日曜日の夜

壊れながらずっと進んできたから
今回も大丈夫だと思っている
でももう無理かもしれない
限界かもしれない
優しい歌声に身を委ねながら
月曜日の心配をしている




死を超える法則

それくらい望んでも神は許してくれるだろう
ささやかな夢だ
不老不死を望むことに比べたら
お茶を飲んでいた始皇帝の時代から
ずいぶん遠くまで来てしまった
強欲な猿は頭を使いたがる




小説が書けない

確かに文学の時代は終わったけれど
新しいタイプの小説を模索したくはない
普通の小説が書きたいな
でももう自分には書けないか
人とまともな交流を断って十年くらい
人との交流から生まれる普通のものを書きたい
今の自分には無理だ




昼下がりに雨が降る
サティの音楽がよく似合う
窓の外を見るでもなく見ている
傘をさしたおじさんが通り過ぎる
車のエンジンの音と水しぶきの音
雨音が織りなす静寂の世界
空は灰色で覆われ
うっすらと不安と傷心を感じる




日曜の鬱

明日会社行きたくない
死にたい
社会性がなさすぎる
どうしてこんなことになったのだろう
やっぱり取り繕ってもばれるね
本当にどうしようもないから
少しずつ道がなくなっていく
書くこともなくなっていく
古来の神々が山奥に消えていったように




青い鳥

繕った詩がまたできました
上辺だけで言葉をならべて
なんだかそれっぽいのができました
それでも書かないよりはましです
詩にはなにか癒しの効果があるから
あさはかな自己慰安だとしても
書き続ければどこかに行けるかもしれない
いつか青い鳥を見つけることはできるだろうか




労働と詩

実社会で傷つくこと
負荷を担って進むこと
それがないと詩は書けない
他人のことが一番よくわからない
やっぱり苦しいね
人と出会うことで孤独を感じる
歯車同士の軋む音が
詩的感情を呼び覚ます
万国の労働者よ孤立せよ




デモクリトスの壁

視触の向こう側に壮大な世界が開けてしまった
もう後戻りはできない
感覚は深刻な分断を引き起こしたのに
みんな知らないふりをしている
地球は今日もまわっているらしい
薬を飲んで胃腸の調子もよくなるらしい
もはや芸術は感覚の統合を諦めた
今日も電車内で誰もがスマホをいじっている




12歳の景色

まだ言えていない
まだ癒えていない
言葉は見せかけの治癒をもたらすから厄介なのだ
何度も同じことを言っている
言葉に絡めとられていく
生きづらさはずっとある
思春期あたりからずっと続いている
あのころから景色は変わっていない
自分を掘り下げる悪癖はずっと続く
私は自分しか見えていない
私は自分にしか興味がない




近眼

光と色が織りなす淡い関係
揺るぎない形の世界から抜け出したい
隣接した色が緩やかに混ざり合い
世界は幾分か穏やかさを取り戻す
線のない原初の世界へ旅立つ
夢と現が交錯する中で
明るい色合いに心は惑わされる
最初に光があったらしい

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-04-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted