『刃物じゃない顔をして』

夢の中では愛されてた
儚い世界でだけ許されてた


『刃物じゃない顔をして』


優しく手を取って導いて
いつか傷つける日までは
アタシは貴方の小鳥
夢の中じゃない現実で

アタシが生きる世界は
貴方だけが全てなの
だから他の誰にもこの胸は
傷つけられたりしない

どんなに近くに居たって遠いから
欲だけがどんどん膨らんでしまう
寝顔を見る為だけに忍び込んだ
寝室の冷たさに安堵して

神様が貴方を見捨てるなら
アタシも神様なんて要らない
幼い心が軋んでも憎しみは忘れない
例え貴方がアタシを見捨てても

カーテンを閉めて外界から閉ざせば
ここはどこでもない楽園になる
温情さえ滲ませない眼差しに
ただ恋焦がれることも咎められない

愛せたらそれでよかった
それで満足できると言い聞かせてた
まるで習慣みたいに毎日願う
貴方の痛みが消えますように

そして手の中の小鳥を握り潰し
何もなかった顔で去って行く
愛される夢よりリアルだから
いつその日が来ても覚悟はできてる

アタシを見る時に何故そんな風に
痛みに耐えるような目をするの?
早く痛みを消してあげたいのに
いつまで経っても癒えないのは何故



「痛みの根源は、小さな愛しい小鳥」

『刃物じゃない顔をして』

『刃物じゃない顔をして』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-16

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