真空の比喩 113 (必要)

暗闇に沈んでゆく部屋の中で平等に訪れる夜に昇る同じ月と下に広がる小さな世界を眺める何もない時間がぼくには必要だ。

これはある日のぼくのある一例で、同じはずのぼくに同じことではなぜか何かが違う。同じはずのぼくは違う。違うぼくはまた違うことによってしか必要を満たせない。一例は無限に増える。それは二度と用意されない答え。

真空の比喩 113 (必要)

真空の比喩 113 (必要)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-11

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