GQuuuuuuX世界のデラーズ・フリートへ……

機動戦士GundamGQuuuuuuX第7話『マチュのリベリオン』を参考にしつつ、GQuuuuuuX世界のデラーズ・フリートの命運を自分なりに妄想してみました。

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第1話:終焉を迎えた筈の漢

スペースコロニー群に移住したスペースノイドの自立と自治を許可しなかった地球連邦政府の独裁的な政策に端を発した一年戦争は、362日もの死闘の後、地球連邦政府の勝利で戦いの幕を閉じた。
だが、この戦いを経てもなおスペースノイドの自立と自治を禁じる態度を改めない地球連邦政府の態度に怒った一部のスペースノイドが戦争継続を主張したり、終戦を告げる放送を阻止しようとする動きもあった。
その1人エギーユ・デラーズは、一年戦争における最終決戦であるア・バオア・クー攻防戦の最中に敗戦を確信するやいなや、宇宙ゴミが集積する暗礁宙域へと逃走を図り、そこで静かに部隊の再編を謀った。
そして3年後、地球連邦政府の食料自給率を激減させて宇宙への食糧依存度を高める『星の屑』を実行すべく『デラーズ・フリート』を結成した。
手始めに腹心であるアナベル・ガトーが強奪した核兵器をソロモン海域コンペイトウ湾内にて行われた連邦軍の観艦式にぶつけ、その隙に奪ったスペースコロニーを北米大陸の穀倉地帯に向かわせた。
だが……シーマ・ガラハウの裏切りとそれに伴うデラーズの死がデラーズ・フリートに致命的な打撃を与えてしまい、北米大陸に落とす予定のスペースコロニーの破壊を目的としたソーラ・システムIIの照射によって大打撃を受けて兵力を大量喪失。最期の意地でスペースコロニーを北米大陸にぶつけるも、肝心のデラーズ・フリートはほぼ壊滅状態であった……
幸い、本作戦の成否に関わらず全戦力を使い切る計画であった様で、戦闘宙域の後方に待機していたアクシズ先遣艦隊へ残存兵力の救助を依頼していた。しかし、問題は肝心のデラーズ・フリート残党が、腹いせにも見える連邦軍の猛攻を搔い潜ってそこまで辿り着けるかである……
そこで男気を魅せたのが、エギーユ・デラーズの腹心だったアナベル・ガトーである。
「いいか。1人でも突破し、アクシズ艦隊へ辿り着くのだ! 我々の真実の戦いを、後の世に伝える為に!」
そう言うと、ガトーは疲弊した自身の身体と大破寸前の愛機に鞭を打ち、たった1人で先行して敵艦隊に特攻し……連邦軍の宇宙巡洋艦を道連れにしながら爆死した。

……の……筈だった……

愛機と共に特攻して壮絶な爆死をした筈のガトーが目を開くと、目に映るはかつて見慣れた光景……ムサイ級軽巡洋艦内にある医務室のベットだった。
(私が……まだ生きている?アクシズはあの状態からどうやって私を回収したと言うのだ?)
自分がまだ生きている事を信じられないガトーが周囲を見渡すと、ガトーが目を覚ました事に気付いたケリィ・レズナーに声を掛けられた。
「大丈夫か?ガトー?」
「……ああ……どうやら大丈夫……」
が、ケリィの左腕を見たガトーがある種の違和感を感じた。
「ん?ケリィ、その左腕は?」
「俺の左腕?それがどうかしたか?」
ガトーが知るケリィは、戦闘中に左腕を失い、この負傷が原因でモビルスーツの搭乗資格を剥奪され、月面都市フォン・ブラウン市でジャンク屋として生計を立てていた……筈だ。
「……今年は宇宙世紀何年だ?」
一方のケリィは、自分が偽物だと疑われている事に気付かず、脳震盪や過労による一時的なボケだと勘違いした。
「……ボケたかお前?」

その後、ケリィと会話する内にガトーはある種のタイムスリップに巻き込まれた事を自覚した。
だが、ガトーが知る一年戦争の内容との相違点が多過ぎる事がガトーを更に混乱させた。
(シャア大佐がガンダムと木馬を強奪した……つまり、あの忌々しい白い悪魔はもういない!?……信じられんな)
一方のケリィはガトーの過労を疑い、今回の作戦参加を見送ろうかと考え始めた。
「ガトー、お前働き過ぎなんだよ。今でも語り草になっているサイド7の事件をすっかり忘れるのは、流石に重症過ぎるだろ?」
そんなケリィの心配をよそに、ガトーは目の前のケリィを疑った事を恥じ始めた。
(連邦が我々にガンダムを奪われる事態を寧ろ喜んでいる……それに例のあの出来事もしっかり憶えている。どうやら、連邦の悪質な嫌がらせでは無さそうだな)
それに、愛機の爆発に巻き込まれたにしては傷が少ない事も、目の前のケリィへの疑いを捨てる要因にもなった。
(それに……あの突撃で受けた傷をここまで治すなど、殺意ある者の行為とは思えんな)
「で、どうする?」
ケリィの突然の質問に困惑するガトー。
「どうする、とは?」
「これから行われるルナツー強襲作戦の事だ」
ジオンがルナツーを強襲する……ガトーが知る一年戦争の内に、この様な出来事は無かった。
(これも……あの連邦の白い悪魔がいなくなった事による変異……だと言うのか?)
「とりあえず、ドズル中将の無念を少しでも晴らそうと、今回のルナツー攻略作戦に参加した訳だが―――」
ケリィのこの言葉に、ガトーはショックを受けた。
「くっ!無念!」
そんなガトーの悔しそうな顔を視て、ケリィはその先の質問がまったく無意味だと悟った。
「……過労で苦しんでいるお前に戦いを強要する心算は無かったが……どうやら、止めても無駄の様だな?」

その後、艦隊が遂にルナツーに到着すると言う事で、ガトーは整備兵に残っている連邦側のエースパイロットについて質問した。
「我々が注意すべき連邦側のエース、ですか?」
「そうだ。ルナツーは敵の手中に堕ちたソロモン同様の連邦側の宇宙拠点。その防衛ラインの分厚さは容易に想像出来るからな」
それを聴いた整備兵は、少し考えてから溜息を吐いた。
「本当なら、ビグ・ザムの性能を信じて頂きたいと言いたいところなのですが……あの2人がソロモンではなくルナツーに配属になったらと思うと……」
不安そうにしている整備兵に反し、ガトーは意外そうな顔をしていた。
「たった2人か?意外と少ないな」
「なにせシャア大佐のせいで連邦側のモビルスーツ開発は大分遅れたらしいですからね」
改めてあの白い悪魔の恐ろしさに呆れるガトー。
(あの白い奴、そこまで罪深かったのか!?)
「で、その2人について何か知っているか?」
そこへ別の整備兵がやって来て、ガトーにある資料を渡した。
「それなんですが、奴が聖痕(スティグマ)の魔女と呼ばれる由縁が大分判ってきました」
「……魔女?」
「はい。魔女に墜とされた機体を調べたところ、幾つかの不可解な傷がある事が判明。これ、最初の内は知らず知らずの内に宇宙ゴミに激突した際の傷だと思ったのですが、実際に魔女と戦い生還したパイロットの証言から察するに、ワイヤーアクションの軸として利用された時に出来た傷ではないかと思われます」
「奴はワイヤーで軌道を変えた……と言う事か?」
「はい。これによりAMBACでは不可能な移動を行う事で我々を翻弄。その結果、我々は知らず知らずの内に魔女の100キルに貢献してしまう事態に―――」
「100キルだと!?」
ガトーの怒号に驚かされる整備兵達。
「あ……はい……」
「幾百の英霊が、その魔女のせいで志し半ばで散ったと言うのか!?」
ガトーは怒りを表す様に拳を強く握った。
「ひっ!」
それに、ガトーの闘志の理由は魔女と呼ばれし撃墜王(スーパーユニカム)への怒りだけではない。
(無事に宇宙世紀0079に戻れた今なら……まだ間に合うのだ!今ならまだ、ア・バオア・クー防衛戦の結果を変える事が出来るのだ!魔女如きに、邪魔はさせん!)

前の世界線のジオン公国、デラーズ・フリート、そして地球連邦政府に虐げられてきたスペースノイドの無念を背負い、この世界線の一年戦争の結果をジオン勝利に変えんと奮戦を決意するアナベル・ガトーの明日はどっちだ!?

登場キャラ

【デラーズ・フリート】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

RX-78GP02Aガンダム試作2号機(サイサリス)〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

AMA-002ノイエ・ジール〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

エギーユ・デラーズ〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

グワジン級宇宙戦艦グワデン〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

シーマ・ガラハウ〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

【ジオン公国】

ケリィ・レズナー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

ムサイ級軽巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

MA-08ビグ・ザム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

【地球連邦】

サラミス改級巡洋艦〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

マゼラン改級戦艦〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

シイコ・スガイ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

第2話:ルナツー破壊命令

マ・クベ率いるルナツー征圧部隊がいよいよルナツーに到着しつつあった。
「敵勢力、グワジン級1!チベ改級30!ムサイ級16!パゾク級40!それに」
「それに?」
「ソロモン攻略戦で猛威を振るった巨大モビルアーマーが3!」
「……大盤振る舞いだな?」
報告を行っていた連邦軍通信手が慌てふためく中、ルナツー防衛部隊の指揮を任されていたバスク・オム大佐は冷静に数を数え直した。
「……これだけ集められれば……」
「大佐?」
「ああ、すまん。現在ルナツーに残っている者全員に迎撃準備をさせろ。それと、『長期戦になるから覚悟しておけ』と伝えろ」
「長期戦……ですか」
だが、マ・クベの本気を前に、連邦軍通信手は長期戦が出来る自信が無かった。
「お言葉ですが、長期戦扱いして貰える程、持ち堪えられるでしょうか?」
それに対し、バスクはやや薄情に言い放った。
「出来る出来ないの問題ではない。やれ!なのだ。せめて例の作戦が成功するまでは」
「作戦?」
「そうだ。例の作戦が成功すれば、ジオンは一気にジリ貧となる」
「で、我々連邦軍が再び戦いの主導権を握ると?」
「そうだ」
通信手がバスクの命令を伝えに去ると、入れ替わる様に女性兵士がバスクの許を訪れた。
「ジオン軍が遂にルナツーにやって来たそうですね?」
「魔女め、耳が早いな」
「で、その中にあの裏切り者はいますか?」
「……まだ解らん。敵はまだチベ改級かパゾク級の中だ」
yesともNOともとれる返答に女性兵士は苦虫を嚙み潰したような顔をした。

彼女とその裏切り者との戦いは、オデッサ奪還作戦まで遡る。
当時フライ・マンタのパイロットだった彼女は、自身が所属する5機編隊のリーダーを心から慕っていた。
だが……
連邦軍からガンダムを奪ったあの男が、よりによってガンダムが、そのリーダーの命を奪ったのだ。
勿論彼女も必死で戦ったが、圧倒的な力の差の前に何も出来ず、なす術無くジオンに奪われたガンダムを取り逃がしてしまった。
以来、彼女はフライ・マンタを捨て、軽キャノンに乗り換えた。ガンダムとあの男との力の差を少しでも埋める為に。
その上、ジオンが新たに開発したリック・ドムやゲルググとの差を埋めるべく積極的に改善提案を提示。
戦い方も変え、アクション映画のワイヤーアクションも積極的に取り入れた。
その結果、ジオン軍兵士は彼女の事を本名である『シイコ』とは呼ばず、仇名である『聖痕(スティグマ)の魔女』と呼んだのである。

一方、ア・バオア・クー防衛戦の結果を変えようともがくガトーがムサイの格納庫に向かうが、
「緑色のGM(ジム)だと!?」
「じむ?誰ですかそれ?」
『誰ですかそれ?』……
その言葉はつまり、GM(ジム)が人物だと勘違いし、GM(ジム)がモビルスーツだと気付いていない証拠である。
「誰ですかって!?……じゃあ、あの目の前にあるモビルスーツは何だと言うのだ?」
「シャア大佐がノリノリで(連邦軍から)奪ったガンダムのリバースエンジニアリングによるマスプロモデルのゲルググですよ。お忘れですか?」
「量産型ガンダムとも言えるゲルググがジオニックの新型から制式採用を奪った話は、今でも整備兵(われわれ)の間では語り草ですよ。ダハハ」
ガトーは改めてバタフライ・エフェクトの恐ろしさを実感した。
シャアが成功させたガンダム鹵獲が、この世界線の一年戦争の結果を変える最初の羽ばたきだった。
その羽ばたきがジオンと連邦のMS開発計画に大きな狂いを齎し、ガトーがよく知るゲルググやGM(ジム)の姿を大きく変えてしまったのだ。
「それより、大尉がソロモンで使用していたリック・ドムを修理しておきましたが、いかがいたします?」
「……解った。そっちに乗らせてもらう」
その時、連装メガ粒子砲の発射音が鳴り響いた。
「……始まったか!?」
先に仕掛けたのはジオンの方だった。
ルナツー攻略作戦を時計の文字盤に擬えたマ・クベは、まず始めに部隊を3つ(9時方向、7時方向、3時方向)に分け、9時方向部隊が先行する事で連邦軍の目を9時方向と7時方向に集中させ、回り道をした3時方向部隊がルナツーに止めを刺す。これがマ・クベが描いたシナリオである。
「9時方向部隊が接敵。戦闘を開始した模様」
「7時方向部隊の進軍を急がせろ。3時方向部隊の到着まで持たせるのだ」
「は!心得ております!」
マ・クベが命令を下す中、ガトーが出撃準備を急ぐ。
「アナベル・ガトー、出る!」
遂に始まったルナツー攻略作戦。
その先陣を突っ走るガトーのリック・ドム。
「いいか!進路から大きく外れた大物は避け、ルナツーを落とす為の血路を開く事に集中するのだ!」
「は!」
「ただし、例の聖痕(スティグマ)の魔女が現れたら私に知らせろ。奴の足は私が止める!」
ガトーの命に困惑する一同。
「大尉は魔女と戦う御心算か!?」
「危険過ぎます!遠い大物は避けよと言う命令に反します!」
だが、ガトーの意志は強かった。
「だからと言って、魔女にルナツー攻略部隊を殲滅されれば、この戦いに意味が無くなってしまう。この私の目が黒い内は……そうはさせない!」

「ルナツーに向かっているジオン軍艦隊が3つに分断されていきます!」
「分断!?まさか、我々と戦っている部隊は、本命を隠す為の囮か!?」
そう判断したマゼラン級戦艦の艦長が本艦の移動を命じようとした時、艦橋への至近弾となったビームが通過した。
「何だ!?艦の位置が少しでもズレていたら、当たってたぞ!」
だが、事態は艦長の予想より深刻だった。
「いいえ……今のでセイバーフィッシュが2機、大破した模様」
「レイヴン・ソード隊も出撃させろ!」
「軽キャノンの間違いでは?」
だが、目の前の敵を『本命を隠す為の囮』と見縊った艦長はここで致命的な出し惜しみを犯してしまう。
「それは駄目だ!これ以上、敵の本命を撃つ為の戦力を減らす訳にはいかん!」
その結果、ガトー専用リック・ドムの接近を許してしまった。
「敵モビルスーツ、接近!」
「弾幕を張れ!迎撃―――」
艦長の判断は致命的に遅かった……
艦長が自分の致命的な油断に気付いた時点で既に、マゼラン級戦艦はビーム・バズーカの直撃を受けて爆散寸前だった……

一方、ガトーはあまりの手応えの無さにある種の恐怖を感じた。
「敵モビルスーツの数が意外と少ない……これもシャア大佐が行ったガンダム鹵獲の影響か?それとも……」
もし自分達が『本命を隠す為の囮』だと見縊られていたとすれば、不味い!
3時方向部隊が危ない!
ガトーは一旦補給をしてから急ぎ3時方向部隊と合流しようかと考えたが、ガトーの善戦を聞きつけた1機の軽キャノンが命令を無視して出撃してしまったのだ。
「あの裏切り者め。他のユニカムに現場を任せ、自分は後方で左うちわか!?」
そんな軽キャノンの気配を感じたガトーは、補給を目的としたUターンを諦めた。
「どうやら……魔女とやらは思った以上に武人の様だ。だが!」
ガトー専用リック・ドムがこっちを向いた事に気付いたシイコは、シャアに奪われたガンダムをこの場に引き摺り出すべく臨戦態勢をとった。
「貴方に恨みはないけど、あいつを呼び出す為にも、貴方にはここで消えて貰うわ」
ガトーもまた、シイコに討たれ鉄屑と化した数多のザクの事を考えながら構えた。
聖痕(スティグマ)の魔女め!貴様に敗れ志し半ばで散っていった……幾百の英霊達の為に……死を以って償って貰う!」

その頃、ケリィはイライラしていた。
「おい!俺のビグ・ザムの出動は何時だ!?ビグ・ザムはルナツー攻略の切り札じゃなかったのか!?」
それに対し、整備兵達はジオンが抱える問題を皮肉りながら答えた。
「ビグ・ザムが活躍し過ぎると、ギレン総帥に貸しを作っちゃいますから―――」
が、現場で働く兵士達にとっては、後方の内輪揉めは下らない足枷でしかなかった。
「そう言う権力争いは勝ってからにしてくれ!負けたら、権力どころの騒ぎじゃない!」

9時方向部隊と連邦のレイヴン・ソード隊が激戦を繰り広げ、ガトーとシイコが一騎打ちを始めようとしている中、3時方向部隊が遂にルナツーに牙をむいた。
「9時方向部隊、並びに7時方向部隊が予定通りに膠着状態に入った。3時方向部隊は隙を見てルナツーを攻略されたし。どうぞ」
「了解した。こちらの士気は旺盛。何時でも進軍出来る状態にあり。どうぞ」
本隊と応答したエリクが改めてルナツーの方を向く。
「どうやら……3方向作戦は、今の所は上手くいっている様だ。ん?」
エリクはチベ改級から出て来た1機の白いザクが気になった。
「あの機体は何だ?」
「あのザクはキシリア様が開発に携わった機体だと聞いています。なんでも、赤いガンダムやキケロガに試験的に搭載されたサイコミュをザクに搭載する為の実験に使われたとか」
「だが、武器を装備していないし……足が無いぞ?」
エリクの指摘を受けて漸くこの事に気付いた。
「え?あ、本当だ」
「あいつ……あんな状態でどうやって戦う気だ?」
が、その後のエリクにその事を気にする余裕は失われた。
「やられました!軽キャノンがこちらに向かってきます!」
「軽キャノンだと!?ザクは下がれ!ザクでは軽キャノンのルナ・チタニウムには歯が立たん!」
そして、想定外の展開にエリクが歯噛みする。
「やはり今回の3方向作戦は見破られていたのか!?」
しかし、想定外な展開に巻き込まれたのは3時方向部隊だけではなかった。
あのサイコミュを搭載した白いザクが獅子奮迅の活躍をしたからである。
白いザクの有線誘導式腕部5連装メガ粒子砲が火を噴く度に数機の軽キャノンが爆散するからだ。
「これがサイコミュの力!?……いや、オールレンジ攻撃の恐ろしさか……」
その後も、白いザクは敵を探し求め彷徨い、その度に連邦軍の軽キャノンが撃墜された。
それを呆然と観ていたエリクであったが、白いザクのパイロットが何者か知らなかった事が仇となり、後でガトーに逆ギレ的な説教を受けてしまうのであった。
何故なら、パイロットであるキィはまだ……12歳の少女だからだ。

登場キャラ

【ジオン公国】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MS-09RSガトー専用リック・ドム〔機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙〕

ケリィ・レズナー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MA-08ビグ・ザム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

キィ〔KEY THE METAL IDOL〕

MSN-01サイコミュ高機動試験用ザク〔MSV〕

エリク・ブランケ〔機動戦士ガンダム戦記Battlefield record U.C.0081〕

gMS-01ゲルググ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

MS-06ザク〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

MS-09リック・ドム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

マ・クベ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

グワジン級宇宙戦艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ムサイ級軽巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

チベ改級重巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

パゾク級輸送船〔機動戦士ガンダム〕

gMS-α赤いガンダム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ド・ダイYS〔機動戦士ガンダム〕

【地球連邦】

シイコ・スガイ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

RGM-79シイコ専用軽キャノン〔本作オリジナル〕

フライ・マンタ〔機動戦士ガンダム〕

バスク・オム〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

マゼラン級戦艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

サラミス級巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

FF-S3セイバーフィッシュ〔機動戦士Ζガンダム〕

FF-S5レイヴン・ソード〔MSV-R〕

RGM-79軽キャノン〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

第3話:悪夢VS魔女

「戦況伝えい!」
バスクの焦りの怒号に驚く通信手達。
「は、は!敵勢力は3方向に別れ、Wフィールドに戦力を集中しつつEフィールドからの攻撃も開始!」
「Wフィールドの被害甚大!サラミス級撃沈8!」
「敵巨大モビルアーマー、未だ後方で動かず」
(マ・クベめ。切り札を温存しながら戦う気か?)
「ならば、こちらもEフィールドにいる敵を牽制しつつ、Wフィールドに戦力を集中!時が来るまで持ち堪えるのだ!」
と言いつつ、内心焦るバスク。
(コンペイトウは何をしている!?急げ!ワッケイン!)

そんなバスクの焦りなどどこ吹く風と言わんばかりにWフィールドで暴れ回るシイコ専用軽キャノン。
「どけ!雑魚に用は無い!ガンダムは……ガンダムはどこだ!?」
対するガトーがこれ以上シイコの暴走を放置する筈が無く、
聖痕(スティグマ)の魔女め!貴様に敗れ志し半ばで散っていった……幾百の英霊達の為に……死を以って償って貰う!」
だが、ガトーのビームバズーカによる先制攻撃はあっけなく回避され、攻撃を受けたシイコがワイヤーを使ってチベの真下にぶら下がて、ある種の人質にした。
「卑怯者と罵りたいのであれば好きにしろ……私の敵はガンダムだ!ガンダムを倒すまでは、私は死なん!」
が、勿論チベに当たらない様に角度を調節しているとはいえ、ガトーは躊躇無くビームバズーカを発射した。
「まさか、敵艦の背後に隠れるとはな……有効な戦術とは言え、あまり気が進まんな」
一方のチベ改級重巡洋艦の艦長にとっては冷や汗ものである。
「いくら下に回り込んだ軽キャノンを追い払う為とは言え、当たったらどうする気だ!?」
しかも、ガトーの奇襲は悉くシイコに回避された。
「やはりな……魔女を討つうえで最も邪魔なのは、あのワイヤーか!?」
シイコがガンダムを討つべく開発した戦術『スティグマ攻撃』。
乗機に仕込んだ小型ワイヤーフックを敵機に打ち込み、それを支点として急激な加減速・高機動によって攪乱させられたジオン兵達は、対応する暇無く撃墜されていった。
(これでは動きが読めん!だが、これ程の急激な動きだ。長期戦には不向きな筈!?)
ただ、強引な挙動から即座に攻撃態勢を整える卓越した姿勢制御は自機やパイロットへの負担が桁違いと言う諸刃の刃であり、それを平然を行える事もシイコが魔女と呼ばれる由縁の1つであった。
故に、ガトーがシイコ相手に長期戦に持ち込もうしている事もシイコはお見通しだった。
「甘い!ガンダムを倒す為に開発されたこのスティグマ……貴様程度で破られる程軟じゃない!」
シイコは一旦捨てたビームライフルをワイヤーを使って遠隔操作し、ガトーを背後から撃とうとした。
その時!

ここで話を少し巻き戻す。
ケリィはせっかくビグ・ザムのパイロットとなってルナツー攻略作戦に選ばれたと言うのに、ギレン派とキシリア派の政治的対立が仇となり、ギレンやドズルが推薦するビグ・ザムの印象はあまり良くなく、結果、ビグ・ザムは先遣隊から外され、後詰として後方待機させられていた。
「何時まで待たせる!ビグ・ザムはルナツー攻略の切り札じゃなかったのか!?」
「ですが、これ以上ビグ・ザムが活躍し過ぎれば―――」
更にイライラさせてくれる台詞を前に大激怒するケリィ。
「そんな内部の覇権争いなど、知るか!当面の問題は、勝つか負けるか!それだけだろ!」
そんな中、通信手から絶望的な連絡が入った。
「奴が……聖痕(スティグマ)の魔女が現れました!」
「どこの部隊と戦っている!?」
「待ってください!」
通信手が慌てて調べた結果……
「魔女は現在……ガトー大尉と交戦中!?」
ケリィの独断専行を後押しするには十分過ぎる報告だった。
「くっ!?……もはや待てん!ビグ・ザム、出撃する!」
「ちょ!?待ってください!まだ命令が―――」
「同胞達の戦死を、ただ黙って見殺しにしろと言うのかぁーーーーー!」
こうして、ケリィを乗せたビグ・ザムは待機命令を無視してガトーの許へと急いだ。

無論、この命令無視はマ・クベの耳にも入ったが、彼もまた権力争いを理由としたビグ・ザム温存を快く思っていなかった。
「もう良い。他の2機も前面に押し出せ。ビグ・ザムの大火力をもって、一気にルナツーを叩くのだ」
そんなマ・クベに対し、ウラガンが進言する。
「それでは、ギレン総帥に借りを作る事になりますが?」
が、その進言は一蹴された。
「下らぬ!私は実利を優先している」
その実利の部分に違和感を感じるウラガン。
「シャア大佐とシャリア大尉をこの作戦から外した事、実利とは思えませんが」
心なしか非難された気がしたマ・クベ。
「嫉妬心だと言うのか?」
しかし、ビグ・ザムの出撃を急がせるもう1つの理由を通信手から聴かされる事になってしまった。
「何!?ソロモンが……グラナダに向かっているだと?」
その結果、シャアとシャリアをグラナダに向かわせた事が天祐として歴史に刻まれてしまったが、ガトーはその事実をまだ知らない。

いよいよガトーに止めを刺そうとするシイコであった。
「貴方に恨みは無いけど、貴方如きに苦戦してる場合じゃないの!」
「く!?ぬかった!」
が、シイコが使用する軽キャノンに入った通信がシイコの手を止めてしまった。
と言うより、ニュータイプとしての勘(彼女本人は否定)がシイコの顔を後ろに向かせた。
「ソロモンで墜ちたあのデカブツだと!?もっと良い切り札があるだろ!そっちを出せ!」
ビグ・ザムのせいで忌々しい赤いガンダムの出番が減り、その影響で赤いガンダムとの会敵回数が減ってしまう事を快く思わないシイコは、真っ先にビグ・ザムの許へ向かった。
そんなシイコ専用軽キャノンの後ろ姿を見届けたガトーは、自分の不甲斐無さに愚痴をこぼす。
「この私が、易々と生殺与奪を奪われるとはな……我ながら腕が落ちたか?」
そこへ、ケリィからの通信が入る。
「諦めるな!ガトー!」
「ケリィか!?」
「ここで魔女を止めるんだろ?ならば魅せてやろうぜ?ジオンを支えているのは、シャア大佐だけじゃないって事を!」
ケリィの叱咤激励を受け、この時間軸はまだ間に合う事を思い出したガトー。
「ふっ……そうだな。連邦の雑魚共にア・バオア・クーは墜とさせん!」
その連邦が聞いたら「お前らがルナツーを墜としに来たんだろ!?」とツッコまれそうだが、この時間軸に死に戻ったガトーは気にも留めないだろう。
そんなガトーの心情を知らぬシイコがケリィ達が操縦するビグ・ザムの許に到着した時には、既に多くのサラミス級がビグ・ザムの手によって轟沈していた。
「……これでは……これでは奴が来ない!この役立たずがあぁーーーーー!」
ビグ・ザムの活躍によって赤いガンダムの出番が無くなった(そもそも、赤いガンダムはルナツー攻略戦に参加していない)事で、もはや怨敵との決着が叶わない事を知り、絶叫を上げながらIフィールドに護られたビグ・ザムに向け届かぬ銃撃を連発していた。
赤いガンダムへの執着に溺れ、Iフィールドの弱点と自身の必勝パターンを忘れてしまったシイコの姿を哀れに思いつつ、
「……なんと他愛の無い……怨恨のみで戦いを支える者に歯車となって戦う男の思考すら解るまい!」
と、苦言を呈するガトーであった。
ただ、当のガトーもシイコとの戦いに時間を費やし過ぎて、彼が操縦するリック・ドムがガス欠寸前だった。
「……ぬかった……だが、我々の戦いは無駄ではなかった筈だ!」
完全にガトーの負け惜しみであったが、確かに無駄ではない。

現に、ガトーがシイコの足止めを成し遂げた隙に、7時方向部隊の大部分は既にルナツー外壁に着地していた。
「何をしてるんだ役立たず共!?ワッケイン艦隊の作戦が完遂するまで持たせろと言っただろ!?」

登場キャラ

【ジオン公国】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MS-09RSガトー専用リック・ドム〔機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙〕

ケリィ・レズナー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MA-08ビグ・ザム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

gMS-01ゲルググ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

MS-06ザク〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

マ・クベ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ウラガン〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

グワジン級宇宙戦艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

MS-09リック・ドム〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ムサイ級軽巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

チベ改級重巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

パゾク級輸送船〔機動戦士ガンダム〕

【地球連邦】

シイコ・スガイ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

RGM-79シイコ専用軽キャノン〔本作オリジナル〕

バスク・オム〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

マゼラン級戦艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

RGM-79軽キャノン〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

サラミス級巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

コロンブス級補給艦〔機動戦士ガンダム THE ORIGIN〕

FF-S3セイバーフィッシュ〔機動戦士Ζガンダム〕

FF-S5レイヴン・ソード〔MSV-R〕

第4話:休戦に馴染めない男

ジオン軍がルナツーのドッキング・ベイを複数奪取した所で、急に両軍に休戦命令が下った。
チベ改級重巡洋艦の艦長としてルナツー攻略戦に参加したエギーユ・デラーズは、この休戦命令を勝利だと確信した。
「ふ、勝ったな」
「勝った?休戦ではないのですか?」
「ギレン総帥は未だに御存命。にも拘らず、連邦は我々に休戦を許した。それはつまり、ギレン総帥を止める力は残っていない事を意味しているのだ」
確かに、デラーズの見立て通り連邦軍にはサイド3に攻め込む力は残っていなかった。
それどころか、宇宙要塞コンペイトウ(旧ソロモン)を月面都市グラナダにぶつける作戦すら失敗して宇宙における拠点をすべて失い、連邦軍宇宙艦隊の停泊すらままならない状況であった。
「戦う理由を失った時点で、既にこの場に用は無い。我々はルナツーより撤退する」
嬉々としてサイド3へ帰ろうとするデラーズであったが、道中で連邦軍の最後の悪足掻きの影響で月の孫衛星となったソロモンを発見し、少しだけ悲しくなった。
「グラナダとの正面衝突をさせられそうになったソロモンを止めてくれたのは、シャア・アズナブルがサイコミュを使って発生させてくれた発光現象であったな……」
第2次ソロモン会戦の真実と正体を知らぬデラーズがソロモンを止める為に犠牲となった兵士達の為に黙祷をしようとしていたが、ガトーの休戦命令無視が勝利の余韻に水を差してしまう。
「大尉!駄目です!休戦命令が出てるんですよー!」
メカニックの制止を振り切って近くにあったゲルググに乗り込もうとするガトーだったが、
「待て、ガトー」
デラーズに呼び止められて振り返るガトー。ガトーを止めようとしたメカニックが慌てて敬礼する。
「デキン公王が打診し続けていた休戦交渉を連邦が漸く受け入れた」
「公王陛下が!?」
「これで連邦軍宇宙艦隊の完全撤退は確実なものとなる」
だからと言って、ガトーは連邦(特にワッケイン)がソロモンに対して行った非道の数々を見なかった事には出来なかった。
「大罪人の逃げる背中を見て見ぬふりをしろと!?私は行きます!」
デラーズが慌ててガトーの眼前に向かう。
「ならん!我らは生きて勝ち取った自治権を護り抜かねばならんのだ。生きてこそ得ることの出来る栄光をこの手に掴むまで、その命、儂が預かる!いいな!」
前の時間軸同様、またしてもデラーズに新たな使命を与えられて生かされたガトーであった。
「ソロモンよ、私は必ずお前の仇を討つ」
ジオン公国公王デギン・ソド・ザビは地球連邦軍総司令部に対して停戦交渉を打診、宇宙での全軍事拠点を喪失した地球連邦軍総司令部はこれを認め、宇宙世紀0080年1月3日に休戦条約が結ばれた。これにより、1年に渡るジオン独立戦争(一年戦争)は終結した。
だが、第2次ソロモン会戦中にシャア・アズナブルと赤いガンダムは行方不明となり、その原因となった謎の閃光は、後にゼクノヴァと呼ばれる事になる……

「何ぃー!?このタイミングで戦闘中止だと!?」
一方、連邦軍の方でも休戦に馴染めない男達がいた。
寧ろ、『敗北者』の汚名を着せられながら戦場を奪われた彼らこそが休戦を受け入れられない存在とも言えた。
軽キャノン小隊を率いていたブレイブ・コッドもその1人である。
「それじゃあ何か!ルナツーに取り憑いた宇宙人共をこのままほったらかしにしろと言うのか!?」
そんなコッドの怒りの通信を聴いていたトッシュ・クレイは残念そうに返答する。
「中止どころか休戦だよ」
「……は?」
根っからの地球至上主義者であるコッドは自分の耳を疑った。
「貴様……休戦の意味を知ってて言っているのか?」
「気持ちは解るが無理だ。ジャブローに残っている将校共が勝手にジオンとの休戦交渉を始めてしまったのだ」
無論、この報告はコッドの怒りの炎に油を注ぐ行為であった。
「モグラめえぇー!宇宙人の手でジャブローから掘り出されるのがそんなに怖いか!?地球人の誇りはどうした!?」
怒り狂うコッドであったが、それでもトッシュは言いたくない現実をコッドに伝えなければならない。
「これは俺の見立てだが、おそらくルナツー防衛戦の裏で秘密裏に行われていた何らかの作戦が失敗に終わり、それがジャブローに知れ渡った途端に勝ちを諦めたんだろう」
「諦めた?……では宇宙人共に地球を明け渡せと言うのか!?」
「今は……耐えてくれ」
「耐えろだと?地球人が宇宙人に屈しろと言うのか!?」
諦めが悪過ぎるコッドに対し、トッシュは遂に怒鳴ってしまった。
「本物が再び贋作に勝つ日まで待ってろよ!ブレイブ・コッド大尉!」
「!?……本物が贋作に勝つ日だと?」
コッドの根っからの地球至上主義者故の怒号を悔しそうに聞き流していたトッシュであったが、彼もまた、コロニーに生えた草花を『ニセモノ』と蔑む程の熱心な地球至上主義者であった。
「地球にある本物がジオンが作った偽物に負けるのを観るのは確かに辛い。だが、ルナツーまで失ってしまった状態で更に失うのは、危険過ぎるんだよ」
トッシュの説得を受けたコッドは、反撃のチャンスを待つべく渋々休戦を受け入れ、その足で地球に帰ってしまったのである。
(これで勝ったと思うなよ宇宙人共。いつか必ずや捻り潰してくれるわ!)

因みに、前の時間軸では2人共、ティターンズの残党勢力および地球至上主義テロ組織『ニューディサイズ』の首魁を務めていた。

ガトーやコッドの様な誰かの説得が無かったら決死隊となってその命を散らしてしまいかねない者達もいる中、逆に意気消沈して志気と殺意を焼失した者もいた。
先程までバーサーカーの如くガトーと戦っていたシイコもその1人である。
何故なら、彼女から戦友を奪った赤いガンダムと赤い彗星が、第2次ソロモン会戦によって行方不明になってしまったからだ。
その時点で、彼女のニュータイプへの逆恨みは一旦終わりを迎えた。結局、誰も理不尽には勝てないと思い知らされたからだ。
目標を失った途端、空気を失った風船の様に萎んでしまったシイコは退役を決意。
その後、同胞だったフライ・マンタ隊の墓参りに同行してくれた男性と結婚し、魔女シイコが死んでシイコ・スガイを名乗る主婦が生まれた。

それからしばらくして、地球連邦軍宇宙艦隊の完全撤退が正式決定した。
ただ、これは連邦政府の公式発表ではあるが、実際は各地にかなりの部隊が潜伏、企業化しており、その事実がシイコの首を絞める結果となる……

登場キャラ

【ジオン公国】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

gMS-01ゲルググ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

エギーユ・デラーズ〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

チベ改級重巡洋艦〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

デギン・ソド・ザビ〔機動戦士ガンダム THE ORIGIN〕

【地球連邦】

ブレイブ・コッド〔ガンダム・センチネル〕

RGM-79軽キャノン〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

トッシュ・クレイ〔ガンダム・センチネル〕

シイコ・スガイ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

第5話:疑念だらけの査察

この時間軸の一年戦争がジオン側の勝利で終結してから5年の月日が流れた。
その間、ルナツー駐在官マ・クベの中将昇進、デギン公王の病死、フラナガンスクール開校とそれに伴うクルスト・モーゼスの怪死、黒い三連星全員免職とそれに伴うマッシュの市長選出馬、ザクの民間払い下げと、ジオン公国は大きく変わった。
そんな中、完全撤退した地球連邦軍宇宙艦隊に変わる宇宙警ら艦隊の必要性を訴えたデラーズは、宇宙世紀0081年8月15日ジオン国慶節にデラーズ・フリートを編成し、ガトー達もデラーズ・フリートに配属された。
だが、宇宙世紀0085年7月、ケリィはどう言う訳か九州のとあるゴーストタウンを訪れていた。
「ここか……本当にここか?」
ケリィは2人の女性と一緒にとある廃ビルを訪れたが、2人の反応は正反対だった。
1人はキィ。
ルナツー攻略戦ではニュータイプの素質を見込まれる形でサイコミュ高機動試験用ザクに乗せられた。その後、キィの年齢を知ったガトーがキシリアの実験台にする訳にはいかないとデラーズに進言。半ば強引に保護する形となった。
当のキィは極度な無表情と抑揚のない喋り方が特徴で、目の前の廃ビルを視てもまったく動揺しなかった。
もう1人はハマーン・カーン。
木星船団の拠点であるアクシズの総括責任者であるマハラジャ・カーンの娘で、彼の意思でデラーズに預けられた。
彼女もニュータイプの素質があるがキィとは対照的に表情が豊かで、豪快で行動的で、女の子らしい可愛い一面も多い。
故に、目の前の廃ビルにある種の恐怖心を抱いていた。
「あのぉー……本当にここを調べるんですか?」
ハマーンの質問に対し、ケリィも疑念を抱いた。
「ソドン隊の調べでは、ここにアマラカマラ商会がある筈なんだ」
そう。
宇宙警ら艦隊である筈のデラーズ・フリートが地球に訪れた理由はアマラカマラ商会を査察する為であった。
切っ掛けは、宇宙世紀0085年6月30日にサイド6のイズマ・コロニー内で発生した巨大モビルスーツテロ事件であった。
表向きは実行犯死亡による捜査難航とされているが、実行犯であるクラン「トゥエルブ・オリンピアンズ」の真の狙いはキシリア暗殺である事は明白であり、非公式の会談だったので本当の事が言えないだけであった。
だが、トゥエルブ・オリンピアンズのスポンサー企業であるアマラカマラ商会には謎が多く、宇宙に居ながらの調査では限界があると判断したラシット中佐がデラーズ・フリートに調査を依頼したのである。

とりあえず問題の廃ビルに入る事にするケリィ達であったが、ハマーンが最も乗り気ではなかった。
(うぅ……なんか……テロリスト以外が出てきそうなんですけど!)
早く廃ビルから出たいハマーンに反し、キィは何かを感じて案内板を触る。
「ここ」
「ん?」
「誰かが何かを剥がした」
「剥がした!?シール跡か!?」
(キィの馬鹿あぁーーーーー!)
ケリィはキィが感じた案内板の異変を、別の場所で待機しているガトーに伝えた。
「案内板にシール跡が在るそうだが、どうする」
それを聴いたガトーは確信する。
「やはりな。キシリア暗殺に失敗した事に気付いた指示役は既に逃走している」
「と言う事は?」
「トゥエルブ・オリンピアンズをクランバトルに参戦させる為のペーパーと視るのが正しいな」
ガトーの予想にケリィは別の意味で呆れた。
「それだと、ユズリハ家の家宅捜索をしているサイド6の軍警察が間抜けに見えるな」
ガトーは少し考えたのち、
「……今回の査察任務を早急に終わらせてしまおう」
最近のガトーにしては熱意に欠ける発言に、ケリィは耳を疑った。
「おいおい!あれだけ大事になった事件に関連する査察だぞ!それを適当って」
だが、ガトーには別の意図があった。
「サイド6の素人共が、連邦軍の卑劣な戦術に勝てると思うか?」
「連邦軍が背後にいるだと!?」
そんな2人のやりとりを聞いていたハマーンはますますサッサと問題の廃ビルから出たかった。
「もう嫌だこの任務ぅー」
とりあえず、キィが発見したシール跡が示す階を重点的に査察する事になった。
「うぅ……やっぱり入るんですね……」
他の2人が普通に扉を開ける中、ハマーンは祈る様な形で気合を入れて扉を開けた。
「は!ふ!ほ!」
「……おい」
ケリィに背後から声を掛けられたショックで大音量の悲鳴を上げてします。
「きゃああぁーーーーー!」
「どうした!?……って、誰もいないではないか。脅かすな」
「脅かしてるのはケリィ大尉の方でしょうが!」
ビビりなハマーンにケリィが呆れる中、キィは淡々と全ての部屋を視て回ったが、目ぼしい物は無かった。
「俺達が遅かったか……それとも、ガトーの言う通りのペーパーだったか……」
そろそろ廃ビルから出られると期待するハマーンだったが、キィは1つだけ気になる事が有った。
「これ、電話?」
無造作に置かれた西暦時代の黒電話に酷似した通信機である。
「何だ?骨董品の様な通信機は?」
(まさか!?その骨董品を調べるの!?)
ケリィが躊躇無く受話器を持ち上げるが、
(変なのに乗っ取られるなんて事、無いですよね!?)
ケリィが望む結果は得られなかった。
「ダメだ……既に機能を失ってる」
(駄目だ……心臓に悪い!)

「結局、ケリィ大尉は目ぼしい物を発見する事は出来ませんでした」
フィリーネ・イステルの報告を聴いたガトーは予想通りだと思った。
「やはり指示役は既に逃げた後か?ま、想定内だ」
それに反して、ボブは嫌そうな顔をしながら目の前の研究所を見た。
「と……なると……」
「当然、あそこも査察しなければならなくなるな。ま、出来ればの話だが?」
待機中のガトー達の前にある研究所……前の時間軸では悪名高い『ムラサメ研究所』として機能しており、投薬や催眠療法などにより被験者を無理矢理『ニュータイプ』に変えてしまう『強化人間化研究』を行っていた邪悪な研究所である。
「確かに……あの研究所は人聞きが悪い噂しか聞きませんな」
ゲイリーの親告にガトーは溜息を吐く。
「だとしたら、あの研究所を綺麗に吹き飛ばして、悪しき実験の餌食になった生贄を弔う花火にしてやりたいが、5年前の休戦条約が未だ有効とあってはな」
ザンジバル級機動巡洋艦のメインブリッジで待機中のヴィリィがそんなガトーを窘めた。
「ガトー少佐、焦る事はありません。待ちましょう。攻勢の時を」
だがその時、ザクフリッパー小隊が数機の不審なMSを発見する。
「何だ?あのMS?」
「連邦系か?こんな所で何を?」
「今直ぐインストーラデバイスの有る無しを確認……」
ジオン公国独自の規則として、MSを民間に払い下げる時は戦闘用のインストーラデバイスを外す事が絶対条件となっており、それを破ったMSのモノアイは赤くなって外観から武装のロックが解除されている事が識別可能となる。
だが、先程も言った通り、この法律はジオンが勝手に敷いたものであり連邦軍のMS払い下げに関するルールについては、お世辞にも丸裸とは言えない状況であった。
しかも……
「ちょっと待て!?このMS、武装しているぞ!」
「落ち着け!この機体は偵察用だ!武器は積んでない!」
「待て待て!ジオンを敵に回す気か!?」
ザクフリッパー小隊が敵意が無い事をアピールすべく両手を上げるが、謎のMS小隊はお構いなしにHWF GMG・MG79-90mmを発砲する。
「偵察隊!アンノウンからの攻撃を受けてSOS信号!」
フィリーネは焦るがガトー達一年戦争生還組はいたって冷静に臨戦態勢をとる。
「どこの馬鹿かは知らぬが、先に引き金を引いてくれたのは好都合だ。アナベル・ガトー、ゲルググJ、出る!」

登場キャラ

【ジオン公国】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

gMS-01JGゲルググJ〔本作オリジナル〕

ケリィ・レズナー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

キィ〔KEY THE METAL IDOL〕

ハマーン・カーン〔アクシズのハマーンさん〕

ボブ〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

gMS-01ゲルググ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ビッグ・ガン〔機動戦士ガンダム サンダーボルト〕

ゲイリー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MS-09F/Tropドム・トローペン〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

フィリーネ・イステル〔機動戦士ガンダム戦記Battlefield record U.C.0081〕

ヴィリィ・グラードル〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

ザンジバル級機動巡洋艦〔機動戦士ガンダム〕

MS-06E-3ザクフリッパー〔MSV〕

【?】

RGM-79Cジム改〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

第6話:無言と言う名の肯定

ソドン隊のラシット中佐の命を受けたケリィ達は九州にあるアマラカマラ商会を査察するも、既に退去した後であり残されていたのは無人の廃ビルだけであった。
一方、ケリィの帰りを待つガトー達は悪名高いムラサメ研究所を巡回する謎のMS小隊の襲撃を受けていた。

「偵察部隊から送られて来た動画を現在解析中!……早くして」
ついつい本音が出てしまったフィリーネを優しく𠮟るヴィリィ。
「落ち着けフィリーネ伍長。冷静に訓練通りに作業していれば問題は無い」
だが、解析結果は結局『識別不可』だったので、フィリーネはやはり焦る。
「手元にあるデータだけでは解析不能!」
それがかえってガトーの闘志に火を点けた。
「敵は新型機か!?面白い!」
そして、漸く謎のMS小隊がいる現場に到着したガトー達であったが、ゲイリーはその姿に首を傾げた。
「キャノンを失った……アレを軽キャノンと呼んでよいのか?」
前の時間軸の事をまったく知らない者から見たら、目の前の謎のMSはビームキャノンを失った軽キャノンにしか見えない。
だが、この時間軸へと死に戻ったガトーにとっては見慣れたMSであった。
「アレはキャノンを失ったのではない。キャノンを捨てたのだ!」
「捨てた!?接近戦仕様か!?」
謎のMSはキョトンとしているゲイリーに向かって容赦無くビームサーベルを振り下ろすが、ゲイリーが操縦するドム・トローペンがヒートサーベルで受け流す。
「と、言う事は……当然持ってるわな?ビームサーベル。だが!」
すれ違いざまに謎のMSを一刀両断するゲイリー。
「その力量(うで)では、キャノンからの卒業は無理だな」
アダムスキーもまた、謎のMSを1機撃破していた。
「こいつら、キャノンを捨てた意味があったのでしょうか?寧ろ、手数が減った印象すらありますが」
それに対してガトーの皮肉が飛ぶ。
「乗り手の力量にもよる。例えガンダムであろうと、パイロットが未熟な内は宝の持ち腐れよ」
だが、ガトーの考えに同感したのは謎のMSとは別のアンノウンであった。
「同感だな!」
「増えた!?」
困り果てるフィリーネに反し、ガトーは冷静にこの時間軸のMS開発の速度について考えていた。
(かつての私が実行した星の屑作戦は0083だったが、今の私が立っている場所は0085。だとすると、シャア大佐のガンダム強奪のせいで連邦のMS開発は2年も遅れたと言うのか!?)

せっかくアンノウンが発言してくれたのだ。ならばこっちも発言してやろうと思うガトーであった。
「ちゃんと言葉が話せるではないか?では何故、我々が放った偵察部隊を攻撃した?」
だが、アンノウンは急に無口になりながらガトーを攻撃した。
「む!?問答無用か!?」
この時、ふと前の時間軸の事を思い出してしまう。
(なんたる短気。これなら、コウ・ウラキの方がまだ紳士的であったな)
だが、コウ・ウラキの事を思い出せたお陰で、ガトーの疑念が確信へと変わった。
「何故語らぬ!?自分の行為を正当化したい者はもっと多弁な筈だそ!私にはその無言、後ろめたい何かが有ると診た!」
それでも、アンノウンも謎のMSも無言を貫いた。
ガトーにはそれが、口が滑って余計な事まで言ってしまう事を恐れている様にしか見えなかった。
「こちら側の偵察部隊の損傷から視てもそうだ。本当に隠し事が1つも無いのであれば、オーバーツーリズムを追い払うかの如く接近してから攻撃する筈だ。だが、貴様らは口より先に手が動いた。それは、目の前の者が敵だと知っている者が行う行為だ!」
しかし、問題のアンノウンを操縦するパイロットの力量がガトーの口数を図らずも減らしていく。
「ちっ!敵にくれてやる耳は持たぬと言う訳か?」
だが幸いな事に、ゲイリーとアダムスキーが謎のMS小隊を壊滅させてくれたお陰で、アンノウンは退却してくれたのであった。
「引き際まで見事か……なら、なおのこと解せん。剣は人の道とも言う。それだけの腕を持ちながら、何故隠し事をしているのがバレバレな無言を貫いた?」
そこへ、アダムスキーが操縦するドム・トローペンがガトーに近付いて来た。
「御無事か?ガトー少佐」
「ああ。今のところはな」
同胞達を安心させつつも、ガトーの目はムラサメ研究所への猜疑心で満ちていた。
「ただ、そのせいであそこの研究所の中身が更に気になってきたな」
「……確かに。MSが警備する程ですからな。連邦はあの施設をかなり重要視しているやもしれませんな」
その後、ジオン公国およびデラーズ・フリート本隊に対してムラサメ研究所への査察許可を求めたが、連邦との調節か上手くいかずにただ待ち続ける事しか出来ないガトー達であった。

ムラサメ研究所にカメラ・ガンを向けたガトー達を奇襲したジム改部隊であったが、返り討ちに遭い、ムラサメ研究所に帰還したのはブレイブ・コッドが操縦するジム・カスタムだけであった。
「先に新型を4機出して、結局戻ってこれたのは後から出た俺だけか。やはり実戦が足りないとダメだな」
「しかも、その内の1機は足だけ壊されてそのままお持ち帰りだそうです」
「……今回来た宇宙人、絶対に一年戦争経験者だろ?」
ガトー達と部下達の場数の差に頭を抱えるコッド。
「やはり付け焼刃だけでは駄目だ。これからはもっと模擬戦などの実技の時間を増やして貰うとしよう」
そこへ、ムラサメ博士がやって来て、
「そんな事より、我々の研究成果が盗撮される事など無いよな!」
コッドは危うく舌打ちしかけた。
(パイロット候補の鍛え直しより貴様の研究の方が大事かよ!)
ただ、何か言わないと本音が出そうなので、今後やるべき事を淡々と告げた。
「今回の盗撮騒ぎに関する苦情・文句をジオン公国に申し上げる必要があるかと」
予想外かつ想定外の黒幕の名を言われて狼狽える狂乱するムラサメ博士。
「じ、ジオンだと!?奴らは既にグラナダにフラナガン機関を持ってるだろ!何で今更!?」
コッドは完全に呆れてしまった。
(あのバカガキがヘマしたからに決まってるだろ!だから、あんなガキじゃなくて俺がイズマ・コロニーに往くべきだったんだ!)
キシリアとペルガミノが秘密裏に会談を行う事が判明した事によるキシリア暗殺計画が持ち上がった際、コッドは喜んで実行役に立候補したが、サイコミュ搭載機を操縦出来ないと言う理由だけで落選。
「え!?」
(えぇーーーーー!?)
そして選ばれたのは、本命としてドゥー・ムラサメ。クランバトルのルールを利用した同行補欠および現場指揮官としてオーガスタ基地所属のゲーツ・キャパ中尉が選ばれた。
2人共地球連邦軍のニュータイプ研究所出身であり、絶対にシャアの赤いガンダムやシャリアのキケロガを意識し過ぎてる選定に、コッドは場数や経験値を軽視された事への怒りで珍しくヤケ酒をした。
しかも、計画翌日から問題の2人からの連絡が途絶え、何故かアマテ・ユズリハが国際指名手配され、
「こいつ誰!?」
肝心のキシリアに関するニュースは一向に流れなかった……
以来、元から職人気質だったコッドはバスク少佐などが推し進める強化人間計画に猜疑心を抱く様になった。
「……そもそも、あんな怪しげな薬やVRだけでエースパイロットに熟れるなら、誰だって苦労しねえよ」


コッドは今回のムラサメ研究所警護に関して少し気になる事が有った。
「あの時、やたらと口喧しい奴が言ってたな?自分の正当性に自信があるなら、もっと口を使えと……」
そして疑問に思う。
「黙秘って何だろうか?」
(隠蔽工作は解る。軍事においてとても重要だ。でも黙秘って、何だろう)
例えば警察に逮捕された場合。
(黙秘したところで、警察が証拠を掴んでしまった時点で隠蔽した事にはならない。いや……黙れば黙る程、警察の質問はしつこくなる……意味あるのかこれ?)
考えれば考える程、コッドは沼にはまる。
(あいつの言う通り、何も言わな過ぎてかえって怪しまれてないか?かと言ってあいつの様に口喧し過ぎると……?……あれぇー!?あいつ大事な事言ってたっけえぇー!?ん…んんーーーーー……あいつ、なんだかんだで正体明かしてないぞ?そうか!あいつ、自分の主義主張だけ言って隠蔽すべき事は何も言ってないのか!?)
「そっ……そーか……あいつは自分の語彙力から言える言葉をちゃんと割り振っていたのか……」
(冷静に考えるとアレだな……俺って鈍ったな……)

登場キャラ

【ジオン公国】

アナベル・ガトー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

gMS-01JGゲルググJ〔本作オリジナル〕

ゲイリー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

アダムスキー〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

MS-09F/Tropドム・トローペン〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

フィリーネ・イステル〔機動戦士ガンダム戦記Battlefield record U.C.0081〕

ヴィリィ・グラードル〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

ザンジバル級機動巡洋艦〔機動戦士ガンダム〕

【地球連邦】

ブレイブ・コッド〔ガンダム・センチネル〕

RGM-79Nジム・カスタム〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

ムラサメ博士〔機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…〕

ドゥー・ムラサメ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

ゲーツ・キャパ〔機動戦士Gundam GQuuuuuuX〕

RGM-79Cジム改〔機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY〕

GQuuuuuuX世界のデラーズ・フリートへ……

GQuuuuuuX世界のデラーズ・フリートへ……

機動戦士GundamGQuuuuuuX第7話『マチュのリベリオン』を参考にしつつ、GQuuuuuuX世界のデラーズ・フリートの命運を自分なりに妄想してみました。 pixiv版→https://www.pixiv.net/novel/series/15707776

  • 小説
  • 短編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-04-07

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. 第1話:終焉を迎えた筈の漢
  2. 第2話:ルナツー破壊命令
  3. 第3話:悪夢VS魔女
  4. 第4話:休戦に馴染めない男
  5. 第5話:疑念だらけの査察
  6. 第6話:無言と言う名の肯定