メモ、リアル
メモはとてもよく使える
書き残したいことを書けば
ずっと思い出せる
「また学校でな」
友達にメッセージを送ると
友達の赤いマフラー自慢を横目に
颯爽と学校へ歩み出した。
僕は今、青春を謳歌する時にある
友達も多く、いつも誰かと遊ぶ毎日
まさに楽しい人生とやらを堪能中だ
そしてまた今日という日が始まった。
枯葉を付けた木々が並ぶ道
この道を歩くとさえずりが聞こえる
川の水の流れる音が聞こえる
車の騒々しく走る音も聞こえる
どうやら雨が降ったのだろうか
朝日がみずたまりを光らせている
ぴちゃぴちゃと、元気な足音が
耳元に聞こえてきた。
学校の門に着くと
多くの友達が集まってきて
「今日何する?」
「今日いい天気だね!」
「あとで話そー!」
と、みんなが話しかけてくる。
楽しい。
実際変化もあるし楽しい毎日。
だが、何か足りなかった。
教室に着くと何人か休んでいた。
私の友達と、クラスの人一人、
同じ部活動の人一人、
そして朝メッセージを送った一人
もしかしてアイツ元気なかったのかな
少し悪いことをしてしまった。
そして先生からこんな話をされた。
「みんな知ってるだろうが
今日、事故があった。衝突事故らしい
情報によるとこの学校の生徒と聞いた
何か知ってる人は至急話すように。」
そうなのか、
と少し気が滅入っていると
突拍子に友達がこんなことを言った。
「まさかそれって私たちのクラスの
誰かなんじゃない…?」
そう言われてみれば他クラスでは
珍しく全員休みが居ないという奇跡で
僕のクラスだけ4人も休みがいる。
メモが趣味な僕は早速メモをした。
・僕のクラスで4人休んだ。
・一人は友達、一人は部活仲間
一人はクラス内の人、そしてアイツ
・雨が降っており道路が滑りやすい。
これぐらいか、
メモし終えると次の証拠を集めるため
クラス外の人に聞きに回り始めた。
隣のクラスには
様々な位置に関する情報知っている
「Googleマップ」というあだ名の
奴がいる。そいつに早速聞いてみた。
「事故があった場所って分かるか…?」
すると彼は人差し指をひとつ上げて
遠くの地図を指さした。
「商店街の入口、
笑顔花道という政府が最近作った
自転車用通路の近くで起きた。」
彼はそう言うとこっちを見て
「頑張れよ探偵さん?」
と背中を押してきた
早速メモしてその場を去った。
彼は変な人だが関わり方を考えれば
とっても良い人とも思える人だ。
次に尋ねたのは新聞屋の息子のとこ
彼はスクープを探し回っていて
いつも事件には寄ってたかるような
既に親父の血を引いてるガキだ。
「なんだね?何か用かい?
それとも探偵ごっこでも
してるのかい?お子ちゃまさんよ」
どうやらさっきの会話を
まんま聞かれて全て校内新聞に
掲載するつもりだったらしい。
実に困る。
そんな彼に僕はこう問をかけた。
「あの事故に関して何かスクープは
ないか?」
すると彼の顔はみるみる笑顔になり
話してやろう話してやろうというと
1枚の新聞に見立てた
表面が授業プリントの紙を
机の中から取り出した。
「これだろ?アンタが欲しいもの」
そう言って記事を見るとそこには
【スクープ!飛び散った赤い物!】
と書いてあった。
どう考えたって血である。
「まだまだガキだな…もっといい物
でも出せないのか?」
呆れてそう言うと彼は怒って
「分かったよ!亡くなった人は推定
歳が11歳程度の子供で!身長は
我らより高い170のガキだとよ!」
そう言い放つと彼は走っていった。
メモをして早速情報をまとめながら
次の人の元へ走っていった。
昼休みの限られた時間、
先生方の中でも特に不思議な人と
呼ばれている先生がいる。
英語の先生だ。
英語の先生は時々タロット占いをして
人生を占っているらしいが全てが
逆のことしか起きないと聞く。
その先生に少し相談してみた。
「先生、私の友達が風邪なんですけど
いつ頃治りそうですか?」
そう問いかけると先生は
静かにカードをシャッフルして
5枚のカードを弾き出した。
それぞれのカードには難しい絵柄と
難しい名前が割り振られており
それを先生が読んでくれた。
「…はぁ…あんまりこういう結果だと
私は伝えにくいけど…友達に何か?
…
こんな揃い方普通しないもんなの。」
そう言っている先生の手が
震えているのが見て取れた。
「ぼ、僕は別に何も…というか
友達は今日休みでして…」
そう言うと先生は急に指を指して
「早く職員室へ、そこで休みの人が
普通出さなければならない物がある。」
「それが次のヒントにでもなるよ。」
僕はすぐに理解した。
休みの人は毎回休みカードという
なぜ休んだのか、どんな事情かを
伝えるカードが毎回出される。
そのため僕は早速職員室に走り、
「先生!先生!休みカードは誰が!」
そう言い寄ると先生はため息を零して
肩に手を置いてきた。
「じっくり確認するといい。ただ
君は思い出し損ねてる。
ある一人の特徴を」
…?
僕は特に忘れるようなことはしてない。
全てメモしているはず。
そう思いながら休みカードを見ようと
手を伸ばすと先生が急に腕を掴み
「真実を知ってから見なさい。」
と言われた。何が真実だ。
休みカード以外真実もクソもない。
「ほんとに忘れたのか?君の友達を!
君の友達はどんな特徴だったんだ!」
『赤いマフラー自慢』
ふと蘇ってきた記憶に嫌気がさした。
・赤いものが飛び散った
・友達に何かしたか
・事故が起きたのは商店街の近く
僕は急に冷や汗をかいてきた。
「待っててください…」
そう言うと僕はあのGoogleマップに
話しかけに戻った。
「予想通りだよ、君の行動。」
そう言って僕に話しかけてきた彼は
「君の友達の家はあの商店街を抜け
左に曲がったとこだ。」
まさに事故があった場所と
目と鼻の先だった。
僕はすぐに走り出した。
宛先もなく走り出したのに。
職員室に着くころには
汗と涙が混じっていた。
先生が居た。
先生が持つ紙に、こう書かれていた。
・事故により死去。
メモ、リアル
※ながらスマホはお気をつけて