短歌④

肘下より長いナンをかみしめる、覚悟みたいなカレーと一緒に

満月はカスタード饅頭を勧めるけれど 週末のご褒美はアイスに決めた

コーヒーの一杯で機嫌を取ったなら ガラスの長靴でダンスをしよう

砂糖がけの胡麻菓子みたいな山が好き ふたえになるまで目を見開いてる

足が泥だ、搔き捨てられないものが増えたから 晩ご飯にはシチューがいい

お皿のふちの二色に国旗を思うとき この席だけでミラノに行ける

おやつどきの雲の速ささえ相対的だけど今日の私は右だ

今知った こんにゃくの匂い いつからか芋煮を河原でしなくなったから

共鳴を探してフリックは歌う夜 クジラのソナーになれないけれど

凹凸もセンターラインもない道を眩しく歩く 猫になれないぞろ目の日にも

流れない砂時計だけは探せるよ 赤い星の名を呼べなくなっても

雪の粉が置き忘れられて散っていた ハーフパイプの軌跡みたいに

「月の太さで何かが変わるわけがない」 言い切れるのは身体がないから

影の色が緑でも黒でも構わない 内向的だと呼ばれるのさえも

短歌④

短歌④

③→https://slib.net/130071

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-02-28

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