ウイスキーグラス

ウイスキーグラス

一人ホテルのバーでウイスキーを頂く時、自分一人の中へ緩やかに沈んでいく。
誰も客席には人がいない完全に一人だけの私が、ウイスキーのラフロイグ10年と只向き合い対話している。
ウイスキーグラスとは美しい造形物で透き通り魅惑の輝きを放ちます。
見る者をその気にさせて虜にさせる不思議な魔法をかける魅力的な容器。
丸みを含んだゆるやかなラインで上へと流れるように切れている色気に満ちたジャンプ。
手触りがつるつるとなめらかで透明感がありしっとりと佇んでいる。
グラスに美しい模様の切れ込みがあり鮮やかになめらかに踊るライン。
ハンドカットにより職人の器用な手さばきが縦横無尽に冴え渡る。
美的センスの塊の模様が独特な線で流麗に描かれている。
切れ味抜群で触れれば血が出るような先鋭的なラインに目を奪われる。
浄化され純粋な透明感を手に触れるだけで聖なる喜びに浸らせる。
純度が高く清められた透明なグラスは静寂ないでたちで佇んでいる。
何か聖なる器が生きているかのように純粋な清らかさで立っている。
そこにウイスキーを注ぐと、琥珀色の鮮やかな深みに麗しい色彩を奏でる。
ほのかに立ち上がる琥珀色の深遠にくすぐる沈殿色。
人生の深みにどっぷりとはまる壮麗な色彩。
知性をほのかに醸し出す微かな琥珀色のオーラ。
ふわーっと琥珀色の深遠な水がきらきらと輝き魅了するオーラを放つ。
波面が静まり静謐に佇む平和の満ち足りた様相。
白く光を放つ清純な容器が曇ったウイスキーの主役を引き立てている。
氷がコロンと動くと、ウイスキーの波面に一つの波が立って周辺に広がる神秘の様相。
私の中で魅惑の色気を感じ喜びに色めき立つ。
グラスを握ると、ウイスキーの温かさが手の平にふわりと感じた。
グラスの手触りがなめらかに流れる無垢の啓示。
全ての不純物が無くなった完全な造形物に触れる喜びに救われる。
グラスを手に取り傾けたりして、ウイスキーの琥珀色がきらきらとウィットに富んで煌めく不思議な世界。
不思議な光の煌めきに、私の意識は彼方遠くへ薄らいでいく。
幻想的な光の煌めきに私の存在が喜びに変わった。
ウイスキーが聖なる水となり私の口に含ませる時、凄絶な味覚の神通力が突き抜けた。
ウイスキーを、グラスを傾けながら深く対話して眺める秘密の時間。
グラスの清冽な輝きが清らかに手の中で輝き続ける。
何も汚れていない清純な造形物に、うっとりと見惚れて喜びの中に沈んでいく。
あー全ての想いが完全に解き放たれたのです。

ウイスキーグラス

ウイスキーグラス

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-11-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted