真空の比喩 122 (瓶)

瓶を拾った。
そこには「詩」と書いてあった。
開けても何も入っていなかったが、
何かが入っていた。

見渡すと、瓶はたくさんあった。
いろんな形や色をしている。
ひとつずつに、ひとつ何か書いてあった。
開けても何も入っていなかったが、
何かが入っていた。

何かが入っていた。
何かはそれだけではここにあれない。
瓶はある。
あるものの中にないものを込める。

瓶は見つけられるためにある。

真空の比喩 122 (瓶)

真空の比喩 122 (瓶)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-11

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted