zokuダチ エスカレート編・11
復讐のゲス・8
「……ぴ?ジャミルっ、また誰か来るよおっ!」
「チビぃ~、マジか……?こいつだけでもウンザリ
してんのに……、う~、大体予想はつくけど……」
ジャミルは頭を抱えて横で鼻糞を穿って食べている
ボーボボの方を見た……。
「全くだよなあ~、まいっちゃうよねえ~、うん、
こ……、の鼻糞、何となく小梅ちゃんの味がするな……、
一つどう?」
「……オメーが言うなあああっ!」
「あだああーーっ!」
ジャミルはボーボボを蹴り倒し、水路に叩き落とした。
……ボーボボはそのまま流されていった。
「♪あ、どんぶらこー、どんぶらこー、どんぶら
ちんこっこっこ~」
「……チビ、早く上に上がろうぜ!余計な時間
食っちまったよ!」
「きゅっぴ!」
ジャミルとチビは急いで隠し階段を上がってその場から
逃走を試みる。こっちに向かって来ているのは多分、
ボーボボの仲間達だと思った。そして、予想は当たり……。
「ぎゅっぴいいーーっ!!」
「……は……、チビっ!?」
「おーい、其処のボウズ、てめーだけ悠々と逃げようと
してんじゃねえぞ、……このドラゴンがどうなっても
いいのかァってんだァ!?」
「ギョラアアアアーー!そうよ!さっさと降りて
きなさあーい!其所のバカ!……じゃないと、
このドラッゴンちゃんはあたしが頂くわよー!」
下を見ると……、首変態処盛り沢山の集団が……。
ツラ、容姿を見た感じ、やはりボーボボの仲間だろう。
ジャミルにとって初お目見えの集団、首領パッチ、
ソフトン、ところ天の助、破天荒、田楽マン、
……そして、チビを捕まえ、竜質?にし、抱えている
魚雷ガールが……。チビは魚雷ガールが無理矢理
接吻した為、白目を向いて泡を吹いて気絶していた。
「……何なんだよっ!テメーらはっ!早くチビを放せよっ!
何て事しやがるっ!」
「てめえ、早くおやびんの言う事を聞け!……お、お、お、
おやびんの云う事を聞かねえ奴はブッ殺すぞーー!!」
「其所の帽子の方、大人しく言う事を聞くのだ、我々とて
手荒な真似は好まぬ……」
「田楽を食わせるのらーー!!」
「は・や・く、ううううーーーん!ぷるるる~ん!」
「はあ、もう少しの処で……、分ったよっ!」
……下で獲物を待ち続けるかの様に屯する変態共。
チビが捕まっている以上、自分だけ逃げるわけには
いかず、ジャミルは仕方なしに階段を降りて下に戻った。
「……で、どうすりゃいい?俺に何がやりてんだ?」
「……ボウズ、決まってるでしょ、あたし達も
仲間を増やす……、すなわち、アンタもルーゼ様の
お仲間になるのよっ!……もうおめえは邪魔だギョラ!」
「……チビっ!」
魚雷ガールは抱えていたチビを地面に投げ捨てる。
そして気味の悪い薄ら笑いを浮かべながら腰に
手を当て、ジャミルの前に出た。ジャミルは急いで
チビを助けようと動こうとするが、首領パッチが
チビに側近、……チビの顔の真上に足を乗せようと、
足を近づけのであった。
「どうすんだい、兄さん、……大人しくしてないと、
こいつ、パッチ様の足でぐりぐり踏みつぶしちまうぜ?
ドーンとよ!」
「やめろーーっ!チビーーっ!!」
「あんたが大人しく洗礼の儀式を受けりゃ
済む事なのよっ!……さあ~、あんたも~、
……ルーゼ様に従え~、……従え~……」
「従ええ~……」
「従うのらああ~……」
ボーボボ集団はジャミルにどんどん迫り来る。チビは
竜質だし、もうどうすりゃいいのさじゃみこう
もうわけわかんなあーい!だれかなんとかして
ええええーーん!……と、頭の中がパニックに
なり掛けた雅にその時であった。水路から勢いよく
誰かが飛び出して来る。ボーボボであった。
「ウぉぉぉぉーー!!鼻毛激烈拳!……成敗ver!お前ら
目を覚ませええーー!!」
「!!てめえ何しやがんでギョラぷるるおやびん
食うの私はウンコ……、ギャァァァーー!!」
鼻毛神拳奥義炸裂。パッチ達を始め、全員一斉に
声を揃え意味不明の言葉が繋がり、水路に叩き落とされた。
「おっさん……」
「よし、ジャミルとやら、此処はオレに任せて
早く上の階に行け!急いでるんだろう!」
「ボーボボ、何で……」
「奴らはオレの仲間だっ!味方の不祥事はオレが
責任を取って奴らを洗脳から元に戻す!必ずな……、
元に戻して見せるさ……」
ボーボボはそう言い、ジャミルに背中を向けた。
変態でも何でも、彼も一応ジャンプのヒーロー
なのである。ジャミルには、彼の背中がとても
逞しく見えた。……のであったが。直ぐに
前言撤回する事態に陥るのである。
「ふう、気持ちいいなあ……」
「……おーいぃぃ!糞親父ぃぃぃぃぃーーーッ!!」
ボーボボは水路に浮かんでいる仲間達の顔に
小便を発射。……発射された小便は全員の口に
入っていった。
「何だ?これは聖水だぞ、オレの小便でこいつら
その内正気に戻るんだよ、ほーれほれほれ!」
「やっぱ俺の勘違いだったわ、……もう一回水路で
流されて来いーーっ!!」
「……あひゃああああーーーッ!!」
ジャミ公はもう一度蹴りでボーボボを水路に
付き落とす。……今度は揃ってボーボボ集団
全員で声を揃えて流されていった。
「♪あ、どんぶらこ~、どんぶらこ~、どんぶら
ちんぽっこっこ~……」
「……たくっ!ま、それで本当に洗脳が解けるんなら
大したモンだよ、さて、んな事しちゃいらんねえぞ、
急がねえとな!」
ジャミルはチビを回収すると再び上の階への
階段を駆け上がるのだった。階段を登り終えると……、
牢屋が並ぶカビ臭い場所へと出る……。
「……そうか、隠し階段は牢屋へと続いてたのか、俺達、
地下の地下へ落されたんだな、成程……」
「ぴ?……くんくん、くんくん……、ジャミル、
庭師のお爺さんの匂いがするよお!」
「何だと?……まさか、爺さんまた……」
「ぴい!こっち!!」
ジャミルとチビは牢屋通路を走り出す。チビの嗅ぐ
匂いの先に漸く牢屋に再び捕えられた庭師を発見
したのであった。
「……爺さん!」
「ぴい!」
「……お?おおお!ジャミルさんとチビさん!
……助けに来て下さったのですか!?儂の
至らない力不足で旦那様もケイ様も……、
皆さんにまでご迷惑を……、何とお詫びを
したらよいのか……、いつもいつも申し訳
ありません……」
庭師は鉄格子の向こう側から切なそうな表情で
ジャミル達を見つめた。
「んなのいいんだよ!爺さんは何も悪くねえっての、
それよか早く此処から出ようぜ、チビ、頼めるか?」
「ぴい!牢屋の扉今燃やすね!」
「……待ちなさい……」
「ぴ?」
「……う……、こ、この声は……、もしかして……」
チビがブレスで牢屋の鍵を燃やそうとした瞬間、
暗い通路にコツコツと足音が響き茶髪ロングの
女性がゆっくりと此方に近づいて来た。ジャミル達が
よーく知っている顔見知りの人物、元の世界で共に
邪神を封印する為、一緒に戦った8英雄の一人……。
「……これ以上あなた達に好き勝手はさせないわ……」
「クローディア……、か、やっぱり……」
「簡単には此処を通しません…、覚悟は
出来てるのね?ジャミル……」
クローディアは冷たい微笑をジャミルに向けると、
ついでに持っていた自身の弓の先もギリギリと
ジャミル目掛け向けた。
「おいおい、この世界じゃ基本的に武器禁止
なんだけどなあ、どいつもこいつも……、けど、
まいったなあ、清涼剤はみらいが持ってるし……、
弱った……、あああー!」
「ふふふ、……この弓、ルーゼ様に頂いたの、
……あなた達なんか皆死ね矢でイチコロよ……」
「うわー、まいった……、チビ、此処は俺が何とか
間を持たせるから、お前はどうにか皆と合流して、
皆を連れて来てくれよ、頼む……」
「ぴ!駄目!チビそんなの出来ないよお!ジャミルを
置いていけない!!」
「チビ、んな事言ってる場合じゃねえんだよ、今は
食うか食われるかだぞ、……頼む、お前にしか
出来ない事なんだ!」
「ぴいい~……、やだ、嫌だよお~、チビ、
どうしてもジャミルと離れるの嫌……」
「……チビっ!!」
「いやびいい~……」
勿論、もしかしたら逃がしたチビも道中で危険な
目に遭わせてしまう可能性も充分あった。しかし、
もしも今此処で両方ともやられてしまったらと考えると、
ジャミルにはこの方法しか思いつかなかったのである。
「あなたもジャミルさんのお仲間ですな?お願いします、
今すぐこんな馬鹿な事はおやめ下され!ルーゼ達の
まやかしなどに負けてはなりませぬ!!」
鉄格子の向こうから庭師が必死に訴えるのも聞かず、
氷微笑でクローディアが髪の毛をふわっとかき上げて、
庭師の方を鋭い目で睨んだ。
「うるさい爺さんね、あなたはそこで黙って
見てればいいの!さあ、死になさい!!」
「……ハア、やっぱ俺も黙って見てる訳にいかねえか……、
チビ、マジで後は頼む、どうにか彼女を今此処で
気絶させてみるから……、それしかねえ……」
「……ジャミルっ!駄目だよおっ!!」
漸く、ジャミルもクローディアと一戦交える覚悟を
決めた、……その時……。
……ぷしゅ~……
「な、何……?……う、ねむ……」
「ぴいい~?」
「な、何なのっ、これはっ!?睡眠ガスっ!!
……油断……、あああ……」
クローディア、ばたっとその場に倒れる。一緒に
ガスを吸ったジャミルも、倒れそうになってしまうが……。
「……ジャミルさん、しっかりしてくださいぎゃ!!」
「こ、この声……、お前……、ゲラ……ハ?」
「すみません、ちょっとだけ痛いですけど、
目を覚まして貰います!!ぎゃ!!」
「……え?……うわぎゃああああーーーっ!!」
駆けつけたゲラ=ハがジャミルの頭部にチョップした。
どうやら眠気を覚ます為の刺激のツボらしかった……。
「……い、いてええ~……」
「申し訳ありません、あなたにまで眠って
頂いては困りますので、ですが、何とか
間に合って良かったですぎゃ……」
「すうすう……」
ガスを吸ってしまったクローディアはすっかり
眠りこけている。当然の事ながら、庭師もであった。
「……ガルルル……」
「……クウ~ン……」
「ブラウ、シルベン!お前らも無事だったのか!!」
クローディアの護衛、クマと狼、2匹の獣が姿を現す。
2匹は心配そうに、眠っている主を見つめている……。
「……この睡眠ガスは、我々人でない生物には効きません、
ですので……、実は、此処の屋敷の散策の最中で出会った
ある親切な方がスプレーガスを分けて下さったのです……、
……何かのや~くにたつからよ、もっときなー!……と……」
「……はあ?けど、お前ら、又、何で此処に?
よく場所が分ったな……」
「実は、キャプテンが突然様子がおかしくなって
しまって……、ルーゼ様、ルーゼ様……、と、
クローディアさんも……、キャプテン同じく
様子がおかしくなり、急に姿を消してしまって、
護衛の彼らもとても心配しておられました……、
彼らの鼻を頼りに此処の屋敷まで探しにやって
来たのですが……、……キャプテンはルーゼと
言う女に洗脳され従い、何かとても恐ろしい事を
企てる手伝いをされている様でした……、我ら
人間でない亜人は洗脳術など効きませんので
大丈夫です……」
「そ、そうか……、それならそれで俺らに相談して
くれりゃ良かったのに、お前らだけで此処まで
来るのは大変だったろうに……」
「……主の不始末は弟子がカタをつけたいのです、
もしもの場合……」
ゲラ=ハがキッと硬い表情になった。それを見た
ジャミルは慌てはじめる。
「おいおいおい、この話でそんなに深刻に
ならないでくれ、其処まで思いつめんなよ、
大丈夫だ、元に戻せる薬を持ってる、それを
飲ませりゃ、どんなに洗脳されようが、すぐに
元に戻せるからよ……」
「なんと?本当ですか?ぎゃ……、キャプテンは
元に戻せるのですか?」
「勿論さ!けど、薬は上にいる仲間が持ってんだよ、
どうにか合流しねえと……、俺らは皆と引き離され
ちまってさ、この階の更に下の地下水路に落とされ
たんだよ……」
「そうですか、それならば、ジャミルさん、我らが
此処でクローディアさんを見張ります、どうか一刻も
早く上に戻って薬を持って来て下さい、お願いしますぎゃ!」
ゲラ=ハはそう言うと、開いている牢屋の中に眠っている
クローディアを閉じ込める。主の様子を見ていたブラウと
シルベンは悲しそうな表情をした。
「今のクローディアさんは、怪しい瞬間ワープ術も
使える様です、こんな牢屋に閉じ込めても一旦目を
覚ましてしまえば無駄なのは分かっているのですが……」
「……ごめんな、ほんの少しの辛抱だからよ、
クローディアはすぐに元に戻す、だから我慢
してくれな……?」
「……ガル……」
「クウ~ン……」
ジャミルの表情を見て、分ったと言う様に2匹が
返事をした。
「この状態だと、爺さんを連れて行くのはまだ
無理だな、ゲラ=ハ、爺さんも頼むよ……」
「お任せ下さいぎゃ!ですが、一刻も早くお願い
致します、なるべくクローディアさんが目を
覚まさない内に……、後は他の見張りが来ない様に
どうか祈るだけですぎゃ……」
「……分ってる、よし、チビ、行くぞっ!」
「ぴいーっ!」
ジャミルとチビは上の階目指し、皆と合流する為、
再び走り出した……。
「お願いしますぎゃ……、どうか間に合って下さい……、
ぎゃ……」
……そして。場面はマンションの方。男子組も
掃除を終え、女の子達と共に、お帰りパーティの
ご馳走の準備を手伝っていた。時刻は過ぎ……、
時計の針は夜中の0時を指す。料理も作り終わり、
後はジャミル達が無事に帰って来るのを待つだけ
なのであるが……、皆、夜の闇の中、大きな不安と
戦っていた……。
深夜0時。この頃丁度、屋敷では地下水道でジャミ公が
ボーボボの相手と対応に困っていた時である。
「……ん~、グレイさぁぁ~ん、……グレミオ
さぁぁ~ん……、何かグレ尽くし~……、世界中の
いい男はみんなアタシの物ヨ、むにゃ……、ジャミこー……、
……あんたもうちょっとしっかりしなさいよう……、
むにゃ……」
「美奈……、誰も相手にしないから……、にゃう~……」
「……んですってええ~、アルテミスう~……、むにゃ」
「……お姉ちゃん、行かないで……、トム……」
「いろはちゃん、寒くないかな……?」
「うん、……あったかい、悟君も……、こむぎも、
大福ちゃんも……、みんなが側にいてくれるから……、
とってもあったかいよ……、ふふ……」
「いろはちゃん……」
「くうくう……、いろは……」
「……」
寝ぼけているボケ美奈子を始め、マンションに残っている
女の子達は今夜は皆で固まって、そのままパーティルームの
ソファで休んでいる。悟の側に寄り添ってすやすやと眠る、
いろは、こむぎ、大福。今夜は野郎も自部屋に戻らず、
ジャミ公の部屋を借りて全員休んでいるのである……。
「いろはちゃん、今夜は大福の事、お願いします……」
いろは達もすっかり眠ったのを確認し、大福の頭を
そっと撫でる悟。悟もそろそろジャミルの部屋に
お邪魔させて頂こうと、部屋を訪れたのだが。
「あの、谷口さん……?何してるんですか?僕らも
そろそろ身体を休めないと……」
「うん、そうなんだけど……」
悟が谷口に声を掛けると谷口はゆっくりと悟の方を向く。
「この部屋、凄く汚れていて……、何だかとても
気になってね、折角大事な部屋を提供して頂い
たんだから、僕も何かお礼が出来ないかと思って、
この部屋も掃除を……」
「はあ、ですが、あまり勝手にお部屋をいじるのも
どうかと思いますが、気持ちは分りますが……、えーと、
谷口さん?……谷口さん?」
「……」
ジャミルの部屋の床を見つめていた谷口が、ある物を
見つけたらしく、じっと眺めている……。
「どうし……、……」」
急に動かなくなった悟は慌てて彼の側まで近づく。
「……こ、これは……」
原因はジャミルが出掛ける前に出しっぱなしにして
いったエロ本であった。……普段野球の事しか頭にない、
真面目な谷口は表紙の全裸のおねいさんと目が合ってしまい、
野郎にはごく当り前のこういった自然な物にどうしていいか
分らず硬直し、困って固まってしまったらしい。そして、
正座したまま、その場にコテンと横に倒れた。
「谷口さん、大丈夫ですかっ!?谷口さんっ!
あ、ああ、鼻血出して……、目を開けたまま気絶……、
……ぴ~、ぴ~、ガーガーガー……、ボンっ!!
……ぷしゅうう~……」
更に……、エロ本を目撃してしまった悟もどうして
いいか分からず、パニックになり、眼鏡がショート爆発、
一緒に気絶……。やはり、普段は真面目だろうが
何だろうが、彼らは年頃で普通の立派な男の子なんである……。
「……うるさい、僕に構うな……」
少年だけがブツブツ寝言を言いながら、唯一完全に
お休みモードに入っていた。ジャミルの部屋の
押し入れに入っているタオルケットを借りて全身を覆い、
顔を見せないようにし、床でごろ寝していた。
「……駄目だ、目が覚めてしまった……、ううう……、
ぼ、僕は、僕はあああーーーっ!!ハア、こ、今夜は
大福をいろはちゃんに預かって貰って本当に……」
「……さとる、くん……♡」
さっきの雑誌の表紙のお姉さんが、彼の脳内では
何故かいろはになってしまい……。谷口よりも
興奮して眠れなくなってしまったらしく……。
頭を少し廊下を散歩して来ようと部屋の外に。
其所で思いがけない人物?達と遭遇する事に……。
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