星
星の光は永遠のごとく
定めのごとく
人の行く末を照らす
届かざる星の明かり
人の命の幾倍なりしか
雲去りし闇に放つ
澄みし白い光
生まれ来し狭きところ
去りゆきし知らざりしところ
星のもとにありぬ
いつしか汝といふ声を聞かむ
人の行く末を照らす
優しき声を聞かむ
変わりなき星影の声
天に満つ静けさのなかに
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音声符号の参入による外縁の事象の消滅
鬼神の沈黙の前を通過
天界の美しき塵 歩みを止めし
今再び聞こへし音ひとつ
旅立ちの知らせ
愚かなる身に負ひし定めのまたあり
雫ひとつ落ちし音
深闇に消えゆきし
静寂のまた訪れし時の長き
忘れたる愛の茫漠として返り見ゆ
坂の上にありしは星の如き光
手で顔を撫でし鬼神の黙りたるを尻目に
善鬼の差し出す水瓶を受け取りし
時はいまだ終わらずにあり
汝の行く道も先見へざるほどにありしと
さあ、ゆくがよいと言ひし人のあり
星