おもちゃ

おもちゃ

人が喜ぶには一体どうすればいいのか。
おもちゃ売り場で子供が欲しい物が見つかったようです。
じーっとアニメキャラのモデルカーの前で、じっと手に触れて感覚をならし自由な想像力で空想にふけていく。
お目当てのキャラクターの車が見つかったようで、眼は夢見る空想に浸る憧れの感情。
夢見る子供の眼を見て、あー夢を胸に抱き大志を持つ眼とはこのような光なのです。
夢しか見えない憧れの光がおもちゃを通して溢れ膨れ上がる。
夢の中にただ一人没頭して憧れ、子供のうきうきする夢に溢れた眼は想像力に満ちている。
おもちゃを手に取ってアニメのそのワンシーンを呟き、世界に明るい光が射して来た。
このおもちゃが欲しいと舐めるように見つめる夢の中に佇む子供の心。
無邪気に欲する熱い情熱の思いが、おもちゃに触れる強い力にこみ上げている。
パパ、このおもちゃ欲しいとじっと熱い眼で見つめる純真な想い。
このおもちゃを買えば、全く新しい喜びの世界が待っている。
おもちゃが私を楽しく有頂天にさせるのよと、その美しくつぶらな眼を見て感じ取った。
パパが買おかと言った時の、子供の明るく天真爛漫な笑顔に全ての思いが溶けていく。
人を喜ばせる私は巧妙な戦略家であると確信した。
長年生きていると、人の特徴や趣味趣向を適格に知り、手にさせて与えて喜ぶプレゼントがわかる。
今これを買い与えれば、子供は私を再び信頼してついて来てくれるだろう。
そんな親の企みをよそに、子供は嬉しそうに飛び跳ねている。
この喜び様は生きる事が幸せで溢れるばかりに笑顔でいる子供を見れば納得する。
子供は正直に親を動かす術を得ていた。
パパを動かすには、ねだり甘く呟くように私の眼を見て訴え掛けるだけでいいのだわ。
子供はおもちゃを手に取りレジまで走って行く軽快さ。
そっと店員に自らおもちゃを渡してじーっと待つけなげさ。
お金の勘定が終わり店員から直におもちゃを受け取ると、思わず笑みがこぼれ明るい未来を見ていた。
くっとおもちゃに手を触れて大事に抱えて歩く子供の姿に、大人が忘れていた憧れの物を手にする嬉しき純心さを想い返す。
おもちゃを抱え足取りが軽快に歌を歌う子供の純粋な眼に全てが晴れ渡り、おもちゃとは子供を幸せにするツールであると確信する。
意気揚々と帰宅して買ったばかりのおもちゃを開ける魔法の時間。
ずっと欲しかったアニメのモデルカーがここにある充足感。
そして取り出して実際に遊ぶ時の子供は、無我夢中で遊び回り声を上げて嬉しそうに飛び跳ねている。
人生で一番嬉しい時間がここにあるのです。
モデルカーを手に取り走らせてアニメのセリフを話す時、この夢舞台に謳歌する。
人間の心の輝く煌めきがここにあるのです。
遊び心が増大して勢い良くモデルカーが走っていく。
掛け声を上げてアニメキャラになる子供は一流の役者なのです。
ここが人生の一番の夢舞台なのです。

おもちゃ

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-11-07

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