鬼神

コミック『修羅の刻』を読むたびに思うことがある

陸奥一族、なんとカッコいいものか、と

あのような修羅を見せられては
自身の内に棲まう鬼など足下にも及ばない

私は他者よりよくこう言われる

優しく穏やか
仏様のようだ、と

だが、違う
このサイトの閲覧者なら既に気づいていることだろう

哀しみを抱いた小鬼
だと

そう
修羅にもなれない弱き鬼

分かっている
そんなことは承知の上

それでも
弱いながらにも

戦ってきた

人との闘いではない

己との闘いだ

渦中
鬼の中に神を見た

私は私の道を行く

鬼神

鬼神

『修羅の刻』に因んで

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-13

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