詩終 66 (スクリーン)
いつからだろう
と思いはしないか
あなたはあなたを見ている。
あなたは見られている
その視線に
あなたは気づいている
巧妙な演技も姿態も
すべて見透かされて。
…
ぼろぼろになってゆくあなた
はしかし、捨てられはしない
大切にされてきたぬいぐるみのように
あなたは宝物のように見える
ものを捨てることができない
それはあなたの部分であるかのように見える
さいごに
すべては捨てられるというのに。
宝物は、あなたは
捨てられてゆく
あなたは
その全貌を見届ける者
いまあなたを見ている者。
詩終 66 (スクリーン)