ミュンヘン行きの電車

ミュンヘン行きの電車で君は
金髪を靡かせて笑っていた

抱きしめ合った温もり
交差した腕と指
重ねた唇
ミュンヒェンの地下鉄の中
君と僕は鼻を押し付けてキスしていた

一杯飲み放題のレモネードを
二本のストローで飲み合った
他人にジロジロ見られていて
君は赤面する僕を
面白そうに眺めていた

ミュンヘン行きの電車で君は
金髪を靡かせて笑っていた

ミュンヘンの空港から
飛行機に乗る僕
君が笑う写真、
もういらないユーロの小銭と
混ざって財布に詰め込まれていた

あのときにまた戻りたい
僕らは運命が引き裂いた哀れなラブ
ミュンヘン行きの電車に乗って
また君に出会いたい
僕はカレンダーに罰印を付けていた

フェイスブックのクラス写真
親指で2Dの君を撫でる
あと祖国まで三ヶ月
僕は森林に覆われる大地にひっくり返る
拳には切符が握りしめられていた

ミュンヘン行きの電車で君は
金髪を靡かせて笑っていた

嗚呼、戻りたい、出会いたい!
あのとき、あの電車、あの瞬間

ミュンヘン行きの電車に……
僕は乗りたい。

ミュンヘン行きの電車

読んでくれてありがとうございました。

_MariaN_

ミュンヘン行きの電車

海外生活、遠距離恋愛の詩です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-05-23

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