詩終 66 (スクリーン)


いつからだろう
と思いはしないか
あなたはあなたを見ている。

あなたは見られている
その視線に
あなたは気づいている
巧妙な演技も姿態も
すべて見透かされて。

ぼろぼろになってゆくあなた
はしかし、捨てられはしない
大切にされてきたぬいぐるみのように
あなたは宝物のように見える
ものを捨てることができない
それはあなたの部分であるかのように見える

さいごに
すべては捨てられるというのに。
宝物は、あなたは
捨てられてゆく

あなたは
その全貌を見届ける者
いまあなたを見ている者。

詩終 66 (スクリーン)

詩終 66 (スクリーン)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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