電車

電車

電車に乗るのが好きです。電車が走っているのを見るのが好きです。
電車に乗ってゆっくりとモーターが立ち上がっていく感覚に、エキゾチックな神秘性を感じます。
モーターがウィーンと駆動する絶妙な安定感に満ちた躍動。
本当にスムーズに直線的に加速していくモーターの完全力学の純駆動組織。
電気のトルク制御の完全駆動状態に、惚れぼれして乗り心地がこの上なく極上。
しなやかで緩やかに動いていく電車の優しいモーターが、徐々にスピードを上げていく得も言われぬ高揚感。
揺れが少なくレール上を水平に滑走していく自然体の極致。
窓から眺める景色は、青空と雲の憧憬で夢しかありません。
景色が流れて行く夢の時空に、電車がスピードを上げて駆け抜ける爽快感。
極上のシートに身を委ねて恍惚感に浸り流れ動いていく軽快な車両。
青空の下を勢い良く電車がレール上をガタンゴトンと美しい響きを発して、抜けて流れる心と体の突き抜ける快感。
レールの上を走る電車の水平方向の安定性と、カーブでの車体を傾斜しながらリズミカルに抜けていく勇ましい姿。
スムーズに前へ前へと車体のパワーを維持して押し出す、頼れる相棒のような信頼感。
レールの前方に広がる栄光の明るい未来の光へ、電車が私の夢を乗せて拠り所として勇敢に駆け抜けていく。
モーターが唸りを上げうーっんと音を発生して回転し、低周波から高周波へと位相を上げていく変わりめの嬉しさ。
シューとモーターが回転する叫びと、フーンというか細い吐息のような静謐さが、私の心を上手くくすぐる。
真っ直ぐレール上をスピードを上げて高い周波数に位相して安定すると、そこは完全な青空の中を走り抜けているような高揚感に包まれる。
平野、山、川、トンネルを抜けていく快感に、諸行無常の円舞曲が回転して流れて動き続ける。
ああ、青空の下を流れる景色を眺め、さまざまな事を夢想しながら過ごす快楽。
すると鳥が私の真横を一緒にランデブーしている。
ああ、あなたは過去の私、未来の私のどちらなのでしょう。
風を切って走る車体に鳥はこちらを見てウインクする。
さあ、未来の光が前方に光り輝いています。
「到着します」と駅の車掌のアナウンスがあり無事に到着する安心感。
電車がスピードを落としてふわーっとブレーキの柔らかな音が響き、徐々に完全な制御系のアルゴリズムが緩やかになってきます。
スピードが落ちる感覚が、夢が達成した時の嬉しさのスローモーション。
ああ、満ち足りた感慨にふけて、世界が深遠の内に余韻に流れていく。
じっくりと停止線に向けてスピードを落として着実に止まる奇蹟の車体。
人生を流れるメロドラマの車体が無事に役目を終えたのです。
電車は人に夢を持つ事の大事さを教えてくれる。
私を夢の時空に連れて行き、目的地をしっかりと見据えて行動する事の必要性を教えさせる。
目的がある。喜びがある。そして電車がある。

電車

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-09-18

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