花火

花火

花火をする、美しい煌めきの光に心は魅了される。
青、赤、緑と摩訶不思議な色彩のトリックアートがテクニシャンしている。
人生の麗しい光の記憶が誘発され過去の私がそこにいたのです。
花火にチャッカマンを近づけて、導線に小さな灯火が映る時、夢の目映い記憶が生まれる。
導線に付いた火が燃えて花火の芯へと迎えられる。
するとぱっと閃光が立ち上がり、ふわーっと花火が一斉に発射する。
光の美しい競演が見る者の全ての心を優しく包むときめきがあった。
色彩が輝かしく照りつける鮮やかな三原色の煌めき。
火花が飛び散って、閃光が幻の中に明滅し輝度の高い明彩色が生まれる喜び。
明滅する幻の淡い憧憬に、色とりどりの魔法の光が夢の世界へと連れて行く。
光がキラキラと誕生している光の明彩色の中枢へと昇る生命の喜び。
火花がパチパチと音を立てて飛翔する淡い印象画の精緻な佇まい。
美しい光のラインが暗闇にぴかっと輝き放つ夢の道筋。
光の軌跡を追っていくと、宇宙の深遠に沈んでいく静謐な彼方。
棒を持って、花火の行く末を見つめる朧気な夢の時空に浸るうつろな瞳。
はあーっ何て美しい光の行方なのでしょう。
手で花火を動かして暗闇に光を筆記する爽やかな解放感。
「何て綺麗なの」とあなたはにこっと笑い煌めきに酔っていく。
日常の喧噪が花火と共に忘れさせ光の中に意識が昇華していく。
私は一体何処から来たのでしょうか。 
花火の黄金色に輝く生命の浄土に、辺りは深遠な清らかさに包まれた。
この世界が始まった場所にあなたはいたのです。
花火が生命の情熱を燃やして発する軌跡に、清き美しい色彩を呼び、ニューワールドが忽然と姿を現す神秘的昂然。
青色から赤色へと変わり情熱の炎を燃やし火花を散らし、線の軌跡へと変化し安らかな包容力に身を委ねる帰結。
色彩の変化がミステリアスに微睡み移ろいゆき儚く光の行方を追っていく。
光の行方を追って移りゆき過ぎ去り儚く散っていく。
この幻の中に私達はずっと生きているのでしょう。
全てのものは過ぎ去っていく光の軌跡。
それゆえにいとおしいのです。 
この過ぎゆく光の跡先の行方に瞳は宙を彷徨う。
意識は一体何処へ行くのだろう。
それは誰にもわからない。
儚なしげに深遠の中で彷徨っていくのです。
誰か花火の光はこれから何処へ行くのかを教えてください。
花火の光を見つめると、私の存在も本当にここにいるのでしょうかと思ってしまいます。
するとあなたが私の手を握りにこっと笑顔で大丈夫と答えた。
そして明るい夢の光がまた未来へと輝き始めたのです。

花火

花火

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-09-18

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