流るる双炎
「……るる。……好きだよ、愛してる」
「……あのっ……」
彼女は、夕暮れに沈む二人だけの部屋で、頬を赤らめて視線を落とす。
「……『冷めた』紅茶に、閃に煌めいて溶ける、角砂糖のようにね」
彼は彼女に唇を重ね、獣のように覆い被さる。
「……あ……あ、あ、あの……竜人さんっ……!」
彼は止まらない。白糖は血に溶け、身体中に回る。その迸りのように、唇の重なりは固く、舌は滑らかに、何処までも絡みつく。
「……」
焦っていた彼女は、しかしようやく識(わ)かったようだった。
「……ん」
微かな喘ぎをもらし、彼女は彼に身体を預けた。
彼女は、拒絶しなかったが、不意に、彼の両手に、自らの指を交じらせる。
激しい接吻の最中、彼女は、すっと口を左に寄せる。
そうして、はっきりと問うた。
「竜人さん」
「何?」
彼女は、自らの鼓動が収まらぬまま、潤んだ、熱っぽい瞳を下ろす。
「……もうっ」
そして、絡らませていた両手を離し、彼を強く、華奢な腕で一所懸命、抱きしめる。
その重なって、重なった、無夜の永劫が終わったのを知るのは、まさしく彼ら二人以外に誰がいるだろうか。
流るる双炎