詩終 32 (空っぽ)


知ってしまったなら
それをつかまえるがいいよ
いつか放すときまで

手放したら
空っぽの手が残る
つかまえるまでは
空っぽの手があった
この手の空っぽは同じ空っぽだろうか
ぼくらは何も持たずやってきては
何も持たず去る
ことに意味はないようだが
その隙間にぼくらは意味を見出す
ようにぼくはこの手の
変わり続ける空っぽをつかみ続ける

詩終 32 (空っぽ)

詩終 32 (空っぽ)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-16

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