詩終 88 (同期)


あなたが
ある日あなたの中に光る道
を見て、踏み、駆けはじめた時
もはや外なる何者もあなたを
あなたの揺れ動きの中心軸から
外してしまうことはできないだろう
道に立つあなたは
ただ草のように

その道中で
あなたが何をまとおうと
あなたはあなたを通して
それをまとうだけだろう
服を着ても人は
服にはならない

人は道の上に立った時
わたしは道の上に立っていると
わかる
葛藤などないのだと
道は自然だと、自然は道だと
わたしも自然だと
自然は道の象徴であると
もはやわたしも象徴であると

道は
一なるものだと

何も
選んでなどいないと

詩終 88 (同期)

詩終 88 (同期)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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