主体的磔刑
いつまで記憶に固執しているのだろう
恣意的に歪められ、美化された記憶なら
持たないほうがましではないのか
何を理由にそんなに大事に抱えているのか
もう原型をとどめていない記憶だ
それは幾度も思い出してきた結果
最初からこうなることはわかっていた
それなのに踵を返そうとはしなかった
生かしてくれるのならば
どんなに歪められてしまっていても構わない
それは記憶に対して礼を失してはいないか
記憶に執着する人間は現実を生きていない
もはや記憶である必要がない
夢想や妄想でもいいはずだ
美化された記憶を愛することに意味はあるのか
その確証を得られぬまま未だにそれをやめられない
主体的磔刑