浪費による破滅の一般理論 序論

既存の経済学という学問は功利主義の息子として、生まれ、生き、繁栄している。これは間違いなく普遍性をもち、我々の社会の構築に役立てている。
しかし、彼には双子の妹がいるのを知っていた人物は存在するだろうか。
私は今回発表する「浪費による破滅の一般理論」によって、功利主義の息子として生まれ、真面目に働き、稼ぎ、家を建てて家族である人類社会を育てる理想的な孝行息子である経済学の姿ではないもう一人の子供である経済学の姿を皆さんに披露する。
孝行息子の対になるので放蕩娘とする。彼女は平気で借金を行い、宮殿を建設し、豪華なマスゲームを主催し、ホストクラブで他の客にマウントを取るためだけにシャンパンタワーを建てる。自分の正当性を誇示するためであれば捕まえたいい男の心臓を抉り出し、作らせたカヌーを一列に並べて燃やし、集めた金塊を海に捨てる。おまけに借金をするためや、間違いを隠すために嘘をつくことを躊躇わない。このような愚行を平然と行う放蕩娘が存在することを語りたい。
彼女はさながらエラスムスが痴愚神礼讃で描いた痴愚の女神のような容姿をしている。彼女、浪費と破滅の経済学は財産という概念、権力という概念が生まれた遥か昔からこのように生き、放蕩を繰り返してきた非常に世間体の悪い放蕩娘である。
そして、ただ世間体が悪いというだけで失敗やエラーとして功利主義の息子に閉じ込められてきたこの放蕩娘はただ閉じ込められて終わるものではなかった。彼女の家族は功利主義によって生きるできの良い兄だけではない。そのできの悪さを愛した人類学や、真面目な功利主義の息子に飽きた哲学という祖父がいる。彼らによって、ホストクラブでホストと他の客を跪かせる権力を誇示するためだけに破滅的な浪費を行うこの放蕩娘は学問という社交界に今日デビューするのだ。
これは真面目な息子に遅れること300年だが、遅れたことは問題ではない。大事なのはこの功利主義の双子の妹、とんでもない浪費と破滅の放蕩娘が真面目な功利主義の兄と対等の才能を持ち、兄が到底なし得ない浪費と破滅の動的モデルにより、単純に浪費をしたから破滅をしたという旧来の一般的な認識だけではなく、浪費や単純に失敗や病理、多様性とされてきた事象に対して普遍性を与え、普遍的に分析できるという途方もない実力を持ち、それによって兄と対等かそれ以上の活躍を学問という社交界で達成できることを私は確信している。

浪費による破滅の一般理論 序論

浪費による破滅の一般理論 序論

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-01-10

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted