zokuダチ エスカレート編・14

復讐のゲス・11

「……嫌だよお、チビ、絶対従わないもん、
お前になんか……」

「なんですと?、テメー、もう一度言ってみなさい、
アレがどうなるか分かっているのでしょう?」

「はわわわーーっ!……っぷ!はあっ、はあっ……」

チータがジャミルを助けたいならとチビに出した
条件。それは自分がチータの下部となり、従う事。
しかし、チビはそれを拒否する。ジャミルは砂の
海の中であっぷあっぷ状態で窒息寸前状態である。
もう本当に時間の問題だった。

「今此処でチータがチビを倒しても、チータは
レッドドラゴンさんには絶対勝てないよお……、
無理だよお……」

「!!こ、この糞チビっ!彼のあの状態を見ても
何とも思わないとは!……そうですか、あなたが
そんなに冷たいお方とは思いませんでした……、
ジャミ公さん、聞きましたか?このクソドラゴンは
あなたがどうなっても構わないそうですよ……」

「そ、その通りじゃねえか……」

「ははっ、へえー、あなたは、よーく分かって
おっしゃられるのですね、薄情だと言う事を、
最初からもう諦めていると……」

「ぴい~……」

「チビっ、……う、そうさ、チビの言う通りだよ、
お前は絶対にレッドドラゴンには勝てやしねえんだよ……」

「……何ですとおお……?」

ジャミルは口に入りそうになる砂を吐き出しながら、
何とか必死で声を絞り出した。

「ルーゼなんかに作って貰ったオメーこそ……、
ポンコツだよ、幾らチビの力を取り込んだって
言ってもだな、本物には叶わねえ、所詮、
作りモンだって言ったろ?いつか絶対何処かで
ボロが出て、痛い目に遭うのさ、レッドドラゴンの
本物の力には……、敵わねえよ、今のお前は……」

「ジャミルううう~、チビ、チビ……」

チビは潤んだ目で砂時計の瓶の中のジャミルを
見つめる。ジャミルはガラスの向こう側から
チビに向かって精一杯いつもの軽い調子で
笑って見せた。

「そうですか、ならば……、そんなに死にたいのなら!
さっさと埋もれてしまえーーー!!」

「……ぴいいーーっ!ジャミルうううーーっ!!」

遂に瓶の中全体を覆う程の砂が溢れ、砂に埋もれてしまった
ジャミルの姿は完全に見えなくなってしまうのだった……。

「あーははははっ!まいりましたね、ユカイユカイ!」

「……いやだ、いやだああーーっ!!……びいいいーーっ!!」

「!?き、貴様っ!!」

チビが怒りで震えだし……、身体中から発したオーラが
砂時計を叩き割る。瓶から溢れ出た砂の中から気絶した
ジャミルが流れ出るのを見つけ、チビは急いでジャミルを
救出しようとする。

「……させませんよーーーっ!……う、ウォッ!?」

「……愚か者の軟弱者めが……、闇に作られし
己の欲望と破壊だけを求める哀れな者よ……、
お前は此処に存在していてはならぬ……」

「!!ま、まさか……、そんな、お前は……」

チビの姿が聖竜へと変る。その姿は小さい
チビの姿では無く、大人の成長したドラゴンの
姿であった……。

「……おのれエーーー!!わ、私こそが本物の
究極のドラゴンだアーーッ、アッ、アーーーッ!!」

聖竜が怒りのブレスをチータに向け吐く。ブレスに
包まれたチータは粉々に砕け散った……。チータに
制裁を加えた後、直ぐにチビの姿は元に戻るが、
チビは自分が今何をしたのか全く覚えていない
チータが何故突然消えたのかも分からず、暫くの間、
きょとんとしていた。が、直ぐに再び我に返り、
砂の中からジャミルを救出。ジャミルを助けた後、
溢れた全ての砂をブレスで跡形もなく燃やした。

「きゅぴ……?あっ、ジャミルっ!」

「……」

さて、それからが暫くの間、大変であった……。

「ジャミル、ジャミル、しっかりしてぴい!」

チビは砂を大量に飲んで溺れたジャミルの腹の上に
どすんどすんジャンプしまくり、砂を吐き出させ
ようと大騒ぎであった。暫くして、ジャミルの
口から水……、ではなく、砂がぴゅーと吹き出て
来たのだった。

「う、うう……」

「あ、ジャミルうううーーっ!」

「チビ……?」

「よかったきゅぴ!びいいいーーっ!!」

「そうか、チビ、お前が……、俺、海とかでも
しょっちゅうドジ踏んで溺れる事あるけど、
今回は砂飲んじまったのかよ……、あー、まいった!」

ジャミルは頭を振って、まいったまいったをする。
チビは無事に意識を取り戻したジャミルに飛び付いて
顔をペロペロ、甘えて大変である。

「……そういや俺、何で砂時計から出られたんだ?
全然記憶が……、でも、チビが助けてくれたんだろ、
ありがとな……」

「ううん、チビ、気が付いたら砂時計が割れてて、
ジャミルが流れて来たから助けただけ!チビも何で
そうなってたのかは分からないんだよお……」

「そういや、あのクソドラゴンもいつの間にか
いなくなっちまったな、ま、いいや、取りあえず、
先に進むか、全てよしよしでな!又出て来ねえ内にな!」

「きゅっぴ!」

……単純に話を纏める、これでいいのだ思考の
単純バカのジャミ公さん……。しかし、ジャミルの
言った通り、偽物は本物に勝てる筈が無かった。
……チビの中に眠る……、真の力までを吸収する事は
不可能だった……

「あのね、ジャミル……、チビ、少し、お話……、
してもいい……?」

「うん、……そうだな、ずっと頑張ってくれたし、
疲れちゃったもんな……」

ジャミルはチビの頭をよしよししながら
その場に腰を下ろすと、チビは静かに
喋り出す。

「チビはね、こむぎちゃんとユキちゃんが
羨ましかったんだよお……」

「……こむぎ達が……、か……?」

「だって……、こむぎちゃん達は人間に
変身出来るんだもん、チビはそういうの
出来ないから羨ましいよお……、チビだって
人間になって、ジャミル達とお手手繋いで、
一緒に歩いてみたいんだもん、一緒にかけっこ、
走りたいよお、お散歩したいよお……」

「チビ……」

「ぴい~……」

チビの言葉を聞き、ジャミルはチビは空が
飛べるからとつい、チビに愚痴を言って
しまった事を思い出す。……チビはチビなりに
コンプレックスがあり、淋しかったのである……。

「チビ、俺も色々愚痴言ってごめんな、へへ、
もう弱音吐かねえからよ、……大丈夫だ、さあ、
もう少しだ、皆と合流しなくちゃな!」

「きゅっぴ!」

チビがジャミルにスリスリする。……と、同時に、
ジャミル達の前に突然の光が……。何者かが
姿を現す……。

「!?ま、また……、追手かっ!?」

「ぴいい~……、でも、この光……、
さっきと違って嫌な感じしないよお!」

「……何……?あ、あっ!!」

「ふう~、通じたかなっ!?あっ、大丈夫みたいだね、
あなたがジャミルさん!?」

「は、……ハア……」

「♪はじめましてっ!ニッコでぇぇ~っす!」

「初めまして、わたくしはニコ様の執事を
努めております、メエメエと申します!」

「……ハア……」

現れたのは……、小さなユニコーンの可愛い妖精と、
……笑○亭鶴○似の……、眼鏡を掛けたヒツジ……。
見た感じ、ルーゼの関係者では絶対になさそうだった。

「マンションの皆のニコニコが溜まったから、
パワーを分けて貰ってこうやってあなた達に
呼びかけが出来るんだよ!」

「……ニコニコ……?マンション……?って、事は……」

「うんっ、ニコ達、いろは達の友達なの!
詳しい事は皆が帰って来た時にお話するけど、
黒子さんて人がニコ達の国、ニコガーデンに来て、
不思議なお薬を置いて行ったんだ、そのお薬を
お届けする為にニコ達はマンションまで来たんだよー♪」

「……そ、そうか!あんたら、いろは達のダチかっ!」

「ぴいーっ!」

ジャミルとチビは笑顔になり顔を見合わせる。
マンション内でも思わぬ助っ人が現れていて
くれた事に、驚きと喜びを隠せなかった。

「まゆとユキにもお薬飲ませたから、洗脳は解けて、
もうすっかり元気で大丈夫だよっ!だから、
こっちはもう安心してね!スネークのおじさんも
お薬飲んで、元に戻って、皆を守ってくれるって
張り切ってるよっ!」

「そ、そうなのかっ!……チビっ!」

「きゅっぴー!ジャミルっ!よかったあー!じゃあ、
後もう少しだね!」

「えーと、ニコとメエメエ……、だっけ?
わざわざ報告に来てくれてマジで助かる!
後は残りの連中連れて帰るだけだ!こっちの方も
もうすぐ帰るからって、皆に伝えておいてくれよ!」

「うんっ、分かったよっ!じゃあ、そろそろ
パワーが切れちゃうから……、まったねーっ!
マンションでニコニコで会おうねー!楽しみに
待ってるからねー!」

「はいっ、マンションの皆様のケアはこのメエメエに
どうぞお任せ下さいませっ!」

ニコとメエメエの姿がその場から消える。……しかし、
マンションの方も何とか状況が良くなって来ていると、
嬉しい報告を受けてものの、やはり、やっぱりあの
黒子の正体が益々気になって来て、仕方が無い
ジャミルなのだった……。

「さあ、先に進まないとだな、俺らもな!」

「きゅっぴっ!」

再び走り出すジャミルとチビ。希望を胸に受け。
最後に待ち受ける試練が例えどんな困難であろうと。
クソババアのルーゼとゲスの野郎に負けてたまるか
よと……。……そして、ジャミルを只管待つ、上の階の
仲間達はケイから領主達の話を聞き、複雑そうな
顔をした……。

「……そうか、ゆーなは君のお父さんの処にいるんだね……」

「うん……、あ、あたし……、どうしたらいいか
分からないんだよ、ごめんね、マモル……、じいも
何処かに連れて行かれちゃったみたいだし……、
本当にどうすればいいのかな……」

「いや、君の所為じゃない、……気にしないで……、
庭師さんもきっと無事だ、信じよう……」

「……マモル……」

「そうよ、ケイちゃん、大丈夫よ、清涼剤を飲ませれば、
洗脳なんかすぐに解けるわ!」

「ほ、本当なの?アイシャ……」

「本当よ、みらいちゃんが持っているこのお薬を
飲ませたらすぐに正気に戻るのよ」

「あああ……、親父……、じゃなくて、お父様は
ちゃんと元に戻るんだ……」

「そうだよ、ケイちゃん!私も大切な友達を
助けたいんだ、ケイちゃんの悲しみはとっても
分るの……、だから、絶対に悪い奴らは許さないの!!
あはっ、私にもお友達で、同じ名前のケイって
言う子がいるんだよ!」

「へえ~、あたしと同じ名前なんだね!今度
その子とも会ってみたいな!」

「うん!いつか皆で会えたらいいね!ワクワクもんだね!」

「僕も出来る事は最後まで手伝いたい、ね、グレミオ」

「はいっ、ぼっちゃん!ぼっちゃんと皆さんが
命懸けで此処まで助けに来て下さったご恩を、
このグレミオ、全身全霊で必ずお返し致します!」

「……ありがとう、ティルさん、グレミオさん……」

「えへへ、何だか希望が出て来たよ……」

みらいもケイを安心させる様に、ケイに声を掛け、
ティルとグレミオにお礼を言う。不安そうだった
ケイも少し笑顔を取り戻した……、が……。

「モフ……?」

「モフルン、どうかし……、ああっ!?」

「……その薬がなんだって?随分とおかしなモン
持ってるね、……よこしな……」

「……シフっ!!」

アルベルトが叫ぶ。等々、シフが姿を現し、
薬を持っているみらいの側へと……、
ゆっくりと近づいて来た……。

「で、でたああ~~っ!!ダ○スベイダーーっ!!
しかもテーマソング付きっ!!」

「……あんだと?誰がダ○スベイダーだ、
言ってみろ、コラア!!」

「ぎゃー!助けてえええーっ!アルうううーーっ!!」

つい余計な事を口走り、ダウドがシフに猫の様に
首筋を摘んで持ち上げられる。切れたシフは標的が
みらいからダウドに代わってしまった様だった。

「シフっ!……やめろっ!ダウドを離せっ!!」

「坊や……、フン、まだいたのかい、とっとと
逃げた方があんたの為だってのにさ……」

「……うぎゃ!」

ダウド、もうシフに捨てられ、その場に転がり、
みらいが慌ててダウドに駆け寄る。

「ダウドさんっ!大丈夫ですかっ!?」

「大丈夫じゃにゃい……、うう~……、もう
いやらこんな生活……」

「……シフ……、僕は……」

「フン……」

アルベルトとシフ、遂に師弟対決で両者互いに
睨み合う……。

「……シフ、僕は心の何処かであなたと戦うのを
避けられる事を願っていた、でも、それは叶わなかった、
だから僕はもう全力であなたを止めてみせるしかない!
……そう決めたんだっ!!」

言う事はまともなのだが、どうしても持っている
スリッパの所為で今一説得力に欠けるアルベルト……。

「……ハン、面白いね、本当に、どうせ無駄な抵抗だよ、
それでもやるってんなら坊や……、来な……」

「僕は負けないっ……!!」

zokuダチ エスカレート編・14

zokuダチ エスカレート編・14

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-10-24

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work