zokuダチ エスカレート編・16

復讐のゲス・13

……再びジャミルサイド

「チビ、頑張れよ!此処の廊下を抜けりゃ、皆のいる
エントランスに戻れる筈だ!」

「ぴいっ!」

ジャミルとチビは漸く皆のいる場所付近まで来ており、
ゴール目指して只管走っていた。

「そうか……、だが、貴様は此処で終わりだ、
ご苦労だった……」

「……来たな、くそっ!」

ジャミルが立ち止まって辺りを見る。声の主は
嫌過ぎるほどに充分分かっていた。

「なあ、此処は勘弁してくんね?……後で嫌って程、
遊んでやるからさあ、なあ、グレイっ!!」

「甘いな、……いい加減にしろ、貴様……、ふざけるな……」

曲がり角からゆっくりとグレイが姿を現した。
アイスソードを肩に担いで……。

「やっぱ駄目か……、んじゃ仕方ねえ、俺も……、
日頃の恨みもある事だし……」

「ぴ?ジャミルっ!気を付けてっ!!」

「あ……?うわっ!!」

何か嫌な気配を感じたのか、チビがジャミルに
向かって必死に叫んだ。そしてそれは当たり、
ジャミルの後ろからホークが姿を現し、ジャミルを
羽交い締めすると、更にバーバラも現れ、横から
顔に武器を付き付けた。

「よし、そのまま動くな……、大人しくしていろ……」

前横に拘束され、そして正面からはアイスソードを
持ったグレイが近づいて来る。……ジャミルは身動きが
取れなくなってしまう……。

「く、卑怯だぞ……、この野郎!!」

「駄目だよおっ!!ポークのおじちゃんもバーバラの
おばちゃんもやめてよお!!」

「……ポーク……、ぶ、豚だと……?」

「おばちゃんですって……?迹に触る生意気な
チビドラゴンだね……!」

「そこの獣、大人しくしていろ……、少しでも
おかしな真似をすればこいつがどうなるか分からんぞ……」

グレイがそう言うと、ホークがジャミルを
抑え付ける手がより一層強くなった。
今回はジャミ公、情けない事に人質に
なりっぱなしである。

「……結局、どっちみち同じじゃねえか、畜生……」

「そう言う事だ、…このアイスソードの
餌食となれ、ジャミル……」

「だ、だめっ……!駄目だよおお!!ジャミルーーっ!!」

「……ぐっ……!!」

ジャミルが目を瞑り、斬られるのを覚悟した、その瞬間……。


……ガン、ゴン、ガン……!!……ゴンッ!!


「……?」

ジャミルが恐る恐る目を開けると、ホークも、
バーバラも、……グレイも……、巨大な
タンコブを頭部に作り、非常に間抜けな状態で
全員その場に倒れていた……。

「……な、何が起きたん?」

「き、貴様……、何をし……、う……」

グレイはそう一言言うと気を失う。何回見ても
実に間抜けな姿であった……。

「きゅぴ、あのね、上からタライが落ちて来たみたい……」

「上から……?」

チビの言葉に、ジャミルが天井を見上げると、
何故か天井に大穴があいており、そこから
巨大な金ダライがグレイ達の頭を直撃し、
落下した様であった。タライ攻撃、2回目、
発動である。一度目はマモルが、洗脳されていた
ホークとバーバラをこっそり攻撃したのであるが。
……このカップルも、タライ攻撃2回目の
被害者に……。

「……ま、まあいいか、こいつらも後で何とか
するとして、目を覚まさない内に急ごう、
何だか分かんねえけど、とにかく助かったわ!
……そうだ、ついでにこれ借りとく!」

ちゃっかりと、護身用にジャミルはアイスソードを
回収してしまう。

「ぴい~?」

チビは不思議そうな顔をして、ジャミルの
後を追う。それを天井からこっそりと
見ていた変な人物がいた。


「おじちゃん、……ル……、キュウリマンは
い~つでも、良い子の味方よお~、……ぐ~ふふふ!」


そして、屋敷エントランスでの仲間達も、それぞれの
相手と因縁のバトルを繰り広げていた。

「……行くぞ、シグっ!!」

「行かねえっての!お前らもういい加減にしろよ!!」

「自警団攻撃っ!!」

「……あ、あ、あ、……お前らオレ抜かしてずりい……
うわあああーーっ!!」

シグ、仲間外れの協力攻撃を喰らい、壁際まで
ふっ飛ばされた……。

「畜生……、う……」

「……シグ君っ!!」

「みらい、何処見ているの?あなたはこっちでしょ……?」

「はー、遊んでよ!みらいっ!!ねえったら!!」

「リコ、はーちゃん……」

みらいは一刻も早く、他の仲間にも清涼剤を
飲ませたかったが、とにもかくにも今は先に
この2人を何とか助けたくて精いっぱいだった……。

「ダウド、な、何とか頭を使って薬を飲ませるのよっ!」

「……頭を?使って……?とにかく飲ませる隙が
ないんだもの、どうすりゃいいのさ……、うかつに
近寄れないし……」

「考えるのっ!……いい方法はないかしら、何か……」

「……頭使って……、スライディングでもして
割り込むの……?」

「ふざけないのっ!……な、何とかしなくちゃ!何とか……!」

「ううう~……」

アイシャとダウドが考える。その間にも他の仲間は
どんどん追い詰められていき、無限に出現する
怪物を食い止めてくれているティルとグレミオにも
疲れが出て来ている様子……。漸く会えたリコと
はーちゃんを目の前にしたみらいもどうしたら
分からず戸惑う……。


「……はあっ!せいっ!たああーーーっ!!」

「くっ!小生意気なっ!……ふ、ふざけんじゃないよっ!!」

アルベルトはスリッパにも関わらず、パンパンパンパン、
必死でシフを叩きまくり、あっという間にどんどん
追い詰めていった……。

「はあ、はあ……、シフ……、もう、観念するんだ……、
僕はこれ以上……」

「そんなふざけたモンでやられてたまるかああーーっ!!
あたしの恥だああーーっ!!しかも真面目な顔
しやがってからに!!……うおおおおーーーっ!!」

「……うっ!?ぐ、ぐううっ!?しまったっ!!」

「……ヘッ、坊やっ!覚悟っ!!」

スリッパを折られたアルベルト、シフに強烈な
アッパーを喰らい、その場に倒れた……。

「……やっぱり僕は……、シフには敵わないのかな……、
みんな、ごめん……」

「……ガキは其処で黙って大人しく寝てろ!!たく!!」

「……」


「畜生、悔しいよ、あたしにも何か出来る事が
あれば……、もうこのまま黙って見てるなんて
出来ないっ!」

「そうかい、お嬢ちゃんは偉いねえ~、げへへへ!
何でもいいや、ブッ殺したらあ!こうなりゃ一人でも
殺らねえと気が済まねえ!!」

「……ゲスっ!」

グレミオにかっ飛ばされたゲス、戻って来てしまう。
意識を取りもどしたケイに刃物を持ち、ケイに迫る。
先程の事で相当ブチ切れている様子であった……。

「……死ねえええーーーっ!!」

「……ケイちゃんっ!危ないっ!!」

発狂したゲスがケイ目掛突っ込んで来る。アイシャは
咄嗟に飛び出しケイを庇い、横に転がり、間一髪で
ゲスの手からケイを守った……。

「……ゲヘゲヘヘ、……お嬢ちゃん達……、おじさんと
あーそぼ!ねえーん……、ゲヘゲヘ、ゲヘへへへ……、
ハアハア……、ジュルジュル……、いい事しよ?
そうだ、さーつじんゲームう!血がね、ぽーたぽた、
垂れるんだよううう?おじちゃん、うう、ゲスゲス、
若い子の血を舐めるのがだーいすき!……そうだなあ、
血を煮詰めて、出血ジャムを作ろうかなあ~?おいしそお~!」

ゲスは危険な表情でアイシャとケイにじりじり迫る……。
どんどん様子がおかしくなってくるゲスにケイは
恐怖で再び言葉を失う。アイシャも……。

「……この人、もう完全に狂ってるわ……」

「……あ、あああ……」

「ケイちゃん!アイシャーーっ!!」

……其所にダウドも突っ込んで来る……。
ヘタレも遂に動かなくてはならない状況に
追い込まれていた……。

「アイシャ、此処はオイラがっ!アイシャは
みらいちゃんと一緒にどうにかして皆に薬を飲ませてっ!
……もしもアイシャに何かあったらオイラがジャミルに
怒られちゃうからね……、ケイちゃんはオイラが守るよっ!
……く、来るなら来いーーーっ!!」

「ダウド、有り難う!あなたの勇気、信じてる!
急がなきゃ!もう躊躇していられない!!」

「ククク、あ~あ、無謀なバカが又増えたなあ~……、
クククク……」

「……ジャミル……、は、早く……、だ、駄目だっ!
いつもいつもジャミルに頼ってばっかりじゃ!」

ダウドは怯えるケイを庇いながら目の前の鬼畜な
哀れな犯罪者を強く睨み返した……。

「ええーいっ!このやろおおーーっ!!」

「あ……?あぎゃああーーーっ!!」

ダウドが無造作に腕を振り回し……。拳が
ポカリとゲスのチンに衝突……。急所を突かれた
ゲスは又その場に泡を吹いて倒れた……。

「あれ?あれれ……?倒れた?オイラだってやっぱ
やれば出来るっ!うんっ、ざまあみろっ!よしっ、
この際、徹底的に……、あちょあちょ、あちょおおーーー!!」

ダウドは更にゲスのチンに猛攻撃……。
それこそもう彼処が再起不能になるぐらいの
レベルで……。チンが潰れてしまったゲスは
完全に気絶……。ダウドは取りあえず、ほっと安堵。


「どうしたのジタン、かかって来ないのかしら?」

「……駄目だよ、ダガー……、オレにはやっぱり
君を攻撃するなんてとても……」

ジタンは悔しげに唇を噛んだ。……その間にも
ダガーは容赦なくジタンに鞭を向け襲い掛かって来る。

「じゃあ、遠慮なく行きますわっ!お~ほほほほっ!
覚悟なさってーっ!!」

「嫌だ……、オレはっ!!どうしても君と戦いたくない!!
……ダガー、頼む、お願いだ!!目を覚ましてくれっ!!」

「何を甘っちょろい事をなさっているのっ!
来ないのならこっちから行きますわ!」

「ダガー……、うっ!……うわあああーーっ!!」

「おーっほっほっほっほっ!!それそれそれそれーーっ!!」

ジタンの気持ちも無視し、操られたSM女王ダガーは
容赦なく鞭の矛先をジタンへと向け、ジタンも瞬く間に
危機へと陥る。……そしてユリアンも……。


「……あたしのサラを返しなさいっ!!でないと、
アンタの背中へし折るわよ!!」

「……んぎゃああああーーーっ!!」

言うまでもなく、ユリアン、エレンにタワーブリッジと
ジャーマンスープレックスを掛けられ、あっさり気絶する。
……緑の人、いつもと変わらず……。

「もうこうなったら強行突破よっ!!みらいちゃん、
私にもお薬分けて!」

「で、でも、アイシャさん……、あっ!!」

アイシャは戸惑っているみらいから清涼剤の瓶を貰うと、
薬を取り出し、瓶を再びみらいに渡すと、リコと
はーちゃんの前まで自ら走って行った。又暴走モードの
始まりであった……。

「……ちょ、ちょっとっ!何をするのっ!?あうう!?」

「何がなんでもっ……、うう~!の、飲んで
貰うんだからああ~っ!!じ、時間が無いのっ、
早く……、皆を助けなきゃ……」

「ううう、ぐぐぐ……、や、やめなさいっ!!」

アイシャはリコの口元まで薬を持っていき、強制的に
無理矢理薬を飲ませようとしているのだった……。

「リコ!!……アイシャさん!!どうしよう……、
どうしよう……」

「ふう~ん、何だかその瓶に秘密があるみたい……、
キュアップ・ラパパ!」

「……え?」

「はーちゃんっ!……ま、魔法のタッチペンも
スマホンも無しでっ!!どうしてっ!?」

はーちゃんが呪文を唱えると、みらいの手から
清涼剤の瓶がふわりと浮きあがり、はーちゃんの
手に渡ってしまう……。

「はー、もーらいっ!ねえみらい、これ返して欲しい?
大事な物なの?じゃあ、私と遊んで!!」

「……きゃああああーーーっ!!」

「……アイシャさんっ!!」

はーちゃんの魔法によってアイシャもふっ飛び、
気絶させられてしまう……。

「ふう、はーちゃん、ご苦労様、冗談じゃないわ!
何だか知らないけれど……」

「リコっ!!」

リコはアイシャが飲ませようとした清涼剤の粒を
足でぐちゃちゃに踏み潰した……。

「……うわーー!アイシャーー!!しっかりーー!!
……だから無茶しちゃ駄目だって……、もう~、
又ジャミルに怒られるよお~……、ううう~……」

ダウドが慌ててアイシャを助け起こすが、アイシャは
すっかり気を失ってしまっていた……。

「はーちゃんは元々魔法の力が凄いんだもの、
スマホンもペンも無くても魔法を使える様に、
ルーゼ様に更に潜在能力を引き出して貰ったのよ!
……本当に凄いわ、あの方は……、はーちゃんの力を
見抜いていらっしゃるなんてね……」

「はー!私のお師匠様ー、先生ー!」

「……そんな……、嘘……、嘘だよ……」

「はーちゃん、これ以上悪い事しないで、
やめてモフー!!」

「はー!私、悪い事なんかしてないもん!ふーんだ!
ねえねえ、みらいー!早く遊んでよー!ねえったらー!!」

「……はーちゃん、リコ……、私、私……、
どうしたらいいの……」

清涼剤の瓶もはーちゃんに奪われてしまい、彼女達も
絶対絶命の危機を迎えみらいもじりじりとはーちゃんと
リコに追い詰められる……。

「さあ、みらい、いい加減にこっちへ来なさい、
……それとも……、あなた私達を本当に裏切る
気なのね?どうなの……」

「はー!どうするの!?もう、この瓶ごと、
中の薬もぐちゃぐちゃにして潰しちゃおうかな……」

「……はーちゃんっ!お願い!それだけはやめて!!」

「なら、あなたも大人しくはーちゃんから
洗脳魔術を受けなさい、早く!」

「おいでっ!みらい、私達の処にっ!!」

「……はーちゃん、リコ……、私……」

みらいが唇を噛んで、ゆっくりと2人に近づいて行く。
その表情は何かを決意した様であった……。

「……わわわわっ!だ、駄目だよおー!みらいちゃーーん!!
あわわわわわ!!」

ダウドが慌ててみるが、どうにもならず……。
みらいはゆっくりと、リコとはーちゃん、
2人の顔を見上げる。すると……。


……みらい……、助けて……

みらい……、私……、此処にいるよ……


「リコ、はーちゃん、……聞こえる、2人の
本当の声、私には聞こえる……、ちゃんと側に
いるんだね……」

「……な、何っ!?」

「はーっ!?」

みらいはゆっくりと、目を瞑り、2人の手を
ぎゅっと握って静かに祈りを込めた。

「……帰ろう……、リコ、はーちゃん、一緒にね……、
大丈夫だよ、洗脳魔術なんかに2人は負けない、
絶対に……」

「モフーーっ!!」

モフルンも急いでみらいの側に駆け寄って、リコと
はーちゃんの手をぎゅっと握りしめた。

「……みんな……、ずっと一緒モフ……」

「うん、ずっと、ずーっと、皆一緒だよ、私達、
決して離れたりしない……」

「……何よ、馬鹿馬鹿しい!……っ、な、何……!?
この感情は……?だ、駄目っ!?で、出てこないで!
きゃ、きゃあああーーっ!!」


……みらい、私、帰りたい……、大切なあなたと
はーちゃんの所に……

……私もっ!!絶対、諦めないよっ……!!


「うん、リコ……、はーちゃん……」

「モフー!みらいっ!!」

「キュアップ・ラパパ!!どうかお願い、大切な
リコとはーちゃん、2人を返してっ……!!」

「みらいも魔法の杖なしで魔法使ってるモフーーっ!!
凄いモフーーっ!!」

みらいの2人の手を握る力が強くなった時、奇跡が起こり、
強い輝きと光の渦がみらい達3人を強く包み込んだ。

「……ゲヘ?……い、一体奴ら何が起きてるんでえ?
ゲ、ゲヘ……?」

「余所見してる暇はないよおっ!お前もう、
彼処が使い物にならないんだからいい加減に
何処かへ行けーーっ!」

「ゲヘ?うお……、おおおおおおーーーっ!?」

ダウドは思いっ切り油断したゲスを思い切り蹴り倒す。
ゲスは先程グレミオが破壊したドアから又滑って
何処かへ飛んで行った。しかし、何処かに消えて欲しいのと
彼処が使い物にならないのは余り関係無いと思うが……。

「はあ、案外弱い奴だったんだなあ~、あんなのに
ヘタレて損したよお~……、怯え損だあ~……」

「ゲヘ……、ち、畜生……、覚えて……、ろ……、
ううう~……」

「リコ……、はーちゃんっ!!」

「みらい……、ただいま……」

「はー!おかえりー!」

「……はーちゃんたらっ!もうっ!
う……、うわあああーーっ!!私、私……、
2人に……、ひっ、ひくっ……、ど、どれだけ
会いたかったか……、うわあああ~んっ!!」

「モフーーっ!!良かった、良かったモフーーっ!!」

……こうして、3人の絆を再び取り戻した
魔法ガールズ達はもう二度と離れまいと
硬く抱き合うのであった。

zokuダチ エスカレート編・16

zokuダチ エスカレート編・16

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-10-28

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