詩終 47 (ただ)


咲いた花 香りがある
花は香りを遠くまで届けようと努力はしない
風が香りをさらって
吹くこと その行方
それは花の司ることではない
花は己を飾らない

花は咲くことしかできない
花は咲くことができる
花は咲いているだけでいい
その有り様は
誰かの目には美しいと映る
その香りは
誰かを突き動かす

花はただ咲くために
わたしはただわたしで在るために

詩終 47 (ただ)

詩終 47 (ただ)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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