喫茶店のオムライス

喫茶店のオムライス

喫茶店で夢を語る事が必要です。
喫茶店でアンティークの深みのある茶褐色のテーブルと、年月を感じさせる情緒で味わい深い茶色の椅子に腰掛ける。
座り店内の雑貨や窓を見るだけで深い官能を呼び起こし、情緒の深い陰影に馴染んでいく。
深い情念を呼び起こすコーヒーが置かれると、そこは小説の主人公が座るモニタールームとなった。
そして赤いケチャップと黄金の卵が織りなす究極のハーモニーが、安らぎの果てに鎮座する。
濃厚で真っ赤なケチャップが少し垂れて美しい陰影を漂わす。
黄金の色鮮やかな卵が美しく映えて柔らかい印象を添える。
スプーンを挿すと、中から真っ赤に染まるチキンライスが色味を帯びて姿を現した。
スプーンで掬い口に入れると、ケチャップの濃厚な旨みと柔らかな卵の甘みが味覚を刺激する。
そしてチキンライスはケチャップの余韻を残しつつ、バターの風味が絶妙な味付けとして添えられている。
チキンライスは噛めば旨みが滲み出て、鶏肉の歯ごたえにご飯が絡みつき絶妙な味の余韻を残す。
あつあつのご飯がほくほくと湯気を出して、味覚は喜びへと迎える。
ケチャップの効いた赤いご飯が深い旨みを覚え、キュンと心が震えて高鳴る喜び。
沁みこんでいく美味のエキスがなめらかに舞い降りていく。
あー美味しい。
また卵がふんわりとして甘く優しい風味が立ち上がる。
そこにケチャップを混ぜると、トマトの甘みが一斉に混ざり合いとろける絶頂感を伴うのです。
ケチャップと卵とチキンライスは全て完全に統合され、旨みのトーテンポールとなっていく。
旨みのある物同士を混ぜたら、何倍にも旨みが増すのは当たり前です。
濃い旨みが幾層にも積み重なり何重にも秘密のヴェールを掛けているようです。
またオムライスの色彩が好きです。
赤と黄色の情熱の色彩が、食べる人の欲求を刺激し視覚的に楽しませる。
美味しそうな色彩が弾けて、喜びを溢れ返すリアルさに魅了される。
そしてケチャップの垂らし方に粋な心を感じエキゾチックに表現する。
この垂らし方でシェフの技量がわかるといっても過言ではありません。
好きな店のオムライスは、卵とケチャップ、チキンライスを個別に一つ食べても美味しい。
ふわふわとろとろの卵が纏わりつく甘みの柔らかさ。
濃厚にパンチの効いたケチャップは、キュンと甘さの中に美しく溶けていく。
そしてチキンライスは風味豊かなバターが効いた鮮やかさが刺激する夢見心地。甘い触感が適度に纏わりついて、透き通る美しさで広がっていく。
この三位一体の旨みの指数関数に酔い知れる嬉しさ。
この世にオムライスを発明した人は本当に頭が良い人です。
オムライスを食べると明るく前向きになり、生きる活力を取り戻してくれます。
あー今日もオムライスが食べたいのです。

喫茶店のオムライス

喫茶店のオムライス

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-09-18

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