散歩
散歩していると、全ての喧噪から離れて自由な時間を楽しめます。
普段通らない道を歩くと、全く新しい情景が広がっています。
風を受けながら色彩が万象の空間を表出し、草花が揺れて青空が抜け太陽が照りつける。
そこに白壁の家が情緒深くぽつんと佇み、清らかな風が通り抜ける。
歩けばそれが人生になる道の彼方に、新たな光が待っている。
光が明るく前方に照りつけると、鳥が頭上に円のラインで飛び抜ける。
鬱積した思いから解き放たれ栄光の道を歩きながら、やはり人間は幸せにならないといけないのです。
歩くとその先に今まで知らなかった美しい情景が現れ感服する。
美しい家並みが、人情深く味わいのある形状で慈しみを醸し出す。
そしてそこに微妙に曲がった道が思慮深く意味ありげに敷かれている。
この道には歴史があり、どのような人達が通り会話がなされ賑わいを見せていたのでしょう。
古びた通りのワンシーンにも、様々な人間ドラマがいとおしく彩られている。
年月を積み重ねた道には情緒が宿り、味わい深いロマンが内在していた。
路地を歩き曲がるとそこはお花畑のある庭で、揺らめき光を発し鮮やかな万象を発している。
素敵な感性を宿した庭に見惚れて陶然と幸せな気分に浸る。
この庭を造り造型した住人の感性に感嘆の想いを抱くのです。
美しく整然とした花壇の優麗な踊る意識の漂流。
敷き詰められた石や門柱の巧みな造型美に、清潔な印象を抱きます。
一つの絵画の中にいるような異様な美を体現する家の佇まいに、ああ良いなあと感動するのです。
そこに駐車されているイタリアの名車フィアットとのコラボレーションに、美と美との融合で溶け合い完全なマリアージュを起こす。
手入れの届いた駐車スペースの佇まいに、ああ、ここの住人は美意識が高く目指す世界がありこだわりを持っているのだ。
家の様相は洋館のレンガ造りで、白壁に赤み掛かったレンガを組み合わせ、立派な出でたちで立っている。
情感を立ち昇らせ色彩の古びた深い味わいは、年月を重ねた慈しみを醸し出している。
その玄関から奥様が出て来た。
美しき目のくっきりとした知性溢れる表情をして、颯爽とフィアットに乗り駆けていった。
このような場面に遭遇するだけで、一つの映画のシーンに立ち会えた喜びで一杯になる。
ああ、生きていて良かった。
ワンシーンが私の中で財産となり、生きる上での糧になるのです。
この財産を私の美しい記憶の引き出しにしまっておくのです。
散歩すると何かしら新たな発見があり、未知なる情景との邂逅を迎える。
散歩する時間によっても、全く光の情景が遠い余韻の深さで微妙に変化する。
美しい光のプリズムを感じ、現実をしばし忘却し夢中で歩く時間の貴重さ。
一歩散歩の世界へ踏み出せば、光のスペクタクルが待ち受けている。
ああ、今日は良い景色を見れたなあ。そんな感想を持てればそれだけで正解なのです。
ああ、良かった。この一言を発する為に今日も散歩するのです。
散歩