『スキャンダル』

初めて味わうその味は
それはそれは甘くて病みつき


『スキャンダル』


芳しい香りでアタシを誘う
憎らしい程魅力的な貴方へ
言葉ではなく視線で送れば
秘密の合図にそれぞれ席を立つ

何でもない顔で友達に手を振り
空き教室で貴方を待つ
少し息を乱してそのドアを
静かに開けて鍵を閉めるまで

目が合えば口づける以外を
知らないからこそ注意が必要
むやみやたらに求めてはいけない
適切なタイミングは多くはないから

どうしてそんなに切羽詰まったような
それでいて乱れまいとした顔を
アタシに見せてくれるの
奪い合うキスの合間に態と吐息

これはサービスよ
アタシを喜ばせてくれた報酬
甘く声を上げればまた乱れる息
可哀想なくらい素直ね



「他人でいる方が燃える、それだけ」

『スキャンダル』

『スキャンダル』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-09-18

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