詩
演じる
オーバーリアクションばっかり
過剰な演技で埋め尽くされる
みんな驚かせようとする
いちいち過剰反応しないといけない
説明に次ぐ説明
なにもかもが意識的だ
撮影の舞台からSNSまでどこも同じ
驚かせることが大事になった
陰湿な職場の方が
きっといい演技が見れますよ
感覚
感覚について語るのは反知性
よくないことだ
もう書くなんてやめちまえ
意識とか論理とかについて語ろう
どれだけ語ってもボロが出ないから
長い歴史の果てにようやく感覚までたどり着いたのに
そこは知性の届かぬ領域だった
感覚は思索を容赦なく遮断する
クレーの絵
形があって色があって音がある
さらには言葉まである
もしかしたら他にもあるかもしれない
知性は何事も固定化させようとする
青の世界に吸い込まれたい
頭の中で何かがもぞもぞと動いている
物に傷を入れて線と認識するまでに
どれくらいの時間を要したのだろう
線を認識したときに形の認識も始まったのだろうか
勤勉な加害者
お前は嘘をついている
嘘をついてむやみに学問に励んだ
すべてはまちがっていたのだ
今になって報いを受けているのだ
嘘つきで粗暴で攻撃的
俺は加害者だった
被害者意識の強い加害者だった
それではいけないと思っていたけれど
根っからの被害者も俺とたいして変わらなかった
俺の性根が腐っているだけなのだろう
もうそれでいい
慈善家の迫害意識をもっと見せてくれ
もっともっと恨んでくれ
視線
冷たい視線に出くわす
刺すようなまなざし
逸脱した輩に向ける蔑視
危険を察知したときの防衛本能
おまえはあっちへ行けと言っている
まあ自分がおかしいのだ
それはどうしようもない
創作意欲を促すのは被害者意識より加害者意識
弱さに安住していると何も生み出せない
傷つけられたときの苦しみと
傷つけたときの苦しみがある
働け
働け
働け
死ぬまで働け
人生は戦争である
戦うように働け
ただ一心に業務に集中せよ
意識をすべて一点に傾けよ
よけいなことは考えるな
無心で働け
機械になれ
労働に押しつぶされた黒い魂
まだ誰も表現できていない
太古から受け継がれてきたもの
反転
死にたいが殺したいに変わるとき
表と裏がひっくり返るとき
そんなに変わらないものですよ
どこも嘘ばっかりだった
攻撃性のないところに知性もない
優しいだけのなまくら坊主は有害だった
なんだか書いてて笑けてくる
笑いながら一思いにやってやる
追い詰められると人は笑うものだ
青い世界へ
安らぎを与えてくれる
不安にもさせてくる
海も空も青いのだから
人工の青なんて必要ないかもしれない
人が作った青は不安にさせてくる
でもその不安がいい
怒りも憎しみも忘れて
青い世界へ行こう
青い世界で再会できる
すべてが浄化される
青い世界へ
カタバミ
カタバミが咲いている
草むらを占拠しはじめた
偉そうに集団で咲きほこっている
豊かな彩りを鑑賞できるのもすぐ終わる
季節は勝手に巡っている
自然は常に変わっていく
俺の思い込みは変わらない
硬い思考に嫌気がさす
自動車から出る排気ガスも
草むらの花々を祝福している
冷静になろう
そろそろ終焉が近づいているね
空虚な努力で取り繕ってきた日々が
外と内で使い分けるのも限界が来てる
そういう生き方を諦めた先に何かあるのか
まだ自分は生きていてもいいのか
虚構を貫いてきた負債が重すぎる
過去がいつものしかかってくる
いつも自己を俯瞰しようとしてしまう
自己を外から眺めようとする
自己の傷を受け止めるのがつらいから
自分のことではないように傍観しようとする
傷と線
傷が意味を持ったときに線になる
傷に意味が加わって線になる
傷を見ているだけで飽き足らず
傷を読むようになった
傷から線に飛躍した
意味とは何なのか
意味はどこからやってきたのか
線が生み出されたときに
内的思考も生まれたのか
こんなことを考えている場合じゃない
世間でうまくやっていけるようにしろ
俺は本当にだらしがない
人を不快にさせてばかりいる
攻撃的で加害的で独りよがり
人間は自然に手を加えてしまう
そうして加工された自然はまた人間に問いかける
線は人間が生み出したもの
人は自然を見るときに勝手に線を見ている
線は人間しか知らないとしたら
線が生まれて形も生まれた
色は徐々に形から占めだされていった
くだらないね
また独りよがりだね
詩