感情の叛逆
昇華を望まぬ感情もあるということを失念していた
怒りや悲しみは無きものにされたくなかった
それらは無視すれば増幅するということを
解っていなかった、それらは人間に、人格に
欠かせない要素なのだと認識していなかった
雑に昇華された感情は今もなお燻っている
雑に昇華しやがって、と声を震わせている
感情に向き合うべきは誰よりも自分なのに
なぜあのとき看過してしまったのだろう?
なぜもっと寄り添ってあげられなかったのだろう?
後悔が募る、この後悔すらも雑に昇華すれば
私は本当に最低な人間だ、堕ちた人間だ
自分を大事にできない人間の他人への優しさに
価値があるだろうか?それはただの自棄ではないか
私はこれ以上堕ちたくない、今からでも
やり直せるならやり直したい、自分の感情を
認めてあげて守りたい、そのすべてに寄り添いたい
感情を殺すより
感情に殺されるほうがずっとましだ
感情の叛逆