立春

立春の陽ざしを浴びしローカル線





つむじ風予感のすこし春立ちぬ

一緒にいた職人の一人が、その足元の風景の異様さに気付いて、あっと声をあげた
自分はその始まりから終わりまでをずっと見ていた
つむじ風の渦を見せられるのは、概ね人が亡くなる事を指しているのだけれども、あまり不思議だとは思わなくなった
新しい季節の始まりに、この世を旅立つ人がいる





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鬼おろしといふ節分料理の道具あり

3日に仕事をした家の奥さんが、鬼おろしという道具を使って大根を料理するという
それが何十年も前からの道具で、昔から家に伝わってきたものだという
それを持ってきて私たちに見せてくれた
私はそれを見た時に、その形や古さに、かなり驚いた
鬼というのは二本の角の形をした二股の木の枝の事だった
そしてその二本の角の間に竹で作った鋸状の大根おろしが幾つも付いていた
その形といい、古さといい、また素朴な感じといい、すべてがいにしえの道具と呼ぶに相応しいものだった
これを使って何の料理を作るのかというと「すみつかれ」という田舎料理である

立春

立春

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-02-05

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