黒髪少年と試験管少年Ⅳ
黒髪少年と雪の試験管少年
「来たか」
窓を見やれば、雪が、舞っている。
視線を、少し落とすと、君がいた。
おはよう。
くるり、一回転する様は、外と、同じようだ。
手を、窓に近づける。
ひんやりとした空気が、微かに、伝わった。
ねぇ、こっちを見てよ。
珍しく、拗ねたような顔。
自分に嫉妬、とは。
可愛くて、笑ってしまった。
2026.02.10
黒髪少年とバレンタインの試験管少年
やっと会えたね。
甘い声が、聞こえる。
窓辺を見やれば、チョコレートの香りを纏う君が、佇んでいた。
「もしかして、」
そうだよ。
楽しそうに、瞳が弧を描く。
今年は何を渡すの?
きっと、彼らに、と、思っているのだろう。
一つ、目の前に置く。
「これを、君に、だけど?」
驚く顔に、口角が上がった。
2026.02.14
黒髪少年と花冷えの試験管少年
噛んでいる下唇が、痛々しく見える。
拳を握りしめる、代わり、なのだろう。
大切なリボンを、傷付けたくない、から。
でも、それは、違う。
「血が、出るよ」
その言葉に、瞳が、揺れた。
「君が、君を大切にしないと」
そっと、試験管を撫でる。
そう、願っているのは、俺だけじゃないと、知って欲しい。
2026.04.02
黒髪少年と試験管少年Ⅳ