掌編集 59

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581 女性は君の領分だ

 私が子どもの頃から好きな彼は、恋愛には無関心だ。
 恋愛感情や極端な情緒は、彼の冷徹な推理の邪魔になると考え避けているのだ。
 ただひとり、あの人への敬意も、女性への興味ではなく、女性の知性に対するものであると思う。

 彼の無関心領域は、主に事件解決に直接関係のない知識や感情だ。
 彼は自分の脳を、
『必要な知識だけを収納する屋根裏部屋』
に見立て、興味のないことや実用性のない知識は意識的に無視、あるいは忘却している。

『緋色の研究』では、
『地球が太陽の周りを回っている』
という知識すら知らず、私を驚かせた。
「そんなことは私の仕事に何の関係もない」
と。
 彼の興味は事件に特化しており、世間の動向や文学作品、政治には基本的に無関心だ。
 推理に役立たない趣味の知識や、一般的な教養も関心外だ。



【お題】 無関心領域

掌編集 59

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-08

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