『崩れる予感』
寂しいこと言わないで
まだ何も終わってないわ
『崩れる予感』
考えてみれば最初から
予感めいたものはあったはず
でも嵐みたいに攫われたから
余計なことを考える暇もなかった
それは明確で絶対的な始まりで
始まりがあれば終わりがあることを
痛いくらい主張してくるから
どうかアタシの思考を埋め尽くして
貴方の匂いを閉じ込めて
永遠にしてしまいたいの
他の何も考える余裕なんて
一切与えないくらい深く満たして
貴方に染まりきってそれでも
悲しみが訪れるならアタシは
マリーゴールドを抱いて眠るわ
貴方が好きだと言った花
強い自分でいたいのに何故
誰かと生きたくなるの
この世でたった一人貴方だけ
他は何も要らないと知ってしまうの
無知なままでいれば悲しみも
きっと味わうことなく生きられた
でもそんな空想は無駄ね
出会ってしまえば後の祭り
絵空事の幸せをできるだけ長く
普遍的な幸せなんて要らない
永遠に続くなんて誤魔化しは
嘘臭くて白けてしまうわ
嘘でもよかったと嘆くまで
束の間の幸福に酔いしれて
時折浮かぶ鮮やかなオレンジ色
覆い尽くされるまでの理想郷
「残されるのはアタシとマリーゴールド」
『崩れる予感』