フリーズ232 短歌集『神のレゾンデートル』笹井宏之短歌
短歌集『神のレゾンデートル』50首
世界には平和が必要だとしても 誰も彼もが見て見ぬふりだ
この短歌 世界を導く音となれ! 永遠平和が成される日まで
愛してる 世界平和の為ならば どんな罪でも赦してあげる
祈ってる 皆の愛の為ならば 全ての罪を背負ってあげる
仏はね 歓喜の中の大歓喜 生きる喜び 死んでいく意味
光はね 輝けるんだ どこまでも でもねそれはね闇があるから
永遠と終末の狭間 凪いでいた 神愛と涅槃 いつだってそう
成すために我が紡ぎし言の葉が響かぬ世なら何も望まぬ
永遠は時間が止まる その刹那 探してたもの見つかったかい?
永遠も半ばを過ぎて思うのは 切なさの色 儚さの音
世界がさ終わる日のために咲いた花 リコリス コスモス フリージア
願ってた永遠命終わる日を 終末に凪ぐ渚の香り
全知から目覚めたあの日に始まって 全能の日にフィニスが来たる
行きたいよ 久遠 永遠 球遠へ 涅槃の至福 生まれた意味を
叶うなら僕を迎えにやって来て 神も仏も天使も人も
僕たちは愛し愛され生きていく それが定めと諦めるのか?
終末に凪いだ渚は永遠で 永遠でいい永遠がいい
アイデアは満たされていたら生まれない 不満があるから思いつくのだ
死ぬのなら世界を平和にしたかった 南東沖の灯台が咲く
菩薩はね 人を救うの 全力で でもね仏は自己完結だ
永遠のラカン・フリーズ 門が開く 死なずに済んでほっとしたかい?
僕たちは愛し愛され生きていく 自己愛 神愛 運命愛
平和な世 きっと物足りないからさ 仮想現実 あふれて死ぬぞ
終末に世界平和が叶ったら もう思い悩むことなんかない
素直な詩 素敵な死にも代えがたい この刹那にも 永遠宿る
神様はあの冬の日の僕だった 全てを知って 愛と感謝で
その刹那神話の中にいる気がし きっと終末 これが永遠
崩れ去る輪廻の記憶 遠ざかる 意味を知る頃 この世にいない
終末の音がした朝 凪いだ昼 聖夜来たりて 原罪の花
泣かないで 置いてかないで 行かないで 私は一人終末で待つ
輪廻から去ろうと決めたあの日より 私は仏 世界樹の下
菩提樹に金木犀に木蓮に沙羅双樹にて涅槃に至る
何もかも 全てが終わったあの冬日 始まる宇宙 彼は恋した
永遠の意味を悟った7日目に僕は死んだよ 私は還る
探してた答えがやっと見つかって この先私は何をしたらいい
揺らいでる水面の灯火消え去って 煩悩の火は
涅槃に揺れる
咲いていた水辺の花は枯れていく 季節の中で 時流の中で
晴れていた人生最終到達地点 冬空の下 真実を知る
神様は独りぼっちで寂しくて世界を創った 私は居るよ
いつの日か死んでしまって無に還る 一切皆空 色即是空
夕凪に急かされたから旅立とう 神愛求めて夢幻の先へ
死んじゃって 初めて僕のいない朝 雨が降るかな 雪が降るかな
神様になった日の朝 凪いでいた水面に映る知らない顔が
煌めいて 七つの海を越える日に 僕は僕のこと忘れてしまう
忘我の日 涅槃に至った終末に 君との愛を謳ったらいい
夢が覚め 永遠でさえ 終わり来て 世界の終わり 世界の始まり
人生は何のためにある? 夢のため 愛のためとか信じれないよ
だからって生きるしかない 僕たちは 歴史の中で生きるしかない
神様は 世界はなんで生まれたの? それを知るため創ったのにね
愛してる 全ての今に感謝して ラカン・フリーズ 水門の先で
フリーズ232 短歌集『神のレゾンデートル』笹井宏之短歌