詩終 94 (安置)


形を与えてしまうから
それは形に閉ざされてしまう
一度閉ざされたそれは
元の広がりを忘れてゆくものだ
それは形を求めてはいなかった

海をビンにすくってしまったら
それは海なのだろうか
失われるようだ
海であることが

海を海のままにしておこう
海を忘れて

言葉は
何も言えやしない

詩終 94 (安置)

詩終 94 (安置)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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