『幼心の君』
駄菓子屋で駄々をこね
貴方を困らせてみたかった
『幼心の君』
どこまでも広がる空想みたいに
アタシの両手では抱えきれない
愛情の重さを何かと比べられないわ
ただ溢れて止まらないだけ
カラスが鳴く頃繋いだ手を離し
バイバイを言ってから振り返る
坂道を登って行く後ろ姿
もう会えないような予感
この瞬間を永遠に繰り返して
大人になっていきたいけど
どちらかが先に手を離す
アタシは貴方と言い貴方はアタシと
いつか別つ二つの世界
混ざり合わないから切なくて
どうにか寄り添えないかと
方法を探しあぐねる内に
いつか忘れてしまう物語
それでももしも方法があるなら
貴方と指を絡める未来があるなら
アタシは何だってできるのに
きっと貴方も何だってした
だけどどうしようもないことも
この世にはあると知ってるから
その後ろ姿を永遠にするの
「諦めという罪を犯したのはアタシ」
『幼心の君』