真空の比喩 105 (本当)

己の目には己以外が映る
己以外のことを 世界 と言う
 世界 はいろんなことを言う
それは本当っぽいことを言う
が 世界 は
この己を知らない
己は 世界 ではない
己は映らないものを見なければならない
ただひとつの本当がそこにだけある

それは他者の 世界 であり
本当っぽいことでしかない

真空の比喩 105 (本当)

真空の比喩 105 (本当)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-11

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