詩終 37 (ひとり)


大切なように思える事々がいくつも
いくつも現れては
薄れてゆく
消えるものはやがて消えゆき
消えないものがあることに気づく

気づいた時
そこには何があったか
そこには人がいた
人がいた あの時もあの時もあの時も
違うように 同じように
わたしやあなたがいた
大切な何かを携えながら

ひとりで生きるわたし
の前で絶えず現れ消えてゆくものは
消えてゆくことそれ自体で指し示していた
わたしの喜びを

詩終 37 (ひとり)

詩終 37 (ひとり)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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