ!」
 
「疲れてたからね、余計にね……」
 
「ごめんね、お金はきちんと取るんだけどね、それでもおじさんは
君達の味方だよ、本格的に疲れを癒したいなら、この近くにある
洞窟を抜けた先に、サターンバレーって言う村があるんだよ、
そこには面白い人達が住んでるから、行ってみるといいよ、
でもサターンバレーって言う処は、地図には乗っていない
不思議な場所なのさ……」
 
「村があるのね、行ってみない?」
 
「そうだな、面白い人達って言うのが気になるな……」
 
(……面白い人達……、ジャミルみたいなのがいっぱいいるのかな、
プ……)
 
おじさんも行ってしまい、ジャミル達はサターンバレーとやらに
向かってみる事になった……。

おじさんに言われた通り、すぐ近くにあった洞窟の中を通って行く。
 
「きゃ!あれよっ!」
 
……あれとは、間違いなく、ゴキちゃんである。しかもデカい。
 
「んなろお、邪魔すんなってのっ!!……!?」
 
「あっ、ジャミルっ!……大変だわ!!」
 
あれが……、ジャミルの顔にモロしっかりと張り付いた……。
ジャミルはショックで固まって動けなくなり、おまけに顔に
べったりと張り付かれている為、窒息しそうであった。
 
「こらあーっ!ジャミルを放しなさーいっ!!……うーんっ!は、
放すのよーーっ!!」
 
アイシャは無我夢中で相手があれであろうが、必死でジャミルを
助けようと、あれを引っ張り奮戦する……。慌ててアルベルトも
助太刀に入り、どうにかあれを撃退した……。
 
「大丈夫?ジャミル……」
 
「あ、あ、あ……、あれ……ぎゃ、ががががが……!!」
 
「こりゃ、相当重症かな、精神的に……、でもジャミルの事だから……、
すぐ立ち直るよ……」
 
……はえみつに続き、ジャミル、2度目の汚物被害を喰らう……。
そして漸く、洞窟を抜けると其処には……。
 
「うわ!」
 
……見た事のない様な、鼻が異様にデカくモグラの様な、
顔には猫の様な髭が生えており、異様な異星人の集落であった。
禿げた頭には毛が一本ぴょこんと飛び出し、リボンを付けている。
そして太い眉とまん丸のおめめが又、一層の愛着を見せている……。
 
「ぷうう~?ぷう。」
 
「ぷうぷうぷう!」
 
「きゃあー!可愛いっ!」
 
可愛い生き物や動物に目がないアイシャ、早速謎の異星人さんが
気になる様であり、何だかうずうずしている。
 
「こんにちわ。ぼくらはどせいさんというものです。ぼくらはいつも
げんきですけど。ここわ、みんなどせいさんなんですよ。」
 
「あなた、おはなはいかが?」
 
どうやら、この奇妙な生物はどせいさんと言うらしい。一匹が
とてとて、大きい鼻の下に花を挟み?アイシャに差し出す。
 
「どせいさんて言うの?ありがとうーーっ!きゃーー!!
私はアイシャよ、仲良くしてね!」
 
さっきからどせいさんに飛びつきたくて仕方が無かったらしく、
アイシャがありがとうのはぐはぐぎゅーをする。
 
「はぐですか?むぎゅぎゅです。ぽえーん。」
 
「きゃーーっ!!ふかふかーっ!!もふもふーー!!」
 
「おいおい、アイシャ、程々にしとけよ、変なのが迷惑がってんぞ……」
 
「ぼくらはへんなのじゃないです。どせいさんですよ、ぶーぶー!」
 
「おうっ!?」
 
……気が付くと、ジャミルの後ろに……いつの間にか大量の
どせいさん達が集まって来ていた。
 
「はぐ、いいです。むぎゅむぎゅ、わるくない。」
 
「きゃーきゃーきゃーきゃー!!」
 
「むぎゅむぎゅ、いいな、ぽえぽえ。」
 
アイシャ、集まってきたどせいさんに、片っ端からハグをしまくる……。
 
「こ、ここの人?……達は、こういったコミュは好みみたいだね、
ふう……」
 
「本当は、僕もやってみたい……とか、お前思ってんじゃね……、
プッ!」
 
「なっ!?」
 
ジャミルがアルベルトを見て含み笑いする。
 
「おんやあー?顔が赤ーい、赤いよー、アルベルトさーんっ!素直に
なれってのー!!」
 
「うるさいなっ!もうっ、あのっ、ここは買い物出来る場所は
ありますかっ!?」
 
「おかいものですか?できるますよ。」
 
「ぼ、僕は買い物してるからっ!じゃっ!!」
 
「……」
 
アルベルト、逃げる様にしてその場を去る……。顔が本当に赤い。
 
「だから素直になれってんだよっ!アホッ!!」
 
そして、どせいさんのお店を見つけたアルベルト、其処にいた
どせいさんに……。
 
「あ、あの……、鼻、突かせて貰っていいですか……?」
 
「どうぞ、どうぞ、やさしくね。」
 
「……ありがとう、……うひゃーーっ!!ぷにぷにだああーーっ!!」
 
普段の態度から考えられない程のぶっ壊れた弾けっぷりを見せた……。
 
「なんか、俺まで変な感じなんだけど……、い、癒されすぎる……」
 
「ぽえーん。」
 
ジャミルの膝の上にもどせいさんが……。アイシャは相変わらずで、
どせいさんをむぎゅー、どせいさんはぷうぷうぷうぷう。それはもう
大変な騒ぎであった。
 
「あなたとわたし、にてます。」
 
膝の上のどせいさんがジャミルをじーっと見上げる。見つめられて
困ったジャミルは少々慌て始めた。
 
「……に、にてねえよ!もうっ!」
 
其処に、お店にいたどせいさんが現れる。
 
「あの、あなたのおともだち、おはなから、はなぢどばーだ、
おみせでたおれてます。」
 
「はあ?……アルか!?ったく、何やってんだ!」
 
迎えに来てくれたどせいさんと、急いで店に向かうと……、
確かに店内で鼻血をだしたアルベルトがぶっ倒れていた。
 
「何やってんだよ!全くっ、……しょうがねえなあ!」
 
「は、はな……、ぷにぷに……、ぽえぽえ……、ふかふか……」
 
「だいじょうぶですか?」
 
「ああ、わりィな、迷惑掛けちまって、よいしょ!」
 
ジャミルはアルベルトを背負い、急いで店を後にする。
 
「ここにもやすめるところ、あります。あなたのおともだち
やすませてあげて。」
 
「ホテルかな……、ありがとな、世話になるか……」
 
ジャミルはアイシャも連れてどせいさんに場所を教えて貰い、
今夜のホテルへ……。其処はとてもホテルとは言えない程の
穴倉ではあったが、どせいさん達の優しいおもてなしにトリオは
心から癒される。
 
「とまれるよーん。」
 
「おちゃどうぞー、あたたかいですよ。」
 
「な、何か俺もう……、こっから動きたくなくなって来たわ……」
 
「本当よねー、でも、そう言う訳にもいかないのよね……」
 
「そうだよ、僕らにはまだまだやるべき事が沢山あるんだから……」
 
そう言っているアルベルトだが、鼻に詰めている2本のティッシュ姿が
実に間抜けである。
 
「あなたたち、これからどこいく?」
 
「ああ、俺達、スリークを支配してるゲップーって奴を
探してんだ……」
 
「ゲップーですか。……ゲップー、わるいやつ!はたらかせるため、
たきのむこうたくさんともだち、つれてった!なんでそんなひどい
ことする、ぶーぶー!」
 
「ぼくらのなかま、まいにち、だんだんいなくなってます。
どうしてだろう?」
 
「……ど、どせいさん……?どうしたのかしら……」
 
「何か訳があるみてえだな……、やっぱりゲップーが絡んでんのか……」
 
今まで大人しかったどせいさんが珍しく急に怒り出した。
興奮しているどせいさんを宥め、話を聞く。どうやら、
ゲップーはサターンバレーの近くにある自分の秘密基地に
多数のどれいさんを拉致して連れて行き、捕まった
どせいさん達は奴隷として扱き使わされて働かされて
いるらしいと言う話であった。
 
「……酷いわっ!絶対許せないっ!ジャミル、アル、
すぐにどせいさん達を助けに行きましょう!!」
 
「ああ、ゲップーもこの近くにいる事も分ったんだし、
丁度いい、大丈夫だよ、君達の仲間は必ず僕らが助けるよ、
心配しないで!」
 
「ぷう~、ほんとですか……?」
 
アルベルトは真面目な顔で話すが、やはり鼻のティッシュが
どうしても……、緊張感を無くしている。
 
「よしっ!決まったな!すぐに準備しようや!」
 
「でも、ゲップーつよい、きをつけて……、ぐれぷふつの、
たきのうら、ゲップーのきち、ある。ゲップーのてした、
あいことばいわないとはいれない。あいことばはさんぷんかん、
ただ、だまってまつ……。」
 
「合言葉!」
 
「分った、3分何もしないで待てばいいんだね……」
 
「……」
 
「ジャミル、どうしたの?何だか顔が青いわ……」
 
「……君に限って絶対そんな事ないとは思うけど、まさか、
恐くなったんじゃ……」
 
アルベルトが眼鏡をずり上げ、じっとジャミルの顔を見た。
はっとしたジャミルは慌てて否定する……。
 
「バ、バカ言うなよっ!んな事ある訳ねえだろっ!」
 
「だよねえ~」
 
「ははは……」
 
……ジャミルが青くなった理由は別の処にあった。……只でさえ
普段から落ち着きが無く、じっとしていられないこの男が、
果たして3分間も何もせず、黙って耐えられるであろうか。
他から見れば何て事のない事だが、ジャミルにとっては試練の
時かも知れなかった……。はてさて、どうなります事やら……。

zoku勇者 マザー2編・11

zoku勇者 マザー2編・11

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ げろげろぷ~ん

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-04-18

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work