詩終 56 (存在)
何も望まない
それは絶望ではない
私の中の何も読まない
それは逃避ではない
暗号のように見えるものを
解こうとはしない
解かれるべき問いなど
どこにもない
目は覚める
夜は朝になるように
誰も太陽から逃れられない
何も謎ではない
この空間のように
部屋は存在しない
あるのは扉、壁、窓…だけ
部屋はどこにあるのだろうか
部屋は存在しない
わたしのように
その空に満ちているもの
私がどこかに向かって歩きだしても
いつの間にか
どこかではないどこかへただ歩いているなら
それは良い
わたしは勝手に歩く
どこかに向かう私よりも正しく
どこまでも流れてゆけ
果てない流れと共に
詩終 56 (存在)