zokuダチ エスカレート編・38

はーちゃんの思い人・3

「オラッ!てめーらっ!立ち止まらないでさっさと歩けりゅ!」
 
「ちょっとっ!乱暴しないでよっ!」
 
「うるせーりゅ!団子は団子でも食って団子になって
ごろごろ転がってろりゅ!」
 
「……何よっ!その滅茶苦茶な言い方!」
 
「……」
 
アイシャを除くメンバーが、アイシャと小悪魔のやり取りを
黙って聞きながら途方に暮れていた。ジャミル達は今、小悪魔に
後ろからフォークで身体をちょんちょんせっつかれながら只管
歩いていた。はーちゃんが魔法使いに連れて行かれ、彼女が
通った道……、いばらの森である其処をジャミル達も同じく
歩かされていた…
 
「何とか、反撃のチャンスが早く出来ない物かしらっ!あーっ、
苛々するわねっ!」
 
「リ、リコ、おちつこ、ね?」
 
「おちつくモフー!」
 
「そうだぞ、まあ焦ってもしょうがねえよ、落ち着け落ち着け!」
 
「もう!みらいもジャミルさんも呑気過ぎるわっ!」
 
「……なあ~に、こそこそしゃべってりゅ!そこっ!」
 
「いった~いっ!」
 
「モフーっ!」
 
「いてえっ!」
 
「きゃあっ!」
 
くっちゃべっていたジャミル、みらい、リコ、モフルンは、
小悪魔にフォークでドスドス背中を高速で付かれた
 
「おめーはおまけりゅ!喰らえっ!」
 
「うおっ!?い、イテえなっ!テメ、ふざけんなよ!」
 
「けけけけのりゅー!ざまみろりゅ!」
 
小悪魔はジャミルにだけ、おまけでフォークで尻を突くと
満足げに馬鹿笑いした普段の逆恨みと仕返しらしかった。
 
「畜生、……今にみてやがれ、ん?」
 
「ジャミル、お城よっ!」
 
目の前にいばらの蔓がチェーン状に覆い被さる陰気臭い
巨大な城が広がっていた……。
 
「そうりゅよ、ケケケ、お前らはこの城で痛い目に遭うのりゅ!」
 
 
そして、in  花海ことはサイド……
 
「ねえ、本当に何処まで行くの?そろそろ教えて欲しいの……」
 
「フン……」
 
魔法使いとはーちゃんは一足先に城の中へと入り、薄暗い
廊下を歩いていた。やがて、魔法使いがある部屋の前まで
来た処で立ち止まる。
 
「あの……」
 
「さあ、着いたわよ、入りなさい、早く!」
 
魔法使いに脅されて、はーちゃんはぎゅっと目を瞑り、
部屋のドアを開けた……。
 
(この部屋に、ジェイドがいるの……?)
 
そんなはーちゃんの様子を見ながら後ろでほくそ笑む
魔法使い。
 
「そろそろ、頃合いかしら……」
 
と、魔法使いが呟いた処に少し姿を消していたララルがぱっと
現れる。少し姿が見えなかったのはどうやらこっそりと隠れて
ジャミル達の行動を偵察していた模様。
 
「おい!バカ連中が来たル!全員仲良く揃って鼻水垂らしてウチの
リトルに連れられて今こっちに向かってル!」
 
「そう、遂に来たのね……、と、いう事は……、残りの
プリキュア達も……」
 
「はーっ!?」
 
魔法使いの言葉にはーちゃんが思わず振り向くが、魔法使いが
それを差し止めた。
 
「あんたはいいのよっ!……大人しくこの部屋に入ってなさいっ!」
 
「……きゃあーっ!?」
 
魔法使いははーちゃんを突き飛ばすと薄暗い部屋に押し込め、
そのまま部屋に鍵を……。
 
「何するのっ!……やめてお願い!此処から出してーっ!
みらい達に会わせてーっ!!」
 
「人の親切を無駄にする気!?……アンタの王子様はその部屋の中に
いるんだから!ま、精々頑張って暗い部屋の中で王子を探しなさいな
……」
 
「……はー……」
 
はーちゃんはその場にしゃがみ込み、薄暗い部屋の中で
力なく俯いた……。が、直ぐに勇気を振り絞って立ち上がり
周囲を見渡す……。
 
「大丈夫、きっと皆が来てくれる、だからそれまで私も頑張る、
……ジェイド、ジェイドはこの部屋にいるのね、…私、絶対あなたを
見つけるよ……」
 
「本当に気に食わない小娘だわ!ま、夢見ているがいい、現実に
呼び戻されるまで!王子と再会出来た時が……、小娘が絶望に
染まる時よ……」
 
城の外へと再び廊下を歩き出した魔法使いの後を
ララルが追った。
 
 
in ジャミ公サイド
 
「♪りゅっりゅっりゅ~、りゅりゅりゅりゅりゅ~」
 
「……」
 
ジャミルは自分の後ろでフォークを構えて楽しそうに鼻歌を歌う
小悪魔がウザくて仕方が無かった。自分の前を歩いているならば
後ろから思い切り殴って気絶させる事も可能かもだが……、とにかく
後ろで監視されているのでどうしようもなかった。
 
(先になんとかしなきゃな、こいつ……)
 
しかし、反撃のチャンス?は意外と速く訪れる。
 
「りゅ……」
 
「おい、どうした……?」
 
いきなり小悪魔が腹を抑えてしゃがみ込んだ。
 
「ちょっと催したりゅ……、さっきの小娘を騙した時の嘘が
本当になってしまったりゅ、まいったりゅ、う、ううう……、
腹が、腹が~、りゅ……」
 
「大丈夫?可哀想……」
 
「こ、こら!触るんじゃねえりゅ!」
 
みらいが小悪魔に触れると小悪魔は慌ててみらいの手を
跳ね除ける。少し顔が赤かった。
 
「プ、間抜けだな、相変わらず……」
 
「バカ猿、だまれりゅ!」
 
「みらいちゃん、こんなのほっといて大丈夫よ!平気で
嘘つくんだから!」
 
アイシャが腰に手を当て仁王立ちで小悪魔を睨んだ……。
 
「るせーりゅ!……アイタタタ……」
 
「やだ、ちょっと、本当に具合悪いの?」
 
アイシャまで小悪魔に近づくと小悪魔は大発狂する……。
 
「ク、来るんじゃねえっていって、りゅ……、あああ~……」
 
 
……ぷりゅりゅりゅりゅ~……
 
 
「……おい、くせえな、お前まさか洩らしたか?」
 
小悪魔が尻を抑え、皆から一歩下がる、どうやら本当に
腹の具合が悪かったらしい。
 
「りゅ、りゅ、りゅ~……、……るーせーるーせーりゅっ!
畜生ううーっ!魔族の王子と有ろうものがーっ!うううう~っ!
もう、お終いりゅ~っ!!」
 
「仕方ないよ、これ、ティッシュ、はいどうぞ、これでお尻
ふくといいよ!」
 
みらいがウエットティッシュを小悪魔に差し出すと、小悪魔は慌てて
ティッシュをみらいから引っ手繰った。
 
「もうっ!こっち来なさいよっ、ほら、お尻ふいてあげる!」
 
「……ちょ、よせりゅーっ!!」
 
「大丈夫よ、私、小さい子のお世話は好きだもん!でもあんたは
悪ガキだけどね!いつもチビちゃんのお尻も拭いてるからこんなの
別になんともないわよ」
 
アイシャが小悪魔の尻を拭こうとすると、小悪魔は真っ赤になって
逃げようとした。一応の恥じらいなのか、それとも……、アイシャに
対しての……なのか……。
 
「モフルンもお手伝いするモフー!」
 
「あ、じゃあ、私もっ!」
 
「もうっ、しょうがないわねえ!」
 
「よせっつーんだりゅ!ああああーーっ!!」
 
……みらい、リコ、モフルンも……、皆で小悪魔の尻拭きに加わる……。
小悪魔は混乱し、大パニックに……。
 
「おうおう、モテ男君、羨ましいねえー!」
 
「るせーっつってりゅ!バカ猿っ!!」
 
「暴れないのっ!静かにしなさいっ!!」
 
「おううう~!……あはあん、……感じちゃうりゅ~……」
 
アイシャが小悪魔の尻を引っ叩いた。小悪魔は何だか感じちゃって
いる様子……。
 
「さあ、綺麗になったわよ、もうこれで臭わない筈よ!」
 
「あはは、良かったねえ!」
 
「きれいきれいモフー!」
 
「全くもう!」
 
「りゅ、りゅりゅ~……」
 
お尻を拭いて貰って小悪魔は暫く考え込んでいる様であった。
思いもかけないハプニングを女の子達に救われ、対処に
困っている……。
 
「くっ、こんなんで恩を着せたと思ってんじゃねえぞりゅ!
こんなモン!……仕方ねえ、今回はあばよーりゅ!!」
 
「あっ!ちょっと待ちなさいよっ!あら?」
 
小悪魔は逃げ際に何かを落していったが……。
 
「これ、みらいちゃん達のよ、落として行ってくれたみたい」
 
「ええっ!?ホントだ、リコ、リンクルストーンと魔法の杖だよっ!」
 
「本当だわ、返してくれたのね、結構いいとこあるじゃない!
あの変なのも!」
 
「これでまたみらいもリコもプリキュアに変身出来るモフー!」
 
「ま、結構義理堅い……んだよな、あのクソ小悪魔も、それにしても
お前らも良かったな!」
 
「はいっ!」
 
みらいとリコがジャミルの顔を見て声を揃え返事をする。プリキュアとしての
力も取り戻し、はーちゃん救出まであともう少し。一行は目の前に広がる
怪しい城を見つめた……。

「いらっしゃい、プリキュア達……、お久しぶり、遂に来たわね……、
とてもお会いしたかったのよ……」

「……あ、あなたはっ!!」

みらいとリコが同時に叫ぶ。城へと入ろうとした皆の前に、遂に
魔法使い自らが現れ、出迎えてくれたのだった……。

「魔法使いさん、……どうして?もう悪いことはしないって……、
あの時、ちゃんと約束してくれたじゃない……、お願い!……私達の
大切なはーちゃんを返してっ!!」

「……関係ないのよ、あたしはやっぱり結果に満足出来なかっただけ、
王子をどうしても自分の物にしたいのよ!……その為にはあの子が
邪魔なの!モヤモヤしていた頃に丁度あんた達が馬鹿みたいに現れて
くれたわ!……好都合よ!!」

「……そんな……、酷いよ……」

「……みらい、落ち着きなさい、今は何を言っても無駄よ!
聞く耳持たないわ!」

肩を落としかけるみらいにリコが必死に声を掛け励ます。みらいは暫く
俯いていたがやがて顔を上げ魔法使いの方を向いた。

「やっぱり……、戦わなくちゃいけないんだね……、でも、はーちゃんを
助ける為なら……、私達は負けないっ!!」

「やれる物ならやってみなさいよ!けど、あたしだって容赦しないわよ!!」

魔法使いが自身の魔法の杖をみらいとリコに向ける。もう二度と魔法を
悪い事の為に使わないと約束してくれた。……それなのに……。みらいは
悲しくて胸が張り裂けそうだった。だが、今は大切なはーちゃんを救う為、
人魚の里を守る為……、彼女達が覚悟を決めた戦いの時……だった。

「しかしスゲェなあ~、やっぱ女ってこえーわ、……戦いだ、修羅場だ……」

「もうっ!ジャミルったら!今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ!
私達も何か出来る事をしなくちゃ!」

「あら?これはまた珍しいお客さんね、あなた達、お猿さんのお友達がいたの?」

「なっ!?……あんだとお!?」

「……失礼しちゃうわねっ!!」

魔法使いはジャミルとアイシャを見るなり小馬鹿にした様に。口元に手を
持って行き、お~っほっほっ!……の、ポーズを取る。しかし、相変わらず
此処でもお猿さん扱いされてしまったジャミルなのである。

「二人ともっ!挑発に乗っては駄目ですっ!……落ち着いて冷静に
なって下さい!それこそ相手の思うツボですよっ!!」

リコがジャミルとアイシャを宥めるが、此処にくるまでの間、
みらいとジャミルに落ち着くようにと注意されたのはリコである……。

「……わ、私、いつも冷静だし!?」

「ねえ、あなた達……、これが何だか分かるかしら………」

「……そ、それはっ!?」

「……はーちゃんのチョコだわっ!!」

「モフーーっ!?」

魔法使いはくすっと笑い、はーちゃんから取り上げたチョコを皆に披露。
バレンタインはもうとっくに終わっているが、はーちゃんが一生懸命
思いを込めて……、ジェイドに渡したくて作った、大事な大事な手作り
チョコレート……。

「どうしてあなたが持ってるの……?まさか……はーちゃんから
無理矢理取り上げたのっ!?」

「フフフ……、さあ……?」

「何て事するのっ!……返しなさいっ!!」

リコが必死で魔法使いからチョコを取り返そうとするが、魔法使いは
チョコに魔法を掛け、チョコは巨大化、……怪人へと姿を変えられてしまう……。

「……こ、こんなの酷いよ……、酷すぎるよ……、はーちゃん……」

「はーちゃんの大切なチョコレートに……、許せない……」

「さあどうするのかしら?……そうね、まずはあの2人からやっておしまいっ!!」

「……う、うわ!!」

「きゃあっ!?」

チョコレート怪人は口からチョコ液を放出。ジャミルとアイシャ目掛け、
液を吹っ掛ける。……体中をベトベトのチョコだらけし、動けなくして
しまうのだった……。

「……お二人ともっ!大丈夫ですかっ!?」

「……大丈夫って言ったら大丈夫かもだけど……、でもそうじゃ
ねえかも……、う~ん、どっちなんだろう……」

「……どっちなんですかっ!!」

「リ、リコ……、だから落ち着いて!!」

「けど、俺らの事は大丈夫だ、心配ねえよ、……戦ってくれ、ことはの
大事なチョコを取り戻すんだろ?……さあ、行ってくれ!!」

「……みらいちゃん、リコちゃん!」

アイシャも2人の顔を見て力強く頷く。

「はい、ジャミルさん、アイシャさん、待ってて下さい!行くよ、リコ、
モフルンっ!!

「オッケー、みらいっ!」

「モフーっ!」

「キュアップ・ラパパ!トパーズ!ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」

「モッフーン!!」

みらい、リコ、モフルンが手を繋ぐ。今回は相手がチョコレートなので、
ミラクルはキャンディーの髪飾り、マジカルはプリンの髪飾りを着けた、
今度はキュートなスイーツドレスのトパーズスタイルへと変身。

「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」

「ふたりの魔法!キュアマジカル!」


「「魔法つかいプリキュア!」」


「しっかし凄いわ、俺らこの世界じゃ基本一般人設定だかんな……、
間抜けな状態になっちまう事も多いけど、ま、たまにはこういう
役回りもいいのかもな……、なあ、アイ……」

「プリン……、美味しそう……、……はっ、な、何よ!別に
お腹空いたとか思ってないもん!」

「いや、誰もんな事言ってねえし……」

「何でもいいのっ!私達にも何か出来る事をするのよっ!……頑張ってー!
プリキュアーーっ!!」

顔を赤くしてアイシャが大声で叫ぶ。確かに自分達もはよ、何とか
しねーとと、思うジャミルであったが……。

「あーあ、つまらんル、ウンコ共も捕まっちまったか、それにしても
あんの糞リトルは一体何処行ったル!仕事サボリやがって!見つけたら
只じゃおかねール!頭フォーク連打滅多刺し一万回突きの刑ル!!
バーカバーカ!」

こっそりと様子を覗っていたララルはつまらなくなったのか、リトルを
探しに何処かへ移動。

「さあ、行くわよ!ミラクル!!」

「……駄目……だよ……」

「……ミラクル!?どうしたのよ!!」

「モフっ!?」

……チョコレート怪人をじっと見つめていたミラクル、急にか細く……、
そして悲しそうな声を出した……。

「だって……、あのチョコレートは……、はーちゃんが一生懸命、
大好きな……、大切な人の為に思いを込めて作ったんだよ!?
……それなのに……、攻撃するなんて出来ないよっ……!!」

「モフ~、……ミラクル~……」

「……でもっ、辛いけど私達が戦わないと!戦わなければはーちゃんの
チョコも浄化してちゃんと元に戻してあげられないのよ!?」

「……マジカル……、分かってる、分かってるのっ!……だけどっ!!」

ミラクルが目を瞑り拳を握る……。ミラクルには、はーちゃんが
ジェイドの為に思いを込めて楽しそうにチョコ作りをしている
光景が思い出され……、どうしてもチョコレート怪人を攻撃する事が
出来ず……。何度も何度も自分が納得するまでチョコ作りを繰り返して
いたはーちゃん……。やっと手作りチョコが完成した時の、はーちゃんの
嬉しそうな顔がミラクルの脳裏に浮かぶのである……。

「おいおいおい、どうしたんだよ……」

「ミラクル……、……みらいちゃん……」

攻撃の手を止めてしまったプリキュア達にジャミルとアイシャも戸惑いの
表情を見せる……。

「あらあらあら、……これだからあま~いおバカさんねぇ~、……本当にっ!
さあ、今の内よ!チョコレート怪人っ!遠慮する事はないわ、やっておしまいっ!!」

「……ガンッ・フウウゥゥ~ッ!!」

「きゃああーーーっ!!」

「モフーーっ!……ミラクルーっ!マジカルーっ!!」

ミラクルとマジカルはチョコレート怪人に巨悪パンチを食らい、かなり
遠くまで吹っ飛ばされた……。吹っ飛ばした2人の様子を見に、笑いながら
魔法使いがチョコレート怪人と共に後を追う……。

「……畜生、あの野郎!……こうなるのを分かってて、みらいの優しさに
つけ込んで……、ことはのチョコレートを利用したのもその為かっ!!」

「許せない……!う、ううーんっ!……それにしてもこのチョコレート……、
早く早く!何とかしないとっ!!」

「……馬鹿がうなってりゅ、全くどうしようもねえ雑魚共りゅ、
みっともねえ……」

そんな皆の様子をララル同じく、こっそりと覗っている変なのが一匹。
小悪魔のリトル。

「丁度いいりゅ、……今此処で奴らをギャフンといわせてやりゅ、さあ言え、
ギャフーン!」

「……ギャーーっ!!」

突如、ジャミルとアイシャの頭上から熱湯が降ってくる……。
海の中なのに……。

「……あっちゃーっ!あちっ!あちっ!……あちいいーーっ!
……って、あれ?」

「ジャミル、チョコが溶けてるわ、……不思議……」

「ホントだ……、けど、何なんだあ?いきなり頭上から熱湯が頭と身体に
ブッ掛かったんだけど、別に火傷も何もしてねえし……」

「……」

ジャミルとアイシャは遙か地上の方角を見上げる。しかし今はあれこれ
考えていても仕方が無かった。

「……ま、まあいいや、それより俺らも早くプリキュア達のサポートに
行かねえと!」

「あまり良くないんだけど……、でも、どうするの……?」

「其処はジャミル君に任せなさーい!ついて来いっ、助手!」

「もうっ!いつから助手になったのよ!……別にいいけど……」

チョコレート呪縛から解放されたジャミルとアイシャは急いで魔法使いの
所へ……。魔法使いは2人が拘束から解放された事に気づかず……。

「……やれやれ、これで一応恩は返してやったりゅ、あとはてめーらで勝手に
何とかしろやりゅ!!では、リトルはララルに見つからんうちにこれで
バイバイりゅ!……それにしてもギャの後に、ッフーン……、は、流石に
言わんかったりゅ……」

「……モフー!ミラクルー、マジカルー!……モフ?」

モフルンも2人を心配し、急いで2人の元へと駆け寄ろうとする。
そんなモフルンの身体を後ろからそっと優しく支え抱き留める手が。
……アイシャである。

「モフ!ジャミル、アイシャ!大丈夫モフ!?」

「ええ、もう大丈夫よ!でも駄目よモフルン!1人で無茶したら!」

「……モフうう~、ミラクルとマジカルが危ないモフー!」

「分かってる!すぐに2人を助けに行こう!けど、ちょっとばかし
クマ子にも力を貸して欲しいんだよ……」

「モフ?モフルンにもミラクルとマジカルを助けるお手伝い出来るモフ?」

「ああ!頼むよ!」

ジャミルの言葉にモフルンは最初首を傾げ不思議そうな顔をしていたが、
すぐに分かったモフ!と言って頷いた。

「さあ、俺らも行くぞっ!」

「ええ、ジャミルっ!」

「モフー!」

ジャミル、アイシャのコンビとモフルンは魔法使いに気づかれ
ない様、こっそりと魔法使いの側に近づき、岩陰に隠れながら
戦いの状況を覗う……。

「もう素直に降参したらどう?このままあなた達が大人しく
負けを認めて帰るって約束するのならすぐにあの子も返して
あげるわよ!無論、王子は諦めて貰いますけどね!」

「……誰が……降参なんかするもんですかっ!」

「そうよ!……はーちゃんの幸せを邪魔するのなら、
……私達はあなたを絶対に許さないっ!!」

膝をついてミラクルとマジカルが立ち上がろうとする……。
それを見た魔法使いは再びチョコレート怪人に命令を指示する。

「……ふん!頑固者め!……いいわ、チョコレート怪人!止めを
刺しなさい!」

「ちょっと待つモフー!」

チョコレート怪人がミラクルとマジカルに向け、再度拳を
振り上げようとした、その瞬間、何者かが岩陰からぬっと
姿を現し、岩の上に飛び乗った。

「ん・が……?」

「……モフルンっ!!」

チョコレート怪人は拳の手を止め、不思議そうに首を傾げた。

「何してるのっ!此処は危ないから早く逃げなさいっ!!」

「モフルンっ!……お願いっ!逃げてーーっ!!」

しかし、ミラクルとマジカルが必死にモフルンへと叫び、
忠告するものの……、モフルンは岩の上に立ったまま、動かず……。

「これを見るモフー!」

「何よちょっとっ!こっちは忙しんだからっ!邪魔するとアンタもっ……!」

「♪いっちにい、モーフモフ!だんべえだんべえ、モーフモフ!」

モフルンはバナナ擬きの皮をふりふり、聖地に伝わる聖なる踊り、
だん○えダンスを踊り出す……。一体何が起きたのか分からず、
ミラクルもマジカルも……、ぽけっと口を開けたままその場に
固まる……。
魔法使いも……。

「……全くもう!ジャミルったら!碌な事思いつかないんだからっ!!」

「こ、これでいいんだよ、後は俺がやる、……見てろっての!」

「……はっ!な、何あたしったら見惚れてんのよ!ちょっとアンタもっ!
休んでんじゃないわよっ!あいつらに早く止めを!……あ、あら?魔法の
杖が……ああーっ!?」

「よーしっ!スッたどー!!」

ジャミルは元の世界での特技と能力を生かし、魔法使い達が
モフルンのダンスに見惚れているその隙に魔法使いからこっそりと
素早く。魔法の杖をスッたのであった。

「あはは!ジャミルっ!やったあ!」

「♪ジャミルさああーんっ!!」

「凄いですねっ!……あまり関心はしませんけど……」

「久しぶりだったからな、ま、腕はにぶっちゃいねーや、さて、
アンタはどうすんだい?」

立場逆転なるか。ジャミルは奪い取った魔法の杖を見てニヤニヤしている。

「……おのれっ!あたしとした事がっ!てか、何であいつら拘束が
解けてんのよ!アンタも役に立たないわねっ!チョコレート怪人っ!
先にあの男から始末しなさいっ!」

「う……が?」

「……何してんのよっ!早くっ!!」

「そうはいかないわよっ!」

「……私、もう迷わないよ!」

「はあああーーっ!!」

ミラクルとマジカルは再び立ち上がり、チョコレート怪人目掛け連携
Wキックを叩き込む。蹴られたチョコレート怪人は派手に転がって倒れ
スライディングしていった……。

「ミラクル!マジカル!今モフーっ!」

「金色の希望よ!私達の手に!フル・フル・フルフルリンクル!
プリキュア・トパーズ・エスペランサ!!」

ミラクルとマジカルのステッキから放出された稲妻と竜巻から
巨大なリンクルステッキが発生。更に魔法陣を発動させると同時に
魔法陣はチョコレート怪人を固定し浄化する。チョコレート怪人は
無事に元のチョコレートへと戻り、地面にことりと落ちた。ミラクルが
慌てて落ちたチョコレートを拾い上げる。

「チョコ……、はーちゃんのチョコだよっ!……良かった……、
本当に良かった……」

「良かった、本当に……」

「よかったモフー!」

マジカルも涙ぐみ、モフルンもミラクルに抱きついた。

「モフルンも有り難う……、頑張ったね……」

「モフー!」

「これで終わったと思ってるの?……本当にお目出度い人達ね……」

魔法使いが憎々しげに皆を睨む。しかし……。

「もういい加減に観念しろよ、おめえに勝ち目はねえんだぜ……?」

「そうよっ!はーちゃんを返しなさいよっ!」

ミラクルとマジカルも急いでジャミルの側に駆け寄る。

「魔法使いさん……、お願い、もうこれで本当に悪い事は……」

ミラクルがそう言うと、魔法使いは途端に悲しそうな顔になり、
ミラクルをじっと見つめるのだった……。

「……どうして……なのよ……」

「えっ……?」

「……さっきまで……あたしの中にあった刺々しい気持ちが消えちゃった
じゃない……、こんなのってないわ……、誰かを憎む憎悪の気持ちが……、
どうしてよっ!今更遅いわよっ!!」

「どういう事だ……?」

「……」

ミラクルとマジカルもお互い顔を見合わせる……。

「ねえ、魔法使いさん……、ちゃんとお話しして?あなたに何が
あったのか……」

アイシャも魔法使いに話を聞いてみる。……魔法使いは疲れ切った
様子でぼそっと喋り出した……。

「あたしにだって分からないわよ、ただ……、声が聞こえたの、
まるで……あたしの意識をかき乱す様な……、不思議な甘い声……」

「声……?」

「そう、あなたの心の中の奥底に眠る本当の気持ちを引き出し
なさい、我慢しなくていいの、全て引き出すのよって、あたし、
訳が分からなくなって……、気がついたら心が最初に王子と
出会った時の憎悪の気持ちに戻っていたの、王子を又あたしだけの
物にしたい……、そんな気持ちがどんどん大きくなって膨らんで
いったわ……」

「ねえ、ジャミル……、私、あまり考えたくないんだけど……」

「ああ、俺も考えたくねえけど、今、一瞬奴が頭をよぎった……、
けどまさか、んな所まで……手を伸ばし始めたってのか……?」

2人の脳裏に揃って浮かんだのは、性悪魔女、ルーゼであった……。

「もう今更あたしが何を言ったって遅いわね、間もなく崩壊の時が
来るんですもの……」

「……崩壊……だと?」

「ええ、そうよ、またあたしが王子に呪いを掛けたからね……、
ふふ、愛する人に呪いを解いて貰わなければ王子も泡になって消え、
人魚族の男も全て消滅するの、無論、女性の人魚族も全て含めてね……」

「……ま、またっ!どうしてアンタはそんな事したのよっ!!」

「マジカルっ、やめてっ!魔法使いさんは誰かに心を操られてたんだよ!
やりたくてやったんじゃないのなら……、もうそれでいいよ……、ね?」

魔法使いに掴み掛かろうとするマジカルをミラクルが必死で止める。
魔法使いの心を操った人物……。それが誰なのかはミラクルもマジカルも
薄々感づいていた。……こんな事が平然と出来るのはただ1人。

「ふん!本当にあんたってば相変わらずアマちゃんだわ!
……ばっかみたい!」

「あははー!よくそう言われまあーす!」

「……」

頭を掻くミラクルにマジカルも少々呆れ気味ではあったが……。

「大丈夫モフー!またはーちゃんが王子に会って愛せば
いいモフー!そんなの簡単モフー!呪いなんかチョコみたいに
すぐに溶けちゃうモフー!」

「……だからっ!……アンタ達はお目出度いって言ってるのよ!」

「!?」

魔法使いの言葉に、皆が一瞬動きを止め、魔法使いの方を見る……。

「だから……、どういう事だよ……」

「あたしの心の中に聞こえていた声が、あたしの魔法の力を倍に
してくれたのよ、憎悪の魔法はパワーアップしていた……、王子の
記憶も全て、あの子との思い出も何もかも王子の中から消滅させた、
……これがどういう事か分かるかしら?」

「おい、お前まさか……、つまり……」

ジャミルの顔が青ざめる。……魔法使いの言葉を瞬時に
理解した様であった。

「そう、あの子と王子の出会いは全てふりだしに、ゼロの状態になって
しまっている訳、だから王子と小娘が再び再会した処で、別に王子は
何とも思わないでしょうよ……」

「だけどっ!大丈夫だよ!はーちゃんと会えばすぐに王子も記憶を
取り戻すよっ!出会ってすぐに王子は、はーちゃんに一目惚れ
したんだもの!ね?」

「ラブラブのパワーは凄いモフー!」

……しかし、ミラクルとモフルンの言葉に魔法使いが止めを刺す……。

「彼がもう誰も愛せない……、冷たい心の持ち主になってしまって
いてもかしら……?」

zokuダチ エスカレート編・38

zokuダチ エスカレート編・38

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1 テイルズオブハーツ 獣拳戦隊ゲキレンジャー

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-02-28

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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