真空の比喩 114

ぼくは
便宜上ぼくを使わざるをえない
便宜上わたしを使わざるをえない
便宜上あなたを使わざるをえない
便宜上彼を使わざるをえない
便宜上誰かを使わざるをえない

絶対的な主観にはふさわしい名前がない
それは無限にあるたったひとつのこと
ここにあるこれのこと
にふさわしい名前がない
ので、仕方なく名付けざるをえない
なんでもいいんです
ぼくはあなただし、
わたしはあなただし、
彼はあなただしわたしだし、
誰かはぼくだしあなただし、

真空の比喩 114

真空の比喩 114

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-11

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