詩終 96 (夢為)


日々を通り過ぎる
ぼくらに
何も残りはしない
今を携えてやってきたぼくらは
今だけを携えて消える
夢みたいに
薄れゆくばかりの
おぼろげな残像だけを残して
そして夢見た者もまた
消えるのだ
夢みたいに
どいつもこいつも
いつかは消えゆく誰かの見る
夢みたい

夢の中で
いくら何を積み上げようとも
夢は終わるのだ
まるごと

何かを成そうとしなくていいだろう
この夢の中でまで

詩終 96 (夢為)

詩終 96 (夢為)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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