zokuダチ エスカレート編・20

短編集・2

甘々ハロウィン

……世間様はハロウィンモード……

洗脳騒動もひとまず落ち着き、住人にもまた平和な
日々が戻ってきたが相変わらずのジャミルは寝てばかりいた。
まだ疲れの抜けていない所為もあるが。が、何かを
思い出した様に突然のっそり起き上がり、ぱっと冷蔵庫を開けた。

「おお、俺のロイヤルパンプキンシュークリームちゃん、
元気だな、後で食うんだ、楽しみだなあ~」

コンビニのお買い上げくじの景品で当てたモンである。
沢山冷やして後でゆっくりと食べようとジャミルは
ニヤニヤしながら再びベッドに潜り込んだ。

「とりっくお・あほ・とりーと!だゾ!」

「ややややい!」

気分をぶち壊す声がし、ジャミルは又ベッドから降りた。
声の主は直ぐに分ったが……。

「なんかお菓子ちょうだい!チョコビでいいゾ!」

「やいー!」

「ボ、いし……、ちょうだい……」

カボチャコスをしたしんのすけとひまわり、それと石コスの
ボーちゃんが襲撃しに来たのである。

「んなモン持ってねえよ、帰れよ……」

「嫌だゾ!何かお菓子くれなきゃ帰らない!」

「やいやいやい!」

「ボォーー!」

兄貴とハナタレはともかく、妹はまだミルクしか
飲めないだろうと思いつつ、このままでは部屋の前で
居座って困るので、ジャミルは仕方なしに湿気煎餅を
用意して来た。

「え~?これだけ~?」

「ねえモンはねえんだよっ!くれるだけでも有難いと思え!
さあ、帰った帰った!」

「……怪しいゾ……」

「やい……」

「ボウオ~……」

野原兄妹とボーちゃんは疑りの目でジャミルを見ていたが
どうにか引き上げて行った。

「冗談じゃねえよ、滅多に食えねえんだぞ、食われて
たまるかよ……」

ベッドに入り、再び眠りにつきそうになった頃、又誰かが
ドアを叩く音がした。

「……今度は誰だい?」

「はあーいっ!ジャミルさあーんっ!元気ですかーっ!?
トリックオア・トリートですよーっ!」

「モフーっ!」

「はーっ!お菓子くれなきゃ悪戯するよーっ!」

「また今まで寝てましたね?もうっ!しょうが
ないんだからっ、ジャミルさんはっ!!」

今度は可愛らしいウィッチコスの魔法ガールズと
モフルンが襲撃に来た。

「あのな、わりィけど、菓子なんかねえ……」

「くんくん、お部屋から何だか甘いにおいがするモフ……」

「!!!うわわわわ!!やべっ!!」

モフルンは甘い匂いに反応するという事をすっかり
忘れていたジャミルであった。彼女達は湿気煎餅では
誤魔化せない為、クッキーの残りを引っ張り出してくる。

「……これでいいかい……?」

「クッキーモフっ!うれしいモフーっ!」

「はー!ジャミルってば、やっぱり隠してたー!駄目だよー!」

「ほんっと、モフルンがいてくれて良かったわ、隠し事は
出来ませんね、ジャミルさんっ!」

「有難うございまーすっ!さあ、リコ、はーちゃん、モフルンっ、
次のお部屋へ行こうーっ!ワクワクモンだあーっ!!」

魔法ガールズ達はクッキーを(無理矢理)頂き満足そうに
引き上げて行った。

「ハア、それにしても考えてみたら、何か迷惑だよな、
ハロウィンてさ……」

漸く静かになり、ジャミルはどうにか、シュークリームを
守れた事に安堵する。だが。

「ジャミルさ~んっ、こーんにーちわ~!」

「やあ……」

「げっ!!」

今度はマモルとゆうなが立て続けに訪れ、ジャミルは
一歩後ずさりした。

「どうしたんですかあ?今日はですね、かぼちゃの
お祭りらしいので、おやつをお配りに来たんですよーっ!
あは!」

「な、何……?貰うんじゃなくて、お前がくれるのか?
……お前、いい奴だな……」

「はいっ!」

ジャミルは感動するが、彼女の天然な性格の事を
又忘れていた為、すぐに前言撤回する羽目になる。

「じゃあーんっ!ハロウィンバナナですーっ!!
沢山食べて下さいねえーっ!!」

「……おおーいっ!?」

「ゆーなの気持ちだよ、食べてあげてよ、じゃあ……、
ハロウィンだから美味しいよ……」

ゆうなとマモルはジャミルの部屋に大量のバナナを
届けると去って行った。

「……ハロウィン関係ねーだろっ!!いつもと
同じじゃねえかっ!!」


……そして、大量のバナナに囲まれ、ジャミルは
部屋で唸っていた……。


「やっぱ、勿体ぶってても駄目だなあ、早い話、
食っちまえば問題ねえっちゅう事、そうしよう……」

等々、シュークリームを食べてしまう事にし、
再び冷蔵庫を開けようとする。普通に買えば
結構なお値段スイーツなので、卑しいジャミルも
食べるのを戸惑っていたのであった。しかもタダで
頂いてしまったので。

「ジャミル、いる?オイラだよお!」

「うえっ!?ああああっ!!……おまえなあ~、
どうしてこう、大事な時にぃ~!!」

「あだ、だだだだだ!オイラ何かした!?
……貰ったお菓子おすそ分けに来ただけなのにい~!
酷いよお~!!」

ダウドの頭を小突いていたジャミルの手がぴたっと
止まった……。

「そ、そりゃ悪かったよ、あは、あはは……、よう、
お茶でも飲んで行くか?」

「何だよお、要らないよ、ふんだ、でもお菓子は
置いていくよお、じゃね……」

触て腐れ、それでもダウドはお菓子の入った袋を
置いて部屋を出て行った。

「わ、わりい事したなあ、今度又、別の菓子
差し入れしてやるかな……」

良心を痛めつつも、ダウドが置いて行った菓子袋を開くと……。

『ゴリラの鼻くそ ※賞味期限切れ 』

「……前言撤回……」

結局、こんな珍客ばかりに邪魔され、シュークリームを
口に出来ないまま、迷っていた挙句、時間は過ぎ、
あーじゃこーじゃで、気づけば時刻はもう夜の20時
近くを回っていた。

「……ええいっ!俺は食うぞ!……食うったら食うぞ!
止めても無駄だかんな!!」

スプーンを持ってきてガツガツとシュークリームに
食い付く。……その蕩ける様な甘さと言ったら、
もう絶妙で……。程よく裏ごししてあるかぼちゃの
滑らかなクリームがシュー皮から溢れだし、ジャミルは
今にも天国に飛んで行きそうな勢いであった……。

「今晩は、ジャミル……、入っていい?」

「う、うえっ、ア、アイシャかっ!?」

そしてお約束、アイシャが最後にジャミルの部屋を訪れた。

「ちょ、どうしたのよ、その顔……、口の周り中に
何かついてるじゃない、又慌てて何か食べたんでしょ、
チビちゃんみたい!しょうがないんだからっ!!」

アイシャはクリームだらけのジャミルの口をハンカチを
取り出して拭いてやるのだった。

「……い、いいって!わわわわ!!」

「良くないのっ!これでOKよ、うふふっ!あ、ハンカチは
後で洗って返してくれればいいからね!」

「おう、わりィな……」

「あ、そうだ、これをお届けに来たの、今日はハロウィンでしょ、
はい、これ……」

「おう……?」

アイシャが差し出したのは、さっきジャミルが一人で
がっついたロイヤルパンプキンシュークリームである。

「コンビニのくじで当てちゃったー!1個しかないけど、
半分こして一緒に食べようと思って……」

「そうか……、お前、マジで欲ないなあ、うん……」

「?」

ジャミルは以前の福引でバイキング券を当てたが、不注意で
便所にうっかり流しちゃった事件を思いだし、こう純情な
アイシャを見ていると、つくづく自分の嫌らしさと運の
無さが嫌になるのである。

「はあ、取りあえずお茶入れるよ、レモン紅茶でいいか?」

「うんっ!」

そして、お湯が沸き、温かい紅茶とお皿に半分こで切り分けた
シュークリームでお茶タイムとなった。

「いただきまーすっ!うーん、おいしーっ!!うふふっ!!」

(何でかな、さっき一人でガツガツ食ってた時よりも数倍も
美味く感じるよ、やっぱり一人で食っても美味くねえ……、
って事かな、例えどんなに高額なモンでもな……)

幸せそうなアイシャの顔を見、今日は珍しくしみじみと教養に
浸るジャミルであった。


何はともあれ、

Happy Halloween ……


カオス・カオス

その日、ジャミ公は午前10時近くまで寝ていた。
……噴気しながら……。この後また、珍事件に
巻き込まれるのも知らずに。

「う、うへえ、うえええええ!……うえ?」

「ジャーミルっ!おはよう!」

「……うええええーーーっ!!」

気が付くと……、床に座り、ベッドの縁からじっとあなたを
見つめてる状態のお団子頭がいた。

「お前ーーっ!いるならいるって言えーーっ!!」

「だって、いつ起きるのかなあと、思って、うふふ、
寝顔は可愛いのよね、ジャミルって!」

「い、いいからっ、着替えるから外出てろっ!あーもうっ!
バカっ!アホっ!それじゃまるで普段は俺は可愛くねえ
みたいじゃねえか!」

「はあーいっ、分りましたあーっ!ふんだ!」

アイシャはとてとて部屋の外へ一旦出る。……ジャミルは
アイシャを部屋から出したのち、慌てて立っているチ○んコを
宥め、パーカーとジーパン、急いでいつもの私服に着替えた。
しかし、可愛い女の子に間近でじっと寝顔を見つめられるとか
こんな幸せは無いと思うが。ジャミ公も贅沢である。

「……?」

なんとなーく、また嫌な予感がし、ジャミルは慌てて
廊下にいるアイシャに声を掛けようと、急いで部屋の
ドアを開けた。すると……。

「やあ、ぼく、ヤンチャーだよ!よろしくね!」

「……うぎゃあああーーーーーっ!!」

部屋の外にいたのは、ミュータントタートルズの様な、
目の回りが赤い、喋る2足歩行の変なロボ亀であった。
……ジャミルは腰を抜かし、その場に尻もち。亀の
後ろから慌ててアイシャが顔を出した。

「だ、大丈夫!?ジャミル……」

「あーのーなああ!まーたオメーはっ!どうしてこう
何でもかんでも訳の分からんもん連れてくるんだああーーっ!!」

「だって……、この子、街で迷子になってて、タートル
タートル言って困ってたの、だから連れて来ちゃったのよう!」

……お節介アイシャ、どうやら、また変な迷子を連れて
来てしまったらしい。

「タートルタートル、困ったなあ、ねえ、君、
ゆうにいちゃんを知らない?」

「困ってんのは俺だよっ!てか、……俺が知るかああーーっ!!」

「ジャミルったら、そんなに怒らないのよっ!」

「……俺はお前に怒りたいんだあああーーっ!!
この天然ボケーーっ!!」

「ぶうーっ!」

「タートルタートル……、何だか君、ギャースカ
みたいだねえ……」

と、廊下で大変な騒ぎになり掛けた処に……、アルベルトが
通り掛かった。

「あの、君達……、何して……、うえ!?」

「あ、アルーっ!あのねー、聞いてよー!ジャミルったら
意地悪なのー!あのねあのね!」

「う、うう……」

アルベルトはアイシャの側にいる変な亀を見て、
一瞬顔を引き攣らせる。相当機嫌の悪いジャミル、
そして得体の知れないおかしな生き物。自分は今
此処に来てはいけなかった……、後悔の念が彼を襲った……。
時には既に遅し。もう遅いのである。

「あ、僕、用事を思い出した……、これからシフと
また稽古が……」

「あれえ~?シフは今日確か、バーバラにネイルアート教室に
駆り出されていない筈よ?」

「う、ううううっ!!」

「ほ~お、そうかいそうかい、逃げ出そうったって
そうはいきません事よ、ね~え、アルベルトさん……、
ひーっひっひっ!」

ジャミルは邪悪な笑みを浮かべ、アルベルトに迫る。
……そしてアルベルトの肩に手を回す。

「うーっ!うううううっ!!わ、分ったよっ、で、
僕は何をすればいいわけっ!?」

……等々巻き込まれたアルベルト、後悔……、
観念の表情を浮かべた。

「ゆうにいちゃんを探してるんだ、困ってるんだよ、
タートルタートル……」

……だ、誰っ!?お願いだから、頼むから警察に
連れて行けええーっ!……と、アルベルトは心で嘆いた……。

「と、とにかく、落ち着いてと……、冷静に……、き、
君は何処から来たの?まずはそれを知りたいんだけど……、
ガクブルガクブル……」

「おー、さすがアルっ!……頼りになりますなあー!
優しいお兄様っ!」

茶化すジャミルを見て、後で、またスリッパを研いでおこう……、
と思うアルベルト。しかし、我に返ると、一体何故、この僕が……
こんな得体の知れない生物の相手をしているのか……、考えると
泣きたくなった。

「僕はないちっち、横向いて、ないちっち……か」

「うるさいっ!バカジャミルめっ!……泣いてないっ!!」

「アル、でも……、ヤンチャーいなくなってる……」

「え、……ええええっ!?」

ちょっと揉めている間に……、お約束、亀は何処かへ
行ってしまったのである。

「ジャミルーっ!君の所為だよっ!責任持って探すんだよっ、
ほら、騒動にならない内にっ!」

「まーた俺かよ、てか、一番悪いのはこいつ……」 

ジャミルはアイシャの方をジト目で見るが、騒動の張本人は
この様な顔をし(。・ω・。)?きょとんとしていた。

「とにかくっ!探すっ!探すったら探ーすっ!!」

アルベルトは両腕を上に上げ、ツバを飛ばしながら
ジャミルに激怒。さてさて、トリオは無事ヤンチャーを
捕獲出来るのか。そして、ヤンチャーの探し人の
ゆうにいちゃんとやらは?

トリオは取りあえず変なタートルタートル亀を探して
又マンション中を走り回る。……願わくば、どうかどうか、
厄介な住人の処に行ってません様に……、と、只管祈る
ジャミ公……。

「ああ、僕、もう駄目だ……」

「おい……、アル、お前もう体力尽きたのかよ……、
情けねえなあ!ちょっと走ったぐらいじゃねえか!
しっかりしろよ!」

「そんな事言ったって、僕は君とは違うんだよっ!……うう~」

「よお、やってんな、今度は何だい?……さりげなくお前らも、
秘密の特訓やってんじゃねえのか?は、はは、まさかな……、
しかし、お前らもいつも忙しいな……」

愛用の葉巻を吸いながら、通りがかりのスネーク出現。
ドタドタ走っているトリオを面白そうに見物していた。
早速厄介住人が通りがかってしまった……。

「るせー蛇親父っ!」

「おーおー、これはまた、ジャミ公と相変わらず可愛い
アイシャお嬢さん、ダイエットのランニング頑張れよー!
けど、この間、ケーキ屋の前でヨダレ垂らしてたの
お嬢さんだろ、無理するなよー、はは……」

「ち、ちが……、これは……、あーんもうっ!涎なんか
垂らしてませんっ!スネークさんのバカあ!」

茶化すスネークにジャミルが悪態をつき、アイシャは赤面。
スネークはもうすっかり洗脳から解除され、いつもの調子。
そして、トリオは取りあえず2階へ移動。

「あ、ジャミル、あそこよっ!」

「ん~、……お、おおっ!?」

正面を見ると……、廊下で女の子達に囲まれている
ヤンチャーがいた。……ヤンチャーを囲んで
きゃあきゃあ騒いでいるのは、いろは達、
いろは、こむぎ、ユキ、まゆの、4人組である。

「すご~い、見た事ない、変わったゆるキャラさん……、
なんだねえ……」

「♪かわいいねえっ!ねえ、こむぎとおともだちになって!」

「いろは、これは少しゆるキャラさんとはみたいよ、それに、
この外観、触ってみると、ぬいぐるみでもない感じ、
何だか相当古い型の人形さんの様な気もするわね、
ハリボテかしら」

「……ユキちゃん、詳しいねえ……」

「何だかこの触り心地……、あ、ああ、冷たくて
気持ちいい……」

「タートルタートル、困ったなあ……」

「おい、あいつ実は全然困ってねえだろ……」

遠巻きに様子を眺めていたジャミ公は溜息。
ヤンチャーのあそこがちゃんと尖っていたのが
此処からでもしっかり見えたからである。しかも、
狂気並に大きかった。

「……や、やだっ!もうう~!またーっ!」

「……亀のあれって……、ああなの……?ってか、
そんな場合じゃないよっ!また動かれない内に、
は、早く、捕まえないとっ!」

ジャミルはどうやって奴を捕まえるか、考えている。
只管考えている……。やがて考えすぎて眠くなり……。
アルベルトにスリッパで頭を叩かれた。

「大丈夫よ、アルもジャミルも、捕まえるとか、
ヤンチャーは別に怪物じゃないんだから、
そんな、逃げたりしないわよ、ねえねえ、みんなー!」

充分怪物の様な気もするが……。アイシャは率先して、
ヤンチャーと戯れている?いろは達の所までダッシュで
走って行く。

「あっ、こんにちは、アイシャさん!」

「わんわんっ、こんにちはー!」

「今日は暑くもないし、絶好のお出掛け日和よ……、
もうすっかり秋の気配ね……」

「こんにちは、あの、これから皆で街へお買い物に
行くんです、アイシャさんも一緒に行きませんか?」

「わんっ!そうだよ、一緒に、行こうよ、アイシャ!」

「わあ!皆とお買いもの?行きたーい!あ……」

アイシャは燥ぐが思い出した様に後ろを振り返る。
後ろには困り果てているアルベルト、……そして、
宙を弾いてデコピンの準備をしているジャミル……。

「あはは、今日は駄目みたい、行きたいけど……、
ね、また、機会があったらお誘いしてね!」

「そうですか……、残念ですね、では、また今度
一緒に行きましょうね、アイシャさん!」

「うん、いろはちゃん達、有難う、誘ってくれて……、
とほほ~、なの~……」

いろは達はアイシャに挨拶して去っていく。その様子を
アイシャは名残惜しそうに眺めていた。

「アイシャおねえさん、今日はご用があるの?
おでかけ出来なくて残念だね……、タートルタートル……」

「あ、はは……、えうう~……」

アイシャは淡々と話すヤンチャーを疲れた様に眺めた。
……あなたのお世話で行けないのよう……、と、思ったが、
元はと言えば、この亀を連れて来たのも彼女である。
当の本人が騒動をほおり出して、るんるんと遊びに
行くわけに行かず、余計なお節介に首を突っ込んだ
果ての立派な自己責任であった……。

「さ、ヤンチャー、行きましょ、あなたの事、
色々聞かなくちゃね……」

「うん、お話?いいよー、ぼく、お話するの大好きなんだ!」

疲れ果てた様にアイシャがヤンチャーをジャミル達の
所に連れて戻る。タートル亀はあっさり捕獲出来たが、
意気消沈している彼女の様子を窺い、ジャミルは
何となく全てを悟り、少々意地の悪い笑みを浮かべた。

「おい、これに懲りたら、変な節介も程々に少しは
反省しろよ、分ったか?ジャジャ馬!」

「な、なにようーっ!別にいいのっ、ジャミルに
言われたくないもんっ!べー!さ、行きましょ、
ヤンチャー、あなたの探してる人、私も探してあげるっ!
そして、お家に帰してあげるね!」

「わあー、うれしいなあ!アイシャおねえさんて
やさしいんだねえ!」

「!!こ、この……、ぜんっぜん、反省してねえし……、
頭くんなあ!」

「ジャミル、……アイシャの症だから……、でも、そこが
彼女のいい処じゃないか……」

アルベルトはそうアイシャをフォローするが、
……明らかにその顔はやつれて疲れ切っていた……。

ヤンチャーはその後、MあっちいKの社員が
連れ戻しに来、無事に帰って行き、今度の
騒動も収まる。が、結局、ヤンチャーの
探し人とやらは、謎のままであった。
そして、その後もアイシャは反省する処か……。

「はにゃ、ぼく、はに丸!ねえねえ、すみれおねえさん、
しらない?はにゃ!」

「ねえねえ、ジャミル、この子、公園ではにゃはにゃ
言ってて迷子になってたの、可哀想だよ!」

「……だーかーらーーっ!いい加減にしろーーーっ!!」

ヤケになったのか、天然アイシャの更にお節介は
エスカレート、……余計に変な物を連れ込む様に
なってしまったのであった。ジャミルの気苦労は
まだまだ続きそうである。

zokuダチ エスカレート編・20

zokuダチ エスカレート編・20

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-10-31

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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