詩終 22


最近、花を見ると「キレイだな」と思うようになった。どの色でも一緒だ。キレイだ。品種は知らない。なんであってもいい。
そして草もまた。木もまた。人もまた。

ぼくは自分では何も書けない。
ぼくを促す雰囲気がある。
それは花を見た感じかもしれない。
夜に、朝に吸い込んだ空気かもしれない。
水面に映る少し遠くかもしれない。
湿っぽい夕方の感じかもしれない。
今から飲みに行く人らの様子かもしれない。
なぜか記憶に残っている表情かもしれない。
気圧かもしれない。
風かもしれない。
気温や湿度かもしれない。
すべてはぼくの中でこんがらがってる。
それがある雰囲気の中でほどけたりする。

ぼくらは踊っている。
自然の手の上で、
きっと花のように。

詩終 22

詩終 22

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-15

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