詩終 75 (詩)


詩が起こる朝は
音がない
ただ事物を
ただまっさらに見ているこの時
に気づく
詩はこんな朝に
生まれる
前からぼくの中で
生きてた
ぼくの外で
生きてた

輪郭線を描く前は
白い紙はただ
ひとつの白
ぼくは一筋の輪郭線
消しゴムがなくても
朝が昼が夜が
過ぎて過ぎ去り
薄れ消えてゆくだろう

ぼくが消えた足跡
そこには詩があるのだろう

詩終 75 (詩)

詩終 75 (詩)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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